スキーマの保守

スキーマとはオブジェクト属性のルールおよび定義を体系化したもので、これにより、各オブジェクトの内容と形式が構築され、データベース内でのオブジェクト間の関係が確立されます。

スキーマの保守ウィザードには、eDirectoryサーバのスキーマを[Root]のマスタに合わせるために必要なスキーマ操作がいくつか用意されています。ただし、これらの操作は必要なときだけ使用してください。スキーマは、ローカル修復操作および標準修復操作によってすでに検査されています。

eDirectoryスキーマの詳細については、スキーマの管理を参照してください。

スキーマの保守ウィザードを使用して、次の操作を実行します。


ツリーからスキーマを要求する

この操作を実行すると、ツリーのルートのマスタレプリカが自身のスキーマをこのサーバのスキーマに同期させます。[Root]のマスタレプリカからこのサーバのスキーマに対して行われた変更は、24時間以内に伝達されます。

重要:  すべてのサーバがマスタレプリカのスキーマを要求すると、ネットワークトラフィックが増加します。そのため、このオプションの使用には細心の注意を払うようにしてください。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory Maintenance Utilities(eDirectory保守ユーティリティ)]>[スキーマの保守]の順にクリックします。

  3. 操作を実行するサーバを指定し、[次へ]をクリックします。

  4. 操作を実行するサーバのユーザ名、パスワード、およびコンテキストを指定し、[次へ]をクリックします。

  5. [ツリーからスキーマを要求]をクリックし、[次へ]をクリックします。

  6. 表示される指示に従って、操作を完了します。


ローカルスキーマをリセットする

この操作は、ローカルスキーマのタイムスタンプをクリアし、着信スキーマの同期を要求するスキーマリセット機能を呼び出します。

[Root]パーティションのマスタレプリカから実行した場合、この操作はできません。ツリー内のすべてのサーバが同時にリセットされるわけではありません。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory Maintenance Utilities(eDirectory保守ユーティリティ)]>[スキーマの保守]の順にクリックします。

  3. 操作を実行するサーバを指定し、[次へ]をクリックします。

  4. 操作を実行するサーバのユーザ名、パスワード、およびコンテキストを指定し、[次へ]をクリックします。

  5. [ローカルスキーマをリセット]をクリックし、[次へ]をクリックします。

  6. 表示される指示に従って、操作を完了します。


Post-NetWare 5スキーマの更新を実行する

この操作では、Post-NetWare 5 DSの変更に伴い、互換性を確保するためにスキーマを拡張および変更します。

現在のeDirectoryバージョンによっては、新しいバージョンにアップデートするときに、このオプションが必要な場合があります。このオプションが必要かどうかは、アップグレードする新しいeDirectoryのリリースノートを参照してください。

この操作には、このサーバが[Root]パーティションのレプリカ([Root]のマスタレプリカ推奨)を持ち、レプリカが使用可能な状態であることが必要になります。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory Maintenance Utilities(eDirectory保守ユーティリティ)]>[スキーマの保守]の順にクリックします。

  3. 操作を実行するサーバを指定し、[次へ]をクリックします。

  4. 操作を実行するサーバのユーザ名、パスワード、およびコンテキストを指定し、[次へ]をクリックします。

  5. [Post NetWare 5スキーマの更新]をクリックし、[次へ]をクリックします。

  6. 表示される指示に従って、操作を完了します。


オプションスキーマ拡張機能を実行する

この操作では、包含など拡張機能のためにスキーマを拡張および変更します。

この操作では、このサーバに[Root]パーティションのレプリカが含まれ、そのレプリカが使用可能な状態であることが必要になります。また、ツリー内のどのNetWare 4サーバにも次のいずれかのバージョンのds.nlmが搭載されている必要があります。

サーバ バージョン

4.10

ds.nlm v5.17以降

4.11 / 4.2

ds.nlm v6.01以降

以前のバージョンのeDirectoryでは、このオプションで加えた変更の同期ができません。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory Maintenance Utilities(eDirectory保守ユーティリティ)]>[スキーマの保守]の順にクリックします。

  3. 操作を実行するサーバを指定し、[次へ]をクリックします。

  4. 操作を実行するサーバのユーザ名、パスワード、およびコンテキストを指定し、[次へ]をクリックします。

  5. [オプションスキーマ拡張機能]をクリックし、[次へ]をクリックします。

  6. 表示される指示に従って、操作を完了します。


リモートスキーマをインポートする

この操作では、現在のツリーのスキーマに追加したいスキーマが含まれているeDirectoryツリーを選択します。

ツリーを選択すると、[Root]パーティションのマスタレプリカを保持するサーバに接続されます。現在のツリー上にあるスキーマの拡張には、そのサーバのスキーマが使用されます。

2つのツリーをマージするには、一方のツリーからもう一方のツリーへ繰り返しスキーマをインポートする必要があります。詳細については、Novell eDirectoryツリーのマージを参照してください。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory Maintenance Utilities(eDirectory保守ユーティリティ)]>[スキーマの保守]の順にクリックします。

  3. 操作を実行するサーバを指定し、[次へ]をクリックします。

  4. 操作を実行するサーバのユーザ名、パスワード、およびコンテキストを指定し、[次へ]をクリックします。

  5. [リモートスキーマのインポート]をクリックし、[次へ]をクリックします。

  6. 表示される指示に従って、操作を完了します。


新規スキーマエポックを宣言する

エポックとは、基準点として任意に選択される瞬間のことです。時代や新規バージョンと同義です。エポックは、レプリカの同期を制御します。新規に宣言されると、マスタレプリカで機能します。他のレプリカは、新規エポックを持つレプリカに更新情報を送ることはできませんが、そのレプリカと完全に同期するまでは更新情報を受け取ります。

指定したパーティションの他のレプリカが更新済みレプリカと同期された場合、つまり各レプリカのエポックが同じになると、双方向の同期が再び許可されます。

新規スキーマエポッククを宣言すると、[Root]パーティションのマスタレプリカを保持するサーバに接続され、スキーマレコード上の不正なタイムスタンプが修復されます。次にスキーマの新規エポックがそのサーバで宣言され、ツリー全体に影響を与えます。

他のすべてのサーバは、修復されたタイムスタンプを保持する新しいスキーマのコピーを受け取ります。

受け取る側のサーバが新規エポック内に存在しなかったスキーマを含む場合は、古いスキーマを使用するオブジェクトおよび属性が「不明」オブジェクトクラスまたは属性に変更されます。

重要:  Novellサポートからの指示がない限り、この操作は実行しないでください。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory Maintenance Utilities(eDirectory保守ユーティリティ)]>[スキーマの保守]の順にクリックします。

  3. 操作を実行するサーバを指定し、[次へ]をクリックします。

  4. 操作を実行するサーバのユーザ名、パスワード、およびコンテキストを指定し、[次へ]をクリックします。

  5. [新規エポックの宣言]をクリックし、[次へ]をクリックします。

  6. 表示される指示に従って、操作を完了します。