ユーザアカウントを管理する

eDirectoryのユーザアカウントの設定には、ユーザオブジェクトの作成、およびログイン制御のプロパティやユーザのネットワークコンピューティング環境の設定があります。テンプレートオブジェクトを使用すると、これらのタスクを簡単に実行できます。

ログインスクリプトを作成すると、ユーザがログインしたときに、自動的にファイルやプリンタなどの必要なネットワークリソースに接続できます。同じリソースを使用するユーザが複数いる場合、コンテナにログインスクリプトコマンドを格納して、ログインスクリプトのプロファイルを作成することができます。

このセクションでは、次の情報について説明します。


ユーザアカウントを作成および変更する

ユーザアカウントは、eDirectoryツリー内のユーザオブジェクトです。ユーザオブジェクトによって、ユーザのログイン名など、eDirectoryで使用される情報を指定して、ネットワークリソースへのユーザのアクセスを制御できます。

このセクションでは、次の情報について説明します。


ユーザオブジェクトを作成する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[ユーザの作成]の順にクリックします。

  3. ユーザ名とユーザの姓を指定します。

  4. ユーザを作成するコンテナを指定します。

  5. オプションで追加情報を指定して、[OK]をクリックします。

    使用可能なオプションの詳細については、[ヘルプ]ボタンをクリックしてください。

  6. [OK]をクリックします。


ユーザアカウントを変更する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[ユーザの変更]の順にクリックします。

  3. 変更するユーザの名前およびコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。

  4. 必要に応じてプロパティページを編集します。

    特定のプロパティの詳細については、[ヘルプ]ボタンをクリックしてください。

  5. [OK]をクリックします。


ユーザアカウントを有効にする

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[アカウントの有効化]の順にクリックします。

  3. ユーザの名前とコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。


ユーザアカウントを無効にする

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[アカウントの無効化]の順にクリックします。

  3. ユーザの名前とコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。


オプションのアカウント機能を設定する

ユーザオブジェクトを作成した後、ユーザのネットワークコンピューティング環境を設定し、追加のログインセキュリティ機能を実装できます。


ユーザのネットワークコンピューティング環境を設定する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[ユーザの変更]の順にクリックします。

  3. 変更するユーザの名前およびコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。

  4. [全般]タブで、[使用環境]ページをクリックします。

  5. プロパティページに入力します。

    特定のプロパティの詳細については、[ヘルプ]ボタンをクリックしてください。

  6. [OK]をクリックします。


ユーザに追加のログインセキュリティを設定する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[ユーザの変更]の順にクリックします。

  3. 変更するユーザの名前およびコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。

  4. [制限]タブで、必要なプロパティページに入力します。

    ページの詳細については、[ヘルプ]ボタンをクリックしてください。

    ページ 説明

    パスワード制限

    ログインパスワードを設定します。

    ログイン制限

    • アカウントを有効または無効にします。
    • 同時ログインセッション数を制限します。
    • ログインの有効期限およびロックアウトする日付を設定します。

    ログイン時間制限

    ユーザがログインできる時間を制限します。制限を設定し、制限時間になったときにオブジェクトがログインされていると、5分間警告が表示され、5分後にまだオブジェクトがログアウトされていない場合は、そのオブジェクトをログアウトします。リモートからログインする場合は、リモートユーザのログイン時間制限を参照してください。

    アドレス制限

    このユーザがログインするネットワークの場所(ワークステーション)を制限します。このページで制限を設定しない場合、ユーザはネットワークのどの場所からでもログインできます。

    アカウントバランス

    このユーザのサーバ使用量を設定します。

    不正侵入者ロックアウト

    不正侵入者が検出されたためにアカウントがロックされた場合、このアカウントを操作します。不正侵入者検出の設定を管理するには、親コンテナの[不正侵入者検出]プロパティページを使用します。

  5. [OK]をクリックします。


コンテナ内のすべてのユーザの不正侵入者検出を設定する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory管理]>[オブジェクトの変更]の順にクリックします。

  3. コンテナオブジェクトの名前とコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。

  4. [全般]タブで、[不正侵入者検出]ページをクリックします。

  5. 次のオプションから選択します。

    オプション 説明

    不正侵入者を検出する

    コンテナのユーザアカウントの不正侵入者検出システムを有効にします。

    不正ログイン試行回数

    連続してログインに失敗して不正侵入者検出がアクティブになるまでのログイン試行回数を指定します。このコンテナ内のユーザアカウントのいずれかを使用して、連続してログインに失敗した回数がこの数値を超えた場合、不正侵入者検出がアクティブになります。この数値は、コンテナの[Login Intruder Limit(不正ログイン制限)]プロパティに格納されます。

    不正ログイン回数のリセット間隔

    ここで指定する時間間隔の中で連続して失敗したログインが発生した場合、不正侵入者検出がアクティブになります。日、時間、および分を入力します。

    検出後にアカウントをロックする

    このコンテナ内のユーザアカウントで不正侵入者検出がアクティブになった場合に、ログインを無効にするかどうかを指定します。このチェックボックスがオンになっていない場合、不正侵入者検出がアクティブになってもアカウントはロックされません。このチェックボックスをオンにし、不正侵入者の検出によってユーザアカウントがロックされた場合、ユーザオブジェクトの[不正侵入者ロックアウト]プロパティの[ロックされたアカウント]チェックボックスをオフにして、アカウントのロックを解除できます。

    日、時間、分

    この3つのフィールドでは、不正侵入者検出がこのコンテナ内のユーザアカウントでアクティブになった場合にログインが無効になる時間が指定されます。指定する日、時間、および分を入力するか、デフォルトの15分を使用します。指定した時間が経過すると、ユーザアカウントのログインが再度有効になります。これらのフィールドの内容は、コンテナの[アカウントロックアウト期間]プロパティに格納されます。

  6. [OK]をクリックします。


ログインスクリプトを設定する

ログインスクリプトは、ユーザがログインしたときに実行される一連のコマンドです。一般的に、ユーザとファイルやプリンタなどのネットワークリソースとの接続に使用されます。ログインスクリプトは、次の順序でユーザのワークステーション上で実行されます。

  1. コンテナログインスクリプト
  2. プロファイルログインスクリプト
  3. ユーザログインスクリプト

ログイン中に、これらのログインスクリプトで見つからないものがある場合、次のスクリプトにスキップします。何も見つからない場合、デフォルトのスクリプトが実行され、検索ドライブがユーザのデフォルトサーバ上のフォルダにマップされます。デフォルトサーバは、ユーザオブジェクトの[使用環境]プロパティページで設定されます。


ログインスクリプトを作成する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [eDirectory管理]>[オブジェクトの変更]の順にクリックします。

  3. ログインスクリプトを作成するオブジェクトの名前とコンテキストを指定します。

    ログインスクリプトの適用先 作成先

    1人のユーザのみ

    ユーザオブジェクト

    まだ作成されていない1人以上のユーザ

    テンプレートオブジェクト

    1つのコンテナ内のすべてのユーザ

    コンテナオブジェクト

    1つ以上のコンテナの複数のユーザ

    プロファイルオブジェクト

  4. [OK]をクリックします。

  5. [全般]タブで、[ログインスクリプト]ページを選択します。

  6. 指定するログインスクリプトコマンドを入力します。

    詳細については、『Login Script Commands Guide』を参照してください。

  7. [OK]をクリックします。


ユーザにプロファイルを割り当てる

プロファイルをユーザオブジェクトと関連付けることによって、ユーザのログイン中にそのプロファイルのログインスクリプトが実行されます。ユーザが、プロファイルオブジェクトのブラウズ権、およびプロファイルオブジェクトのログインスクリプトプロパティの読み込み権を持っていることを確認してください。

詳細については、eDirectoryオブジェクトまたはプロパティへの有効な権利を参照するを参照してください。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[ユーザの変更]の順にクリックします。

  3. ログインスクリプトを作成するユーザオブジェクトの名前とコンテキストを指定します。

  4. [OK]をクリックします。

  5. [全般]タブで、[ログインスクリプト]ページを選択します。

  6. プロファイルオブジェクトをこのオブジェクトに関連付けるには、[プロファイル]フィールドにプロファイルオブジェクトの名前とコンテキストを入力します。

  7. [OK]をクリックします。


リモートユーザのログイン時間制限

ユーザオブジェクトの[ログイン時間制限]プロパティページで、ユーザがeDirectoryにログインできる時間を制限できます。(デフォルトでは、ログイン時間は制限されていません)。ログイン時間制限が設定され、制限時間になったときにユーザがログインしていると、5分以内にログアウトするよう警告が表示されます。ユーザが5分経ってもまだログインしている場合、自動的にログアウトされ、保存していないデータは失われます。

ログイン要求を処理するサーバとは異なるタイムゾーンからリモートでログインする場合、ユーザに設定されたログイン時間制限の時差は調整されます。たとえば、月曜日の午前1時から午前6時までにログインが制限されており、サーバより1時間遅いタイムゾーンからリモートでログインする場合、このユーザの制限は午前2時から午前7時まで有効になります。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[ユーザの変更]の順にクリックします。

  3. 変更するユーザの名前およびコンテキストを指定して、[OK]をクリックします。

  4. [制限]タブで、[ログイン時間制限]をクリックします。

  5. 次のオプションから選択します。

    オプション 説明

    タイムグリッド

    タイムグリッドのそれぞれのセルは、表示されている週の1日のうちの30分を表します。赤いセルは、このオブジェクトにログインできない制限時間を表します。灰色のセルは制限されていない時間で、このオブジェクトにログインできる時間を表します。時間制限を設定するには、指定する時間をクリックして濃い灰色にします。複数の時間を選択するには、を押しながらセルをクリックし、該当するセルまでドラッグします。設定したログイン時間制限は、このオブジェクトの[Login Allowed Time Map(ログイン許可時間マップ)]プロパティに格納されます。

    ログイン時間制限の追加

    時間制限を追加するには、灰色のセルをクリックして、このオプションを選択します。

    ログイン時間制限の削除

    時間制限を削除するには、赤いセルをクリックして、このオプションを選択します。

    更新

    このボタンをクリックすると選択が有効になります。

    リセット

    このボタンをクリックすると、このプロパティページを開く前の状態にタイムグリッドがリセットされます。

  6. [OK]をクリックします。


ユーザアカウントを削除する

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [ユーザ]>[ユーザの削除]の順にクリックします。

  3. 削除するユーザの名前およびコンテキストを指定します。

  4. [OK]をクリックします。