NetWare用インストールでは、多くの場合、サーバ固有情報もバックアップするようになっています。eDirectory 8.6以降、eDirectoryスキーマの構造が変更になりました。eDirectory 8.7でも、さらに多くの変更が施されています。その結果、ファイルシステムTSAやサードパーティ製バックアップツールを使ってサーバ固有情報をバックアップしていた場合、そのままでは使えなくなりました。代わりに追加されたBackup eMToolの「ホットバックアップ」機能をiManagerから呼び出すか、またはeMBoxクライアントで実行するようにしてください。ファイルシステムTSAを使ってサーバ固有情報をバックアップする機能は、現在のバージョンからは削除されました。eDirectory 8.7.3では、該当機能が「ホットバックアップ」に組み込まれています。従来と同様、ファイルシステムTSAでは、dsbacker.nlmを呼び出してバックアップファイルを作成しています。しかし現在は、dsbacker.nlmが内部的にbackupcr.nlmを起動し、これがさらにBackup eMToolの機能を呼び出すという形で実装されています。
NetWareおよびeDirectoryのバージョンに応じて、次のようにバックアップ/復元処理を行うようお勧めします。
NetWare 6.0上でeDirectory 8.7.1を動かす場合、サーバ固有情報で大きく変わったのは次のような事項です。
ファイル長の増大: 以前のSSIバックアップでは、データベースの一部しか対象になりませんでした。新バージョンでは、サーバ上のディレクトリオブジェクトに関する情報をすべてバックアップするようになったため、ファイル長も増大し、データベースそのものとほぼ同じ容量になります。
ユーザ定義ファイルの場所: 以前はsys:systemディレクトリにファイルservedata.ndsが生成されるだけでした。容量が小さかったため、テープにコピーするまでこのディレクトリに置いておいても問題が生じなかったのです。eDirectory 8.7.3では、ファイルシステムTSAでデータベースのフルバックアップが可能になりました。生成されるファイルは3つに増えています。そのうちssiback.bakの保存位置は、ユーザが設定できます。
ファイル | 説明 | 場所 |
---|---|---|
ssiback.bak |
Backup eMToolで生成されるフル「ホットバックアップ」ファイルと同じです。「eDirectory Backup eMToolについて」を参照してください。 |
ユーザ定義可能。デフォルトではsys:systemになっています。 ファイル容量が大きいので、sys:以外のボリュームに変更するようお勧めします。 |
ssiback.ini |
ファイルssiback.bakを書き出すパスを記述したテキストファイル。デフォルトでは「sys:system」となっています。 例: vol1:/backups/ssibackup.bak |
sys:system |
ssiback.log |
前回までのバックアップ状況を分かりやすく出力したログファイルです。このログファイルにはすべてのバックアップ履歴、バックアップの開始および終了時刻、およびバックアッププロセス中に発生した考えられるエラーについての情報が含まれます。 |
sys:system |