フィルタ済みレプリカを設定し管理する

フィルタ済みレプリカには、eDirectoryパーティションの情報のフィルタ済みサブセット(オブジェクトまたはオブジェクトクラス、およびこれらのオブジェクトの属性と値のフィルタ済みセット)が保存されます。

管理者は、フィルタ済みレプリカのセットを保持するeDirectoryサーバを作成するためにフィルタ済みレプリカ機能を使用します。フィルタ済みレプリカのセットには、同期するオブジェクトおよび属性のみが含まれます。

このため、iManagerでは、フィルタ済みレプリカのパーティションスコープおよびフィルタを作成できるツールが用意されています。スコープとは、単に、サーバ上でレプリカを保存するパーティションのセットです。一方、レプリケーションフィルタには、サーバのフィルタ済みレプリカセットに含めるeDirectoryクラスおよび属性のセットが定義されます。この結果、eDirectoryサーバには、ツリー内の多くのパーティションから必要なデータを抽出し明確に定義されたデータセットが保存されることになります。

サーバのパーティションスコープおよびレプリケーションフィルタの記述は、eDirectoryに格納され、iManagerのサーバオブジェクトまたは[パーティションとレプリカ]役割によって管理できます。


フィルタ処理済レプリカウィザードを使用する

フィルタ処理済レプリカウィザードを使用すると、サーバのレプリケーションフィルタおよびパーティションスコープを、表示される手順に従って簡単に設定できます。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [パーティションとレプリカ]>[フィルタ処理済レプリカウィザード]の順にクリックします。

  3. フィルタ済みレプリカを設定するサーバを指定し、[次へ]をクリックします。

  4. 選択されたサーバに設定されたフィルタのクラスおよび属性を定義するには、[フィルタセットの定義]をクリックします。

    レプリケーションフィルタには、サーバのフィルタ済みレプリカセットに保存したいeDirectoryクラスおよび属性のセットが含まれます。フィルタセットの定義の詳細については、サーバフィルタを設定するを参照してください。

  5. [次へ]をクリックします。

  6. このサーバのパーティションスコープを定義するには、[パーティションスコープの定義]をクリックします。

    パーティションスコープの詳細については、パーティションスコープを定義するを参照してください。

  7. [次へ]>[完了]の順にクリックします。


パーティションスコープを定義する

パーティションスコープは、サーバ上でレプリカを保存するパーティションのセットです。iManagerの[レプリカビュー]ページには、eDirectoryツリーのパーティションの階層が表示されます。個別のパーティション、指定した分岐のパーティションセット、またはツリー内のすべてのパーティションを選択できます。次に、サーバに追加するこれらのパーティションのレプリカタイプを選択するか、既存のレプリカタイプを変更します。

サーバには、完全なレプリカもフィルタ済みレプリカも保存できます。詳細については、「フィルタ済みレプリカ」を参照してください。


eDirectoryサーバのレプリカを表示する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [パーティションとレプリカ]>[レプリカビュー]の順にクリックします。

  3. 表示するサーバの名前およびコンテキストを指定して[OK]をクリックし、このサーバのレプリカリストを表示します。


eDirectoryサーバにフィルタ済みレプリカを追加する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [パーティションとレプリカ]>[レプリカビュー]の順にクリックします。

  3. フィルタ済みレプリカを追加するサーバの名前およびコンテキストを指定し、[OK]をクリックします。

  4. [レプリカの追加]をクリックします。

  5. パーティションの名前およびコンテキストを指定します。

  6. [フィルタ済み読み書き可能]または[フィルタ済み読み込み専用]をクリックし、[OK]をクリックします。


完全なレプリカをフィルタ済みレプリカへ変更する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [パーティションとレプリカ]>[レプリカビュー]の順にクリックします。

  3. 変更するレプリカを格納するパーティションまたはサーバの名前およびコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。

  4. 変更するレプリカのレプリカタイプ([タイプ]列内)をクリックします。

  5. [フィルタ済み読み書き可能]または[フィルタ済み読み込み専用]をクリックし、[OK]をクリックします。


サーバフィルタを設定する

サーバレプリケーションフィルタには、サーバのフィルタ済みレプリカセットに保存したいeDirectoryクラスおよび属性のセットが含まれます。どのサーバオブジェクトからでもフィルタを設定できます。フィルタ済みレプリカの場合、サーバごとにフィルタを1つだけ作成できます。つまり、あるeDirectoryサーバ用に定義されているフィルタは、そのサーバ上のすべてのフィルタ済みレプリカに適用されます。ただし、完全なレプリカにはフィルタは適用されません。

サーバのフィルタは必要に応じて変更できますが、変更するとレプリカの再同期が発生するため時間がかかります。サーバの機能については、慎重に計画することを推奨します。

次の方法のいずれかで、サーバのフィルタを設定または変更できます。


レプリカビューを使用する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [パーティションとレプリカ]>[レプリカビュー]の順にクリックします。

  3. 変更するレプリカを格納するパーティションまたはサーバの名前およびコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。

  4. 変更するサーバまたはパーティションの[Edit in the Filter]列をクリックします。

  5. 適切なクラスおよび属性を追加し、[OK]をクリックします。

  6. [完了]をクリックします。


サーバオブジェクトを使用する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory管理]>[オブジェクトの変更]の順にクリックします。

  3. 変更するレプリカを格納するサーバの名前およびコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。

  4. [レプリカ]タブをクリックします。

  5. このサーバにフィルタが定義されていなかった場合、[フィルタは空です]をクリックして[フィルタの編集]ダイアログボックスを開き、目的のクラスおよび属性を追加します。

    または

    [Copy Filter From]をクリックし、コピーするフィルタを持つオブジェクト(別のサーバなど)を参照します。

  6. 既存のフィルタを編集するには、フィルタ内のハイパーリンク付きアイテムをクリックし、[フィルタの編集]ダイアログボックスを開いて、目的のクラスおよび属性を追加または削除します。