eDirectoryのSNMPサービスのインストールと設定

SNMP service for eDirectoryは、eDirectoryをインストールする際に組み込まれます。eDirectoryのSNMPサービスのデフォルト設定の変更にはiManagerを使います。詳細については、「ダイナミック設定」を参照してください。

SNMP Group-Objectという名前の新しいオブジェクトが、eDirectoryのインストール時に、ディレクトリツリーに追加されます。このオブジェクトはNovell eDirectory SNMPトラップの設定や管理に使います。詳細については、SNMPグループオブジェクトを参照してください。


eDirectoryがインストールされたWindowsにSNMPを組み込む手順

eDirectoryのインストール時にSNMPサービスを除外した場合は、SNMPサブエージェント用ファイルがコピーされるだけで、レジストリは元のままになっています。

あとになってSNMPサービスが必要になった場合は、次のコマンドでレジストリを更新してください。

rundll32 snmpinst, snmpinst -c createreg


SNMPサーバモジュールのロードとアンロード

SNMPサーバモジュールは手動でロード、アンロードできます。デフォルトでは、どのプラットフォームでも、自動でロードされるようになっています。Windows、Linux、およびUNIXの場合は、手動でロードすることも可能です。

SNMPサーバモジュールをロードするには、次のコマンドを入力します。

サーバ コマンド

NetWare

手動でのアンロードは不可

Windows

[DHOST (NDSCONS)]画面でNdssnmp.dlmを選択し、[開始]をクリックします。

Linux、Solaris、AIX、HP-UX

DHOSTのリモート管理ページで、SNMP Trap Server for Novell eDirectory 8.8アイコンをクリックすると、SNMPトラップサーバがロードされます。

または

コマンドプロンプトから「/opt/novell/eDirectory/bin/ndssnmp -l」と入力するという方法もあります。

SNMPサーバモジュールをアンロードするには、次のコマンドを入力します。

サーバ コマンド

NetWare

手動でのアンロードは不可

Windows

[DHOST (NDSCONS)]画面でndssnmp.dlmを選択し、[停止]をクリックします。

Linux、Solaris、AIX、HP-UX

DHOSTのリモート管理ページで、SNMP Trap Server for Novell eDirectory 8.8アイコンをクリックすると、SNMPトラップサーバがアンロードされます。

または

コマンドプロンプトから「/opt/novell/eDirectory/bin/ndssnmp -u」と入力するという方法もあります。


サブエージェントの設定


スタティック設定

スタティック設定は、サブエージェントを実際に稼動させる前に行います。手動で設定する場合、Windows、Solaris、Linux、AIXならばndssnmp.cfg、NetWareならばdssnmp.cfgというファイルを編集してください。ファイルndssnmp.cfgは次のディレクトリにあります。

Windows:インストールディレクトリ\SNMP\

NetWare:sys:\etc\

LinuxおよびUNIX:/etc/opt/novell/eDirectory/conf/ndssnmp/

注:  ndssnmp.cfgを書き替えた場合、サブエージェントを再起動する必要があります。

サブエージェントの設定は、次のような書式で記述してください。

  • INTERACTIVE ステータス

    ここで「ステータス」には、「on」または「off」を指定します。「on」を指定すると、サブエージェント起動時にユーザ名とパスワードを要求されるようになります。ステータスがOffの場合、ユーザ名およびパスワードはセキュリティ保護された保存データから取得されます。デフォルト値は「off」です。

    例:

    INTERACTIVE on

    INTERACTIVE off

  • INTERACTION

    ここで「」は、インタラクション表のエントリ数を表します。1〜10の範囲で、デフォルト値は4です。例: INTERACTION 4 INTERACTION 2

  • MONITOR ステータス

    ここで「ステータス」には、「on」または「off」を指定します。デフォルト値は「on」です。例: MONITOR on MONITOR off

  • SSLKEY 認証ファイル

    ここで「認証ファイル」は、証明書のエクスポート先パスを表します。エクスポートした証明書が実際に存在するパスを指定してください。例: SSLKEY /home/guest/snmp-cert.der (Linux、UNIXの場合) SSLKEY c:\home\guest\snmp-cert.der (Windows NT、NetWareの場合)

  • SERVER ホスト名/IPアドレス

    ここで「ホスト名」は、eDirectoryサーバをインストールし、設定したホスト名を表します。指定できるのは、ローカルにインストールしたサーバに限ります。この指定は必須です。指定がなければどのサーバも監視の対象になりません。デフォルト:ローカルサーバのホスト名。例: SERVER myserver SERVER myserver:1524

    LinuxおよびUNIX上でeDirectoryのインスタンスが複数存在する場合、監視するすべてのeDirectoryサーバを次のように指定できます。

    SERVER myserver:1524

    SERVER myserver:2524

    SERVER myserver:6524

    注:  このコマンドで、コロン(:)の前後にはスペースを入れないでください。


ダイナミック設定

ダイナミック設定は、ディレクトリサービスの稼動中、いつでも次のいずれかの方法で実行できます。


コマンドラインからの設定

トラップ設定用のコマンドラインユーティリティを使って、eDirectoryのSNMPトラップを設定できます。

次のような操作が可能です。

  • トラップの有効化/無効化、トラップ間隔の設定、エラートラップの有効化/無効化、有効な/無効な/すべてのトラップのリスト表示

注:  詳細については、トラップに関する設定を参照してください。


iManagerプラグインによる設定

トラップの設定には、Novell iManagerを使う方法もあります。Novell iManagerはブラウザベースのツールで、eDirectoryオブジェクトを運用、管理、設定するために使用します。iManagerを使用すると、ユーザに特定のタスクや責任を割り当てたり、それらのタスクを実行するために必要なツールおよびそれに伴う権利だけを付与したりすることができます。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタン[役割およびタスク]ボタンをクリックします。

  2. [SNMP Management]>[SNMPの概要]の順にクリックします。

  3. [SNMPグループオブジェクトを表示]をクリックして、設定するSNMPグループオブジェクトの名前をクリックします。

  4. 一般ページまたはトラップページで、必要なパラメータを設定します。

  5. [適用]をクリックし、[OK]をクリックすると、今設定した内容が保存されます。

    注:  詳細についてはNovell iManagerのオンラインヘルプを参照してください。


eDirectoryのSNMPサービスの設定

eDirectoryのSNMPサービスの設定は、次の手順で行います。

  1. マスタエージェントの設定
  2. マスタエージェントの起動
  3. サブエージェントの設定
  4. サブエージェントの起動


NetWareの場合

NetWareの場合、ネイティブマスタエージェント(snmp.nlm)が、初めからオペレーティングシステムに組み込まれています。

ヒント:  NetWareにはデフォルトでSNMPマスタエージェントがあります。詳細については、SNMP Developers Componentsを参照してください。


マスタエージェントの設定

コミュニティ名

  1. コマンドプロンプトから、「inetcfg」と入力してください。

  2. [Manage Configuration]オプションを選択します。

  3. [Configure SNMP parameters]オプションを選択します。

  4. コミュニティ名を表す文字列を編集してください。

トラップの送り先

  1. ファイルsys:\etc\traptarg.cfgを編集し、トラップの送り先とするコンピュータのIPアドレスまたはホスト名を指定してください。


マスタエージェントの起動

マスタエージェントsnmp.nlmはデフォルトで起動されています。


サブエージェントのロード
  1. サブエージェントをロードするには、コマンドプロンプトから「dssnmpsa」と入力してください。

    するとダイアログボックスが現れます。[ログイン]オプション、[終了]オプションがあります。

  2. 処理を続行したい場合は[ログイン]、中断する場合は[終了]を選択してください。

  3. (状況によって実行)[ログイン]を選択した場合、ユーザ名とパスワードを求められるので入力してください。

  4. [パスワードを保存する]に「Y」と入力すると、パスワードを保存できます。次回からは、パスワードを入力することなくサブエージェントを起動できます。「N」と入力した場合は、次回からもパスワードを求められます。

  5. いずれかを入力した後、<Enter>キーを押してください。

  6. <F10>キーを押すとツリーにログインできます。

  7. <Enter>キーを押して続けます。

  8. サブエージェントが起動されます。

注:  このダイアログボックスは、ファイルsys:\etc\ndssnmp.cfgでINTERACTIONが「on」になっている場合に現れます。「off」ならば表示されません。


Windowsの場合


マスタエージェントの設定

注:  SNMPマスタエージェントは、eDirectoryのインストールに先立って組み込んでおく必要があります。詳細については、SNMP Installation on Windowsを参照してください。

  1. [Microsoft SNMP Properties]ダイアログボックスを開き、[エージェント]タブをクリックします。

  2. 接続先および場所に関する情報を入力してください。

  3. [トラップ]タブをクリックし、コミュニティ名およびトラップの送り先に関する情報を入力します。

    1. コミュニティ名を入力し、[追加]をクリックします。

    2. トラップの送り先のコンピュータのIPアドレスまたはホスト名を入力してください。

    3. [追加]ボタンを押すと、ここで入力したIPアドレスまたはホスト名が追加されます。

  4. [デスクトップとの対話をサービスに許可する]オプションを有効にします。

    このオプションが無効のままだと、Windows上のSNMPには接続できません。

    • Windows NTの場合:[スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[サービス]の順にクリックします。次に[SNMP]>[起動]をクリックし、[デスクトップとの対話をサービスに許可する]を選択します。
    • Windows 2000の場合:[スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[管理ツール]>[サービス]の順にクリックします。[SNMP]を右クリックし、[プロパティ]を選択します。[ログオン]タブで、[デスクトップとの対話をサービスに許可する]を選択します。

マスタエージェントの起動

マスタエージェントを起動するには、次のいずれかの操作をしてください。

  • Windows NTの場合:[スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[サービス]>[SNMP]>[開始]の順にクリックします。

    Windows 2000の場合:[スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[管理ツール]>[サービス]>[SNMP]>[開始]の順にクリックします。

  • コマンドラインで次のように指定してください。

    Net start SNMP


マスタエージェントの停止

マスタエージェントを停止するには、次のいずれかの操作をしてください。

  • Windows NTの場合:[スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[サービス]>[SNMP]>[停止]の順にクリックします。

    Windows 2000の場合:[スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[管理ツール]>[サービス]>[SNMP]>[停止]の順にクリックします。

  • コマンドラインで次のように指定してください。

    Net stop SNMP


サブエージェントの起動

Windowsの場合、マスタエージェントを起動すると、サブエージェントも自動的に起動されます。

重要:  最新のService Packは、SNMPサービスのインストール後にインストールする必要があります。


Linuxの場合

Linux (SLES 9またはOES Linuxを除く)の場合は、net-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpmをインストールしておく必要があります。SLES 9 (OES Linux)の場合は、システムのデフォルトのマスタエージェント(net-snmp-5.1-80.xx)が使われます。

SLES 9 (OES Linux)およびその他のLinuxでは、設定の手順が異なります。詳細については、を参照してください。


SLES 9またはOES LinuxでのSNMPサービスの設定


マスタエージェントの設定

SLES 9またはOES Linuxでマスタエージェントを設定するには、の説明に従ってsnmpd.confファイルを変更します。

snmpd.confファイルは、OES LinuxまたはSLES 9の/etc/snmpディレクトリ、およびその他のLinuxプラットフォームの/etcディレクトリにあります。


snmpd.confの変更

snmpd.confファイルでホスト名を設定します。

trapsink サーバ public

ここで「サーバ」は、トラップの送り先ホスト名を表します。

snmpd.confファイルに、次の記述を追加してください。

master agentx

また、次のように変更してください。

元の記述 変更後の記述

com2sec notConfigUser default public

com2sec demouser default public

group notConfigGroup v1 notConfigUser

group demogroup v1 demouser

view systemview included system

view all included .1

access notConfigGroup "" any noauth exact systemview none none

access demogroup "" any noauth exact all all all

上の内容がsnmpd.confファイルに存在しない場合は追加してください。

重要:  設定ファイルを書き替えた場合、マスタエージェントとサブエージェントを再起動する必要があります。


マスタエージェントの起動

マスタエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/usr/sbin/snmpd -C -c /etc/snmpd.conf


サブエージェントの起動

サブエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/init.d/ndssnmpsa start

注:  サブエージェントを起動中に未定義のシンボル(EVP_md5エラー)が発生した場合は、「サブエージェントの起動時の問題」を参照してください。

ユーザ名とパスワードを求められるので入力してください。正常に認証されれば、/etc/ndssnmp/ndssnmp.cfgでINTERACTION = onという設定になっている場合、次のようなメッセージが現れます。

Do you want to remember password?(Y/N)

ここで「Y」と入力すると、パスワードが保存されます。次回からは、パスワードを入力することなくサブエージェントを起動できます。

N」と入力した場合は、次回からもパスワードを求められます。

重要:  SLES 9またはOES Linuxの場合については、サブエージェントの起動時に起きる既知の問題に関するReadmeを参照してください。


サブエージェントの停止

サブエージェントを停止するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/init.d/ndssnmpsa stop


Linux(SLES 9またはOES以外)でのSNMPサービスの設定


マスタエージェントの設定

net-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpmをhttp://sourceforge.net/projects/net-snmpからダウンロードします。

net-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpmをシステムにインストールするには、rpm-4.0.4-7x.i386.rpmが必要です。rpm-4.0.4-7x.i386.rpmは、http://rpmfind.net/linux/RPM/rpm.org/rpm/dist/rpm-4.0.x/rpm-4.0.4-7x.i386.htmlからダウンロードできます。

さらに、の説明に従って、snmpd.confファイルを変更する必要があります。


マスタエージェントの起動

マスタエージェントを起動するには、まずnet-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpmをインストールして設定します。

そのためには、次の2つのオプションのいずれかを使用します。ただし、オプション2ではシステムにインストールされたSNMPパッケージのアンインストールが必要となります。これはすべての従属するrpmのアンインストールも必要となるため、オプション1を使用することをお勧めします。


オプション1

  1. net-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpmおよびrpm-4.0.4-7x.i386.rpmを、/home/ndssnmpなどの任意の場所にインストールします。

    次を実行してnet-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpmをインストールします。

    # cd /home/ndssnmp 
    # rpm2cpio net-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpm | cpio -ivd
  2. rpm-4.0.4-7x.i386.rpm(snmpdが必要とする従属rpm)をインストールします。

    # cd /home/ndssnmp 
    # rpm2cpio rpm-4.0.4-7x.i386.rpm | cpio -ivd
  3. 次を実行して、パスをエクスポートします。

    # export LD_LIBRARY_PATH=/home/ndssnmp/usr/lib
  4. 次を実行してマスタエージェントを起動します。

    # /home/ndssnmp/usr/sbin/snmpd -C -c snmpd.conf

    たとえば、/etcディレクトリにsnmpd.confファイルがある場合、コマンドは次のものに似た内容となります。

    # /home/ndssnmp/usr/sbin/snmpd -C -c /etc/snmpd.conf

    注:  ndssnmpsaを起動するために必要な関連情報がsnmpd.confファイルにあることを確認します。詳細については、SLES 9またはOES LinuxでのSNMPサービスの設定 を参照してください。

  5. (状況によって実行)マスタエージェントの起動中に、次のエラーが発生する場合があります。

    snmpd:error while loading shared libraries:libcrypto.so.2:cannot open shared object file:No such file or directory

    システムにlibcrypto.so.2がインストールされていない場合に発生するエラーです。

    この場合は、次のようにシステムにインストールされた暗号ライブラリへの直接のリンクを作成する必要があります。

    # cd /usr/lib

    さらに、次のいずれか1つをLinuxのバージョンに応じて追加します。

    • Red Hat Advanced Server 3.0の場合:

      # ln -s libcrypto.so libcrypto.so.2
    • SUSE Linux Enterprise Server 8の場合:

      # ln -s libcrypto.so.0.9.6 libcrypto.so.2
  6. (状況によって実行)SNMPマスタエージェントがすでにデフォルトポート#161に設定されている場合は、次のポートでマスタエージェントを起動します。

    # /home/ndssnmp/usr/sbin/snmpd -C -c /etc/snmpd.conf 1161


オプション2

  1. システムにインストールされたsnmpパッケージをアンインストールします。

  2. SNMPパッケージがすでにインストールされており、そのバージョンがnet-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpm以外であれば、SNMPパッケージをアンインストールしてnet-snmp-5.0.9-4.rh73.i386.rpmをインストールします。

    注:  従属RPMが必要な場合は、それらをダウンロードしてインストールしてください。

  3. 次を実行してマスタエージェントを起動します。

    /usr/sbin/snmpd -C -c /etc/snmpd.conf


サブエージェントの起動

サブエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/init.d/ndssnmpsa start

注:  サブエージェントを起動中に未定義のシンボル(EVP_md5エラー)が発生した場合は、「サブエージェントの起動時の問題」を参照してください。

ユーザ名とパスワードを求められるので入力してください。正常に認証されれば、/etc/ndssnmp/ndssnmp.cfgでINTERACTION = onという設定になっている場合、次のようなメッセージが現れます。

Do you want to remember password?(Y/N)

ここで「Y」と入力すると、パスワードが保存されます。次回からは、パスワードを入力することなくサブエージェントを起動できます。

N」と入力した場合は、次回からもパスワードを求められます。


サブエージェントの停止

サブエージェントを停止するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/init.d/ndssnmpsa stop


サブエージェントの起動時の問題

サブエージェントの起動時に、次のエラーが発生する可能性があります。

 /opt/novell/eDirectory/bin/ndssnmpsa:error while loading shared libraries:/usr/lib/libnetsnmp.so.5:undefined symbol:EVP_md5.

このエラーを解決するには、libcryptoのパスをエクスポートする必要があります。例:

export LD_PRELOAD=/lib/libcrypto.so.0.9.7a:/usr/lib/libwrap.so.0

libcrypto.so.0.9.7aは、システム上で別の名前になっている可能性があります。これは、インストールされている暗号バージョンに応じて異なります。


Solarisの場合


マスタエージェントの設定

SNMPパッケージのロードに先立ち、Solstice Enterprise master agent 1.0.3をインストールしておく必要があります。まだであれば、Solstice Enterprise Agents Webサイトからダウンロードしてください。

  1. ファイル/etc/snmp/conf/snmpd.confでホスト名を設定します。また、次の書式でトラップの設定をしておいてください。

    trap サーバ

    ここで「サーバ」は、トラップの送り先ホスト名を表します。

  2. ファイル/etc/snmp/conf/snmpdx.aclのトラップパラメータ部に、次のような設定を追加してください。

    トラップコミュニティ = public
    hosts = サーバ {
    enterprise = "Novell eDirectory"
    トラップ番号 = 1-117, 2001, 2002 }

    ここで、「トラップコミュニティ」はトラップに使うコミュニティ名、「サーバ」はトラップの送り先ホスト名、Novell eDirectoryはエンタープライズMIB、「トラップ番号」はトラップの範囲を表します。

重要:  設定ファイルを書き替えた場合、マスタエージェントとサブエージェントを再起動する必要があります。


マスタエージェントの起動

マスタエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/usr/lib/snmp/snmpdx -y -c /etc/snmp/conf


サブエージェントの設定

Solarisでは、サブエージェントndssnmpsaはデーモンとして動作します。

サブエージェントの設定には、/etc/snmp/conf以下にある、次の設定ファイルを使います。

  • ndsmib.reg はサブエージェントの登録ファイルです。

  • ndsmib.acl はSNMPサブエージェントの設定ファイルです。


サブエージェントの起動

サブエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/init.d/ndssnmpsa start

ユーザ名とパスワードを求められるので入力してください。正常に認証されれば、/etc/ndssnmp/ndssnmp.cfgでINTERACTION = onという設定になっている場合、次のようなメッセージが現れます。

Do you want to remember password?(Y/N)

ここで「Y」と入力すると、パスワードが保存されます。次回からは、パスワードを入力することなくサブエージェントを起動できます。

N」と入力した場合は、次回からもパスワードを求められます。


サブエージェントの停止

サブエージェントを停止するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/init.d/ndssnmpsa stop


AIXの場合


マスタエージェントの設定

ファイル/etc/snmpd.confで、トラップの送り先を次のように記述してください。

trap コミュニティ サーバ 表示名 トラップマスク

ここで、

  • コミュニティ」はトラップパケットにエンコードされるコミュニティ名を表します。
  • サーバ」は、トラップの送り先ホスト名を表します。
  • 表示名」は固有のオブジェクト識別子で、数値をドット(.)で区切った書式で表します。

    例:1.3.6.1.4.1.23.2.98. このパラメータの指定は任意です。指定がなければ、MIBツリー全体を表示します。

  • トラップマスク」は16進数で表します。

    上位ビットから順に、coldStart、warmStart、linkDown、linkUp、authenticationFailure、egpNeighborLoss、enterpriseSpecificの各トラップに対応します。例の中で、一番右の「98」という値には何の意味もありません。「1」になっているビットに対応したトラップが送られるようになります。それ以外のトラップはブロックされます。

例:

fe どのトラップもブロックしません (1111 1110)

7e coldStartトラップをブロックします (0111 1110)

be warmStartトラップをブロックします (1011 1110)

3e coldStartトラップ、warmStartトラップをブロックします (0011 1110)


マスタエージェントの起動

マスタエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/usr/sbin/snmpdv1


サブエージェントの起動

サブエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/ndssnmpsa start

ユーザ名とパスワードを求められるので入力してください。正常に認証されれば、/etc/ndssnmp/ndssnmp.cfgでINTERACTION = onという設定になっている場合、次のようなメッセージが現れます。

Do you want to remember password?(Y/N)

ここで「Y」と入力すると、パスワードが保存されます。次回からは、パスワードを入力することなくサブエージェントを起動できます。

N」と入力した場合は、次回からもパスワードを求められます。


サブエージェントの停止

サブエージェントを停止するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/ndssnmpsa stop


HP-UXの場合

HP-UXの場合、EMANATE SNMPというネイティブマスタエージェントがあります。マスタエージェントを設定する場合、プロキシSNMPエージェントの設定も必要です。プロキシエージェントの設定にはNAA(Native Adapter Agent)を使います。NAAには、サードパーティ製SNMPエージェントが、HP-UX SNMPマスタエージェント(snmpdm)と協調して動作できるようにする働きがあります。ここではNET-SNMPマスタエージェントが、サードパーティ製SNMPエージェントに相当します。NET-SNMPマスタエージェントは、NAAの設定と同じ非標準UDPポートを監視する必要があります。

詳しくは、ネイティブエージェントアダプタ(NAA)の起動と設定およびNET-SNMPマスタエージェントの起動/設定を参照してください。

eDirectory SNMPサブエージェント、NET-SNMPマスタエージェント、NAAエージェント、HP-UX EMANATEマスタエージェント、SNMPコンソール間のデータの流れを図に示します。

図 72
SNMPデータの流れ

HP-UX SNMPマスタエージェントの起動

HP-UX SNMPマスタエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/etc/snmpd

または

/usr/sbin/snmpdm

注:  HP-UX SNMPマスタエージェントを停止するには、/etc/snmpd -kというコマンドを実行します。


ネイティブエージェントアダプタ(NAA)の起動と設定

NAAエージェント(naaagt)の起動に先立ち、次の環境変数をエクスポートしておく必要があります。

  • HP_NAA_CNF - NAA設定ファイル名
  • HP_NAA_PORT - NET-SNMPマスタエージェントが監視する非標準UDPポート番号
  • HP_NAA_GET_COMMUNITY - NAAからNET-SNMPマスタエージェントへのSNMP要求で使うコミュニティ名。

例:

export HP_NAA_CNF=/etc/ndssnmp/ndssnmpNAA.cfg 
export HP_NAA_PORT=8161 ## 非標準UDPポートを指定
export HP_NAA_GET_COMMUNITY=public 

NAAエージェントについて詳しくは、naaagtのマニュアルページを参照してください。

次のコマンドを実行すると、NAAエージェントが起動されます。

/usr/sbin/naaagt

注:  NAAエージェントを起動するにはrootとしてのアクセス権が必要です。


NET-SNMPマスタエージェントの起動/設定

NET-SNMPマスタエージェントを設定する前に、まずこれをダウンロードし、インストールしておく必要があります。

  1. NET-SNMP バージョン 5.0.8 tarファイル(net-snmp-5.0.8-HP-UX_B.11.00_9000_712.tar.gz)を、SourceForge.netからダウンロードします。

  2. 上記tarファイルを展開するとNET-SNMPバージョン5.0.8のバイナリが得られます。

    これをカレントディレクトリ/usr/local以下にインストールしてください。

NET-SNMPマスタエージェントを、次の手順で設定します。

  • ファイル/etc/ndssnmp/snmpd-net-snmp.confでホスト名を設定します。

    trapsink サーバ public

    ここで「サーバ」は、トラップの送り先ホスト名を表します。

  • /etc/ndssnmp/snmpd-net-snmp.confに次のような記述がなければ追加してください。

    master agentx

注:  NET-SNMP 5.0.8にはマスタエージェント設定ファイルのサンプルが付属していません。eDirectory SNMPコンポーネントに付属しているサンプルを使ってください。eDirectoryをインストールすると、/etc/ndssnmp以下にサンプルファイルsnmpd-net-snmp.confがあるはずです。

NET-SNMP 5.0.8マスタエージェントは次のようなコマンドで起動します。

NET-SNMPがンストールされたディレクトリ/usr/local/sbin/snmpd -C -c /etc/ndssnmp/snmpd-net-snmp.conf 8161

重要:  設定ファイルを書き替えた場合、マスタエージェントとサブエージェントを再起動する必要があります。


サブエージェントの起動

サブエージェントを起動するには、次のコマンドを実行してください。

/sbin/init.d/ndssnmpsa start

ユーザ名とパスワードを求められるので入力してください。正常に認証されれば、/etc/ndssnmp/ndssnmp.cfgでINTERACTION = onという設定になっている場合、次のようなメッセージが現れます。

Do you want to remember password?(Y/N)

ここで「Y」と入力すると、パスワードが保存されます。次回からは、パスワードを入力することなくサブエージェントを起動できます。

N」と入力した場合は、次回からもパスワードを求められます。


サブエージェントの停止

サブエージェントを停止するには、次のコマンドを実行してください。

/sbin/init.d/ndssnmpsa stop