2.7 プロビジョニングオブジェクトの展開

プロビジョニングビューの展開機能では、指定したユーザアプリケーションドライバにプロビジョニングオブジェクトを展開します。設計環境でプロビジョニングオブジェクトに加えた変更をIdentity Managerユーザアプリケーションに反映させるには、変更を展開する必要があります。プロビジョニングビューでは、コンテナとその子すべて(全エンティティ、全リストなど)を展開できます。または、1つのプロビジョニングオブジェクトだけ(1つのリスト要素など)を展開することもできます。展開する項目を選択すると、その項目が識別ボールト内の同じ項目と比較されます。両項目が等しい場合、展開は中止されます。両項目が異なっている場合、両項目が表示され、ユーザは展開を続行またはキャンセルできます。

バージョン3.5のユーザアプリケーションドライバを展開するときに、必要な3.5のスキーマ変更が識別ボールトに含まれていない場合、プロビジョニングオブジェクトは展開されず、[展開結果]ダイアログボックスにエラーメッセージが表示されます。これは、3.5のドライバが3.0.1の識別ボールトに展開されないようにするためです。

メモ:識別ボールトまたはドライバセットの展開コンテキストを変更したときは、展開を実行する前に、プロジェクトを保存する必要があります。変更を保存していない場合、展開操作では引き続き古い展開コンテキストが使用されます。

2.7.1 プロビジョニングオブジェクトの展開

  1. 変更を保存します。

    未保存の変更がオブジェクトに含まれている場合、未保存の定義が表示され、保存するよう促すメッセージが表示されます。保存しなくても、オブジェクトは展開されますが、未保存の変更は展開されません。変更を保存しないよう選択した場合でも、展開はキャンセルされません。

  2. プロビジョニングビューを開き、展開するオブジェクトを右クリックして、[展開]または[すべて展開]をクリックします。

    特定のプロビジョニングオブジェクトを展開するには、プロビジョニングビューでそのノードを選択します。特定タイプのすべてのオブジェクトを展開するには、そのタイプを表すルートノードを選択します。

    識別ボールト資格情報を入力するよう求められ(必要な場合)、オブジェクトが検証され、プロジェクトチェッカビューにメッセージが表示されます。

検証に失敗したプロビジョニングオブジェクトが含まれているドライバを展開すると、展開の初期設定にかかわらず、ドライバは展開されますが、無効なオブジェクトは展開されません。[展開結果]ダイアログボックスにエラーが表示されます。

検証エラーが含まれているプロビジョニングオブジェクトを展開すると、定義された初期設定に基づいて展開が実行され、プロジェクトチェッカビューにエラーが表示されます。

プロビジョニング要求定義の展開に関するヒント

  • プロビジョニング要求定義の展開中に、動作に関連するエラーが検出された場合、動作IDによってエラーが発生した動作が特定されます。ただし、ユーザインタフェースには、デフォルトでは動作名で表示されます。エラーメッセージで動作を特定しやすくするには、プロビジョニング要求定義を展開する前に、動作IDの表示を有効にします。動作IDの表示を有効にするには、ワークフローキャンバスを右クリックし、[動作IDの表示]をクリックします。

  • エンタイトルメントプロビジョニング動作でプレースホルダ式の置き換えに失敗した場合は、一般エラーが発生します。この場合は、エラーを修正してから、プロビジョニング要求定義を再度展開します。

  • 設計時に式は評価されないので、ランタイム時に解決する必要があるエンタイトルメントで式を使用すると、警告が表示されることがあります。これは致命的なエラーではないため、展開は行われます。

  • [概要]タブで[ステータス][アクティブ]になっていることを確認します。

  • 同じCNを持つプロビジョニング要求定義がすでに識別ボールトに存在する場合、展開概要に相違点が表示されます。展開を実行する前に、相違点を確認できます。

2.7.2 展開された変更のテスト

Designerからユーザアプリケーションにアクセスして、展開内容を表示またはテストできます。Designerからユーザアプリケーションにアクセスするには、次の手順に従います。

  1. [ツール]>[ユーザアプリケーションのアクセス]の順にクリックします。

  2. 表示したいユーザアプリケーションに関連付けられているプロジェクトとユーザアプリケーションドライバのコンテナを選択し、[OK]をクリックします。

    プロジェクトに対して定義されたドライバ環境設定情報を使用して接続が確立されます。[ウィンドウ]>[初期設定]>[一般]>[Web Browser]で指定されたブラウザ設定が使用されます。