高度なセキュリティ

jBroker MQでは、コンシューマアプリケーションとプロデューサアプリケーションの間で交換されるメッセージを確実に送信できる高度なセキュリティ機能がサポートされています。 特に、jBroker MQをすべての通信目的にSSL (Secure Socket Layer)を使用するように設定できます。 また、宛先の構造および名前がアプリケーションに影響を及ぼすことがあるため、組み込み名サービスを無効にすることができます。 この章では、jBroker MQの高度なセキュリティ機能の概要について説明します。

はじめに

SSL (Secure Sockets Layer)は、クライアントアプリケーションおよびサーバアプリケーションが情報を安全に交換できるようにNetscapeにより開発されました。 SSLプロトコルは、任意のトランスポートプロトコルの上で階層になっており、HTTPなどのアプリケーションプロトコルで実行できます。 SSLは、パブリックキーによる暗号が基礎になっています。SSLの概念について「SSLプロトコルは、2つの通信アプリケーション(クライアントおよびサーバ)間での機密性が提供されるように設計されています。また、このプロトコルは、サーバ、およびオプションでクライアントを認証できるように設計されています」と説明されています。

SSLプロトコルの詳しい説明は次のとおりです。

  1. クライアントは、SSL接続をサーバから要求します。
  2. 2つのパーティは、次のもので構成される共通の暗号をネゴシエートします。
    1. パブリックキー交換アルゴリズム - Diffie-HellmanまたはRSA
    2. 証明書アルゴリズム - デジタル証明アルゴリズム(DSS証明書で使用されます)、RSA、または匿名(証明書は使用されません)
    3. シンメトリック暗号化アルゴリズム - DES、Triple-DES、RC2、RC4などのデータの暗号化に使用されます。
    4. MD5およびSHA-1などのメッセージダイジェストアルゴリズム - データの整合性をチェックするときに使用されます。
  3. サーバは、クライアントが認証できるように、その証明書チェインを提供します。 また、クライアントは、サーバが認証できるように、その証明書チェインを提供することもできます。
  4. 2つのパーティは、データの暗号化に必要なシークレットキーなど、暗号で使用される暗号化パラメータを計算します。
  5. 2つのパーティは、ネゴシエートされたアルゴリズムおよび計算された暗号化パラメータを使用して、アプリケーションデータを交換します。

暗号化パラメータが確立されると、アプリケーションデータは透過的に暗号化され、双方向で整合性がチェックされます。 SSLプロトコルおよびパブリックキー暗号化のさらに詳しい説明については、該当する資料を参照してください。

jBroker MQのSSLサポート

jBroker MQは、基礎となるjBroker ORBでSSLサポートを利用します。 保護機能は次の2つのカテゴリに分けられます。

上のリストで示した暗号には、4つのコンポーネントがあります。

  1. キー交換アルゴリズム: DHE (一時的なDiffie-Hellman)またはRSA
  2. 証明書アルゴリズム: DSS、RSA、またはanon (匿名、証明書なし)
  3. シンメトリック暗号: CBSモードのDES、CBCモードのDES-EDE (tripple-DES)、RC4 (40ビットまたは128ビット)、またはNULL (データ暗号化の暗号なし)
  4. メッセージダイジェスト: MD5またはSHA-1
  5. 暗号を指定する場合、暗号のグループを参照するか、jBroker MQサーバが使用する暗号のカンマ区切りリストを指定できます。 個々の暗号の名前は、上のリストに表示されています。 jBroker MQは、暗号の組み合わせに次の文字列を定義します。

    暗号が指定された順序により、優先順位が決定します。 つまり、暗号のクライアントのリストおよびjBroker MQサーバのリストの最初の共通暗号は、通信の確立に使用されます。

    jBroker MQプラグ可能セキュリティ

    プラグ可能セキュリティは、JMQMessageServiceインタフェースから次のプロパティを使用して構成されます。

    jBroker MQ SSL管理

    SSL構成は、JMQMessageServiceインタフェースから次のプロパティを使用して、指定されます。

    これらのプロパティは、jBroker MQサーバプログラムjmqservで使用されるmsgsvc.propertiesファイルの一部です。


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