4.0 GUIによるクラスタリソースの設定

HAクラスタの主な目的はユーザサービスの管理です。ユーザサービスの一般的な例として、Apache Webサーバまたはデータベースがあります。サービスとは、ユーザの観点からすると、指示に基づいて特別な何かを行うことを意味していまが、クラスタにとっては開始や停止できるリソースにすぎません。サービスの性質はクラスタには無関係なのです。

クラスタの管理者は、クラスタ内のサーバ上の各リソースや、サーバ上で実行する各アプリケーションに対してクラスタリソースを作成する必要があります。クラスタリソースには、Webサイト、電子メールサーバ、データベース、ファイルシステム、仮想マシン、およびユーザが常時使用できるその他のサーバベースのアプリケーションまたはサービスなどが含まれます。

クラスタリソースを作成するには、グラフィカルユーザインタフェース(Linux HA Management Client)またはcrmコマンドラインユーティリティのいずれかを使用します。コマンドラインを使用した方法については、Section 5.0, クラスタリソースのコマンドラインからの設定を参照してください。

この章ではLinux HA Management Clientについて説明します。また、リソースの作成、制約の設定、フェールオーバーノードとフェールバックノードの指定、リソース監視の設定、リソースの開始と削除、リソースグループやクローンリソースの構成、手動でのリソースのマイグレーションなど、クラスタ構成時に必要ないくつかの情報についても説明します。

クラスタリソースを設定するためのグラフィカルユーザインタフェースは、pacemaker-pyguiパッケージに含まれています。