第1章

exteNd ComposerおよびSAP Connectへようこそ

 
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はじめに

『Novell exteNd Composer SAP Connectガイド』へようこそ。このガイドは、Composerの全機能(Connectコンポーネントエディタを除く)の使用方法が詳しく説明されている『exteNd Composer ユーザガイド』に付属しています。『ユーザガイド』をご覧になっていない場合は、このガイドを使用する前にお読みいただき、内容を確認してください。

exteNd Composerには、SAP Connectなど、Connectごとに異なるコンポーネントエディタが用意されています。各コンポーネントエディタの特殊な機能は、これと同じような別のガイドで説明されています。

exteNd Composerを使用しており、コアコンポーネントエディタであるXMLマップコンポーネントエディタに精通している場合は、このガイドに従ってSAPコンポーネントエディタを簡単に使用することができます。

作業を始める前に、まずSAP Connectを既存のexteNd Composerにインストールしておく必要があります。また、このコネクタで作成されたサービスをexteNd Composer Enterprise Server環境で実行するには、このコネクタ用のサーバ側ソフトウェアがexteNd Composer Enterprise Serverにインストールされている必要があります。

注記:   このコンポーネントエディタを正しく使用するには、SAP環境と、XMLに対応させるアプリケーションに精通している必要があります。

 
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exteNd Composerコネクタについて

exteNd Composerは、単純なハブ&スポークアーキテクチャに基づいて構築されています。ハブは、XMLドキュメントを介して要求を受け入れ、XML対応のアプリケーション上でこのようなドキュメントやインタフェースに対して変換プロセスを実行し、XML応答ドキュメントを返す強力なXML変換エンジンです。スポーク(つまりコネクタ)は、XML対応でないデータのソースを「XMLに対応させる」プラグインモジュールで、データをハブに送信してXMLとして処理します。これらのデータソースは、従来のCOBOL/VSAM管理情報からHTMLページに対するメッセージキューまで多種多様です。exteNd Composerコネクタは、情報ソースをXMLに対応させるために各製品で使用されている統合方法に従って分類できます。統合方法は、インターネットベースのコンピュータアーキテクチャ用に現在のシステム設計において使用される主要な区分を反映したものです。exteNd Composerでは、eBusinessのニーズ従来のアプリケーションのアーキテクチャに基づいて、ユーザインタフェースレベル、プログラムロジックレベル、またはデータレベルでビジネスシステムを統合できます。

HubSpoke2

図1-1

 
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SAP Connectとは?

SAPは、一連の統合モジュールを介して、コアビジネスプロセスに対して、企業リソースソフトウェアを提供します。これらのコアビジネスプロセスの例には、在庫、受注、受取勘定、支払勘定、生産スケジュール、および給与支払があります。

RFC (リモート関数コール)プロトコルは、SAPと外部コンポーネント間のすべての通信の中心です。

ABAP (Advanced Business Application Programming)は、SAPプログラミング言語です。ABAP関数モジュールは、RFCに対応している場合のみ、外部クライアントから呼び出すことができます。SAP R/3には、RFCに対応したRFM (関数モジュール)が数多く含まれています。

これらのRFMには、BAPI (Business Application Programming Interface)が含まれます。BAPIとは、追加ルール(『SAP BAPI Programming Guide』を参照)に従うRFMのことで、オブジェクトタイプのメソッドとしてBOR (Business Object Repository)で定義されています。

ビジネスオブジェクトタイプは、SAPシステムのベースとなるオブジェクト指向構造のことです。1つのビジネスオブジェクト(たとえば、販売注文)は、1つの業務詳細を表し、この詳細の関数やデータが含まれます。ビジネスオブジェクトは、ビジネスオブジェクトタイプのインスタンスです。

すべてのSAPビジネスオブジェクトタイプは、SAP R/3 BOR内で定義および記述されます。BORは、外部アプリケーション(たとえば、Composer統合アプリケーション)からSAPビジネスオブジェクトタイプにアクセスする場合の中央アクセスポイントです。

BAPIでは、外部アプリケーションからSAPビジネスオブジェクトを呼び出すことができます。SAP Javaコネクタ(JCo)は、BAPIへのアクセスを提供するJava APIです。

次のモデルは、このアーキテクチャを表しています。

SAPComposerIntegrationArchitecture3

SAP Connectでは、SAP BAPIおよびその他のRFCに対応した関数モジュール(RFM)への着信および発信コールが可能です。exteNd Composer SAP Connectは、SAP JCo (Javaコネクタ)を介してSAP環境と統合することを目的として設計されました。SAP Connectコンポーネントは、SAP JCoライブラリを使用してSAP RFMを呼び出して、SAPプログラムと通信します。Composer SAP Connect XMLでは、プログラムロジック統合方法を使用したSAP R/3アプリケーションが可能です。 EEStrategy

SAP Connectを使用すると、SAPアプリケーションやそれらのビジネスロジックをインターネットプロセス、エクストラネットプロセス、またはイントラネットプロセスに対して利用できるようにすることができます。SAP関数アクションでは、実行するSAP関数を検索して、選択できます。目的の関数を検索して選択すると、データのマップ先となる[SAP要求]フィールド、およびデータのマップ元となる[SAP応答]フィールドを選択できます。これらの[SAP要求]フィールドおよび[SAP応答]フィールドは、NEP (ネイティブ環境ペイン)の[SAP要求]タブおよび[SAP応答]タブにそれぞれ表示されます。

選択したSAP関数の要求データフィールドがNEPの[SAP要求]タブに表示されている場合、XML要求ドキュメントから[SAP要求]フィールドにデータをマップできます。このデータは、SAP関数の実行前にマップされます。

同様に、選択したSAP関数の応答データフィールドがNEPの[SAP応答]タブに表示されている場合、[SAP応答]フィールドからXML要求ドキュメントにデータをマップできます。このデータは、SAP関数の実行後にマップされます。

 
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exteNdのSAPコンポーネントについて

SAP Connectは、exteNd Composerサービスに統合できるSAPコンポーネントを作成します。XMLマップコンポーネントと同様に、SAPコンポーネントは、2つの異なるXMLテンプレート(つまり、要求XMLドキュメントと応答XMLドキュメント)間でデータをマップ、変換、および転送するために設計されています。また、SAP BAPIまたはその他のRFCに対応したRFI (関数モジュール)への着信コールおよび発信コールが可能です。

任意のデータ交換操作と同様、SAPコンポーネントは、接続リソースに依存しています。接続リソースは、ホストアドレス、IPアドレス、SAPシステム番号、SAPクライアント番号、SAP言語、および接続のユーザID、パスワード、プーリングオプションに関する重要な情報を指定します。SAP接続リソースを設定すると、要求データを処理し、応答データを返すSAP関数を呼び出すSAPコンポーネントを設定するために使用できます。

SAPコンポーネントでは、XMLドキュメントからSAPアプリケーションへのデータのマップや転送、およびXMLドキュメントへのデータの配置などの単純なデータ操作を実行できます。また、マップなどの高度な操作も実行できます。SAPコンポーネントにはXMLマップコンポーネントの全機能が備わっており、XSLの処理、メールの送信、およびHTTPプロトコルを使用したXMLドキュメントのポストと受信を実行できます。

次の図は、接続を介したSAPコンポーネントおよびメインフレームのデータの関係を示します。

SAPcomponentfigure2

図1-2

 
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SAPコンポーネントエディタを使用して作成できるアプリケーション

SAPコンポーネントエディタを使用すると、作成しているXML統合を拡張して、SAPアプリケーションに含めることができます(詳細については、『exteNd Composerユーザガイド』を参照してください)。たとえば、定期的に更新されるデータベースから製品の説明、画像、価格、および在庫情報を取得してWebブラウザに表示するアプリケーションがあるとします。SAPコンポーネントエディタを使用すると、動作中のシステムから最新の製品情報を取得したり、データベースからスタティック情報(画像など)を取得し、個別の情報ソースの情報をマージしてから、ユーザに対して表示できます。これにより、内部ユーザと外部ユーザの両方に同じ最新情報を提供することができます。




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