第14章
この章では、exteNd Composerに装備されているレジストリ参照機能について説明します。 レジストリ参照方式として、現在、 UDDI、ebXMLレジストリサービス、およびWSILの3つが普及しています。 Composerはどれにも対応しています。 以下、この3つを簡単に比較し、詳しい情報源を示します。
Webサービスを対象としたビジネスレジストリ標準はUDDI (Universal Description, Discovery and Integration)で、独自のサービスを説明したり、他の会社のサービスを見つけたり、リモート環境にあるパートナーと自動化または半自動化された方法によりeビジネスを行うために必要な手段を理解したりするために統一された方法を企業に提供することを目的として設計されています。 UDDIの詳細ついては、完全な標準をhttp://www.uddi.orgから入手できます。
UDDIに加え、ComposerはebXMLレジストリサービスにも対応しています。ebXMLという名前はElectronic Business using eXtensible Markup Languageを表します。ebXMLレジストリおよびリポジトリは、UDDIと同様、組織間で情報を保存、共有し、電子商取引を推進する目的で開発されました。 Composerでは、JAXR (Java XML Registries)を使ってebXMLを実装しています。 ebXMLの仕様は http://www.ebxml.org/specs/#technical_specificationsにあります。
最後に、ComposerはWSIL (Web Services Inspection Language)にも対応しています。これも、Webサービスの検出支援機能、および検出に関連する情報の公開に関する仕様です。 UDDIは公開されて以来、調停の仕組みの欠如やサービス品質が問題とされてきました (『Web Services Architect』誌の記事「WSIL: Do we need another Web Services Specification?」など)。 WSILは、より軽量で、可搬性の高い標準を目指して設計され設計されました。守備範囲もUDDIより広くなっています。 標準化団体のひとつ(W3CおよびOASIS)に提出されたばかりの段階ですが、徐々に普及が進んでいます。 詳しくはhttp://www-106.ibm.com/developerworks/webservices/library/ws-wsilspec.htmlを参照してください。
UDDI、ebXML、およびWSILは、以下に説明するレジストリ管理機能の基盤を成しています。 以上の標準規格や、Webサービスの公開および検出については、概要を知っているものとして解説します。 Webサービスは、開発しようとするアプリケーションの性質に応じ、いずれか1つの方式でレジストリを管理している場合、あるいはすべての方式に対応している場合があります。
exteNd Composerには、Composerメインナビゲーションフレームの下部にある[レジストリ]タブからアクセス可能なRegistry Managerが組み込まれています。プロファイル機能(Composerメインメニューバーで[ツール]>[プロファイル...]の順に選択)を使用してレジストリを定義する方法もあります。
Registry Managerには、次の機能が含まれています。
レジストリはURLによって指定され、ローカルまたはWebベースにすることができます。 レジストリは、[プロファイル]ダイアログ([ツール]メニューから[プロファイル]を選択)から追加または削除できます。
exteNd Composerメインメニューバーの[ツール]メニューから[プロファイル...]を選択します。すると、[プロファイル]ダイアログボックスが表示されます。
既存のエントリを編集する場合は、[プロファイル名]プルダウンメニューからそのエントリを選択し、[編集]ボタンをクリックします。 すると、[レジストリプロファイルの編集]ダイアログが表示されます(次を参照)。 編集後、[OK]をクリックして保存します。
注記: 編集中に名前を変更した場合、新しいレジストリが作成されます。古いレジストリを維持しない場合は、削除してください。
既存のエントリを削除する場合は、[プロファイル名]プルダウンメニューからそのエントリを選択し、[削除]ボタンをクリックします。選択したエントリを削除してよいかどうか確認するメッセージが表示されます。選択したエントリを削除したら、[閉じる]をクリックして保存します。
[プロファイル]ダイアログで[新規]ボタンをクリックします。すると、[新規レジストリプロファイルの作成]ダイアログボックスが表示されます。
プルダウンメニューから[レジストリタイプ]を選択します。 選択肢として、 ebXML、UDDI、およびWSILがあります(WSILの場合は指定するべきフィールドが異なるので別に説明)。 ebXMLまたはUDDIを選択した場合、画面は上の図のようになります。
アクセスを公開するためにレジストリプロバイダによって割り当てられている場合は、「ユーザ名」と「アカウント情報」を入力します。
このレジストリがデフォルトの検索セットに自動的に含まれるようにする場合は、[レジストリ検索に含める]チェックボックスをオンにします。
[プロファイル]ダイアログで[新規]ボタンをクリックします。すると、[新規レジストリプロファイルの作成]ダイアログボックスが表示されます。
アクセスを公開するためにレジストリプロバイダによって割り当てられている場合は、「ユーザ名」と「アカウント情報」を入力します。
このレジストリがデフォルトの検索セットに自動的に含まれるようにする場合は、[レジストリ検索に含める]チェックボックスをオンにします。
このようにしてebXML、UDDI、またはWSILレジストリプロファイルを定義すると、Composerメインウィンドウのナビゲーションペインにある[レジストリブラウザ]タブでレジストリプロファイルを使用できるようになります。また、サービスをレジストリに公開することも可能です。
レジストリ参照機能は、Composerメインウィンドウのナビゲーションペインにある[レジストリ]タブから使用できます。 ナビゲーションペイン内には、組織用(上部)とサービス用(下部)にそれぞれ1つずつ、 合計2つのサブパネルがあります。 右側はエディタペインです。 図を参照してください。
Registry Managerの各ペインに固有なコンテキストメニューは、Composerの使用時に利用できます。
[組織]のコンテキストメニューを表示するには、[組織]ペインのフィールドにカーソルを置き、RMB (マウスの右ボタン)をクリックします。コンテキストメニューが表示されます(次を参照)。
テキストのコピー - 現在選択されているビジネスツリーノードから別の領域またはファイルにテキストをコピーできます。
ツリーのクリア - 検索した結果として取得したビジネス情報のペインをクリアできます。
組織の削除 - 選択されている組織をレジストリから削除します。
高度な検索 - [ブラウズ条件の設定]ダイアログボックスで詳細な検索条件を設定できます。
「サービス」のコンテキストメニューを表示するには、[サービス]ペインのフィールドにカーソルを置き、RMB (マウスの右ボタン)をクリックします。コンテキストメニューが表示されます(次を参照)。
テキストのコピー - 現在選択されているツリーノードから別の領域またはファイルにテキストをコピーできます。
ツリーのクリア - 検索した結果として取得した情報の[サービス]ペインをクリアできます。
WSDLの取得 - レジストリから現在選択されているサービスに対してWSDLを取得できます。これは、[取得]ボタンを使用して実行することも可能です。選択したサービスにWSDL定義がない場合は、定義がないことを通知するメッセージが表示されます。
サービスの削除 - 組織またはサービスのレジストリで選択したサービスを削除できます。
高度な検索 - [ブラウズ条件の設定]ダイアログボックスで詳細な検索条件を設定できます。
WSDLコンテンツペインのコンテキストメニューを表示するには、ペインのフィールドにカーソルを置き、マウスの右ボタンをクリックします。コンテキストメニューが表示されます(次を参照)。
コンテキストメニュー項目の機能は、次のとおりです。
データの編集 - ペインに含まれている情報から別の領域またはファイルにテキストを変更できます。
表示 - コンテンツペインに情報を表示する形式を、次の3つから選択します。ルールは次のとおりです。 [ツリー形式]、[テキスト形式]、および[スタイル形式]。希望の選択肢をクリックすると、その情報がペインに表示されます。
検証 - XMLとして正しいかどうか検証します。
ツリーの展開 - すべてのノードをペインに表示します。
ツリーの縮小 - ルートノード以外のすべてのノードをペインで非表示にします。
ツリーの再ロード - 元のツリーをロードします。
検索 - ツリー内で特定の語または語の一部を、ダイアログボックスから検索できます。
次の検索 - 検索条件に合致する、次の語または語の一部を検索します。
[組織]ペインおよび[サービス]ペインのさまざまなアクションボタンの場所は、次の図のとおりです。
組織(1つまたは複数)の検索は、[組織]の隣にあるテキストフィールドに完全または部分的な企業名を入力し、[検索]ボタン(または下向き矢印のような形の[実行]ボタン)をクリックするだけで行えます。 一致した組織のリストは、ツリー表示形式で表示されます。ツリーのトップレベルにある各ノードはレジストリ、レジストリの各チャイルドは組織名、各組織の下は説明、カテゴリ、およびサービスで構成される詳細な情報です。 また、縦線で区切った組織名のグループを入力すると、複数の組織グループを検索することもできます。 たとえば「Silverton|Silicon」のように入力します。
組織名や部分的な名前(または別のキーワード)による検索を行うには、キーワードフィールドにテキストを入力し、[実行]ボタン(下向き矢印のような形)をクリックします。すると、検索が開始されます。検索が実行されている間、(通常はグレー表示されている)[中断]ボタンは赤色になります。
検索には、数分かかる場合があります。完了前に検索を中断する場合は、[中断]ボタンをクリックします。 すると、部分的な検索結果が組織ペインに表示されます。
検索が完了するまで待機します。 結果が[組織]ペインに表示され、[中断]ボタンの外観が通常のグレー表示(無効)になれば、検索は完了です。
検索条件グループのうち、選択できるのはいずれか1つだけです。使用できるオプションは、次のとおりです。
[組織名]: [開始文字]の隣にあるテキストフィールドに、完全または部分的な組織名、あるいは縦線(|)で区切った名前のリストを入力します。
[識別子]: このオプションを選択した場合、[識別子]という新しいフィールドが表示されます。 ドロップダウンリストから、次のうち1つを選択します。 D-U-N-S、または「Thomas Register」(カタログ名)。[開始文字]の隣にあるテキストフィールドに、(部分的または完全な)カタログからのキーを入力します。このエントリには、数値およびダッシュを含めることができます。
[ロケータ]:このオプションを選択した場合、[ロケータ]という新しいフィールドが表示されます。 ドロップダウンリストから、次のうち1つを選択します。 NAICS (North American Industry Classification System)、UNSPSC (United Nations Standard Products and Services Classification)、またはGEO (geographical)。[NAICS]または[UNSPSC]を選択した場合は、[開始文字]の隣にあるテキストフィールドに、(部分的または完全な)カタログからのキーを入力します。このエントリには、数値を含めることができます。[GEO]を選択した場合は、国(地域)の省略形を入力します。
または、コントロールの右端にあるボタンをクリックして「キーピッカー」を表示し、入力済みリストで完全または部分的なキー名をダブルクリックします。次の図を参照してください。
サービスタイプ名:あるUDDI tModelに関連付けられた組織を検索します。[開始文字]の隣にあるテキストフィールドに、このtModelに対するキーワードを入力します。
検出URL:[開始文字]の隣にあるテキストフィールドに、URLに対するIPアドレスまたはIPアドレスの一部を入力します。
この検索に対して使用するレジストリプロファイルを選択します。 [プロファイル]ボックスには、検索できるレジストリのリストが含まれています。 [プロファイル]ダイアログ(上述)で選択したレジストリは、あらかじめ選択された状態になっています。 ただし、リスト内でレジストリの1つまたはすべてを選択または選択解除すると、これを上書きしてしまうことがあります。 元(デフォルト)のレジストリに戻す場合は、ダイアログの下部にある[リセット]ボタンをクリックします。
[ソート基準]では、どのようにソートするか(名前別または日付別、Asc (昇順)またはDesc (降順)のいずれか)を選択できます。昇順で名前別(アルファベット順)、または降順で日付別(数字順)にソートする方法が最も一般的です。同じ名前の企業が含まれているグループ内では、日付別にソートすると便利です。
[オプション]では、適切なチェックボックスをオンにすることによって、[大文字と小文字を区別しない]または[完全に一致する]、あるいはその両方を選択できます。
検索の後、一致した組織のツリーが[組織]ペインに作成され、[サービス]サブペインはクリアされます。
注記: [組織]ツリーでサービスエントリをクリックすると、サービスの詳細情報(バインディングなど)が下部にある[サービス]ペインにツリー形式で表示されます(次を参照)。次の図を参照してください。
サービス(または関連サービスのグループ)の検索は、[サービス]の隣にあるテキストフィールドに完全または部分的なサービス名あるいはキーワードを入力し、[検索]ボタン(または下向き矢印のような形の[実行]ボタン)をクリックするだけで行えます。 一致したサービスのリストは、ツリー表示形式で表示されます。ツリーのトップレベルにある各ノードはレジストリ、レジストリの各チャイルドはサービス名、各サービスの下は組織名、説明、およびバインディングで構成される詳細な情報です。
Composerレジストリ検索エンジンでは、ワイルドカードシンボルとしてパーセント記号(%)の使用をサポートしており、この記号は1つまたは複数の任意の文字を意味します。 これは、特定の語を「含んでいる」が、その語では「始まらない」組織名またはサービス名を検索する場合に特に便利です。
注記: デフォルトの検索ロジックは「その語で始まる文字列」です。このため、「Books」を検索すると、「BooksRUs」は見つかりますが、「ABC Booksellers」や「Used Books」は見つかりません。この動作を変更するには、代わりに「%Books%」で検索します。これにより、これらの3つはすべて見つかります。
Composerレジストリ検索エンジンでは、ロジックまたはシンボルとして縦線記号(|)の使用もサポートしており、この記号の使用は「複数の語の組み合わせを含むヒットを検索する」ことを意味します。このように、任意の数のキーワードを連結できます。 たとえば、次のとおりです。
%Booking% | %Travel% | %Airline%
この例では、これらの語のうち「少なくとも1つ」を含む名前が、名前内での語の位置にかかわらず、すべて返されます。
サービス名や部分的な名前(または別のキーワード)による検索を行うには、キーワードフィールドにテキストを入力して、[実行]ボタン(下向き矢印のような形)をクリックします。すると、検索が開始されます。検索が実行されている間、(通常はグレー表示されている)[中断]ボタンは赤色になります。
検索には、数分かかる場合があります。完了前に検索を中断する場合は、[中断]ボタンをクリックします。すると、部分的な検索結果が[サービス]ペインに表示されます。
検索が完了するまで待機します。結果が[サービス]ペインに表示され、[中断]ボタンの外観が通常のグレー表示(無効)になれば、検索は完了です。
ラジオボタンがあることから示されるように、検索条件グループは一度に1つしか選択できません。使用できるオプションは、次のとおりです。
[サービス名]: [サービス名]の隣にあるラジオボタンをクリックします。[開始文字]の隣にあるテキストフィールドに、キーワードを入力します。
[ロケータ]: この検索条件を選択するとプルダウンメニューが現れます。その中からロケータを選択してください。 選択肢としては、 : NAICS (North American Industry Classification System)、UNSPSC (United Nations Standard Products and Services Classification)、またはGEO (geographical)があります。[NAICS]または[UNSPSC]を選択した場合は、[開始文字]の隣にあるテキストフィールドに、(部分的または完全な)カタログからのキーを入力します。このエントリには、数値を含めることができます。[GEO]を選択した場合は、国(地域)の省略形を入力します。
[サービスタイプ名]:特定のtModelに関連付けられている組織を検索できます。 [開始文字]の隣にあるテキストフィールドに、このtModelに対するキーワードを入力します。
この検索に対して使用するレジストリプロファイルを選択します。 [プロファイル]ボックスには、検索できるレジストリのリストが含まれています。 [プロファイル]ダイアログ(上述)で選択したレジストリは、あらかじめ選択された状態になっています。 ただし、リスト内でレジストリの1つまたはすべてを選択または選択解除すると、これを上書きしてしまうことがあります。 元(デフォルト)のレジストリに戻す場合は、ダイアログの下部にある[リセット]ボタンをクリックします。
[検索基準]では、どのようにソートするか(名前別または日付別、Asc(昇順)またはDesc(降順)のいずれか)を選択できます。昇順で名前別(アルファベット順)、または降順で日付別(数字順)にソートする方法が最も一般的です。同じ名前の企業が含まれているグループ内では、日付別にソートすると便利です。
[オプション]では、適切なチェックボックスをオンにすることによって、[大文字と小文字を区別しない]または[完全に一致する]、あるいはその両方を選択できます。
検索の後、一致したサービスのツリーが[サービス]ペインに作成され、[組織]ペインはクリアされます。 下部にある([サービス])ツリーでサービスノードをクリックすると、企業の詳細情報が上部にある([組織])ペインにツリー形式で表示されます。
検索したサービスが見つかったら、レジストリからこのサービスのWSDL定義を取得できます。 サービスノードを選択して[WSDLの取得]ボタンをクリックするか、または右クリックしてコンテキストメニューから[WSDLの取得]を選択します。サービスの定義が存在する場合、コンテンツペインにWSDL情報がツリー形式で表示されます(図を参照)。サービスに対してWSDLが存在しない場合は、警告ダイアログボックスが表示され、その内容が報告されます。
注記: 特定のサービスリストにWSDLが存在するかどうかは、左側にあるサービスアイコンを確認することによって判断できます。中に地球が表示されているリングアイコンは、サービスにWSDLが存在することを意味します。また、地球が表示されていないリングアイコンは、WSDL Webサービスではないことを意味します。
マウスの右ボタンをクリックして、希望のビューを選択すると、コンテンツペインで情報をテキストまたは様式化された形式で表示できます。
(Composerエディタを使用して) WSDLを作成したら、次に説明する手順に従ってWSDLをレジストリに公開できます。
レジストリプロファイル: 公開するレジストリをプルダウンリストから選択します。
組織名: 組織をルックアップし、どの組織にサービスを関連付けるかを選択できます。 [ルックアップ]ボタンをクリックすると、次のダイアログボックスが表示されます。
[OK]をクリックします。選択したレジストリにサービスが正しく入力された場合は、下に示すようなメッセージが表示されます。
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