4.12 クラスタリソースのマイグレーション

Section 4.5, リソースフェールオーバーノードの指定」で説明したように、ソフトウェアまたはハードウェアの障害時には、クラスタは定義可能な特定のパラメータ(たとえばマイグレーションしきい値やリソースの固着性など)に従って、リソースを自動的にフェールオーバー(マイグレート)させます。それ以外に、クラスタリソース内の別なノードにリソースを手動でマイグレートさせることもできます。

手動によるリソースのマイグレーション

  1. Section 4.1, Linux HA Management Clientで説明したように、Linux HA Management Clientを起動してクラスタにログインします。

  2. 左側のペインの管理ビューに切り替え、次に右側のペインの該当するリソースを右クリックしてMigrate Resource (リソースのマイグレート)を選択します。

  3. 新規ウィンドウで、To Node(マイグレート先ノード)で、リソースの移動先ノードを選択します。これによって移動先ノードに対してINFINITYスコアの場所の制約が作成されます。

  4. リソースを一時的にマイグレートするには、Duration(期間)をアクティブにしてリソースが新規ノードにマイグレートされる時間を入力します。指定した時間を経過したら、リソースは元の場所に戻ることができます。あるいは、現在の場所に残ることもできます(リソースへの固着性による)。

  5. リソースをマイグレートできない場合は(リソースの固着性と制約スコアの合計が現在のノードでINFINITYを超えている場合)、強制オプションを有効にします。これによって現在の場所に対するルールと-INFINITYのスコアを作成して、リソースを強制的に移動させます。

    NOTE: その結果、Clear Migrate Constraints (マイグレート制約の消去)によって制約が削除されるまで、または指定期間を経過するまでこのノードで実行を継続することを防止します。

  6. OKをクリックして、マイグレーションを確認します。

リソースを再度元に戻すには、管理に切り替え、リソースビューを右クリックしてClear Migrate Constraints (マイグレート制約の消去)を選択します。これによってcrm_resource -Uコマンドが使用されます。リソースは元の場所に戻ることができます。あるいは現在の場所に残ることもできます(リソースの固着性によって)。詳細は、crm_resource (8)またはhttp://clusterlabs.org/wiki/Documentationに提供されている『Configuration 1.0の概要』の「リソースのマイグレーション」のセクションを参照してください。