9.0 Linux Virtual Serverによる負荷分散

LVS(Linux Virtual Server)は、複数のサーバにネットワーク接続を振り分けてワークロードを共有させる基本フレームワークの提供を目的としています。Linux Virtual Serverは、1つ以上のロードバランサとサービス実行用の数台の実際のサーバから成るサーバクラスタですが、外部のクライアントには1つの高速な大型サーバのように見えます。この単一サーバのように見えるサーバは、 仮想サーバと呼ばれます。Linux Virtual Serverは、高度な負荷分散ソリューションであり、高度にスケーラブルで可用性の高いネットワークサービス(Web、キャッシュ、メール、FTP、メディア、VoIPなど)の構築に使用できます。

実際のサーバとロードバランサは、高速LANまたは地理的に分散されたWANのいずれでも、相互に接続できます。ロードバランサは、様々なサーバに要求をディスパッチし、クラスタのパラレルサービスを1つのIPアドレスからの仮想サービスであるかのように実行させることができます。要求のディスパッチでは、IP負荷分散技術またはアプリケーションレベル負荷分散技術を使用できます。クラスタ内のノードのトランスペアレントな追加または削除によって、システムのスケーラビリティが達成されます。ノードまたはデーモンの障害の検出とシステムの適宜な再設定によって、高度な可用性が提供されます。