17.2 OCF戻りコード

OCF仕様によると、アクションが返す必要がある出口コードの厳密な定義があります。クラスタは常に、予期される結果に対する戻りコードを確認します。結果が予期された値と一致しない場合、アクションは失敗したとみなされ、回復処理が開始されます。障害回復には3種類あります。

Table 17-1 障害回復の種類

回復の種類

説明

クラスタが行うアクション

soft

一時的なエラーが発生しました。

リソースを再起動するか、新しい場所に移動させます。

hard

一時的ではないエラーが発生しました。エラーは現在のノードに固有の場合があります。

リソースを他の場所に移動して、現在のノードで再試行されないようにします。

致命的

すべてのクラスタノードに共通の、一時的ではないエラーが発生しました。これは不正な構成が指定されたことを示しています。

リソースを停止して、どのクラスタノードでも開始されないようにします。

アクションが失敗したと仮定して、次の表では、エラーコードを受け取った場合の異なるOCF戻りコードとクラスタが開始する回復の種類を概説します。

Table 17-2 OCF戻りコード

OCF戻りコード

OCFエイリアス

説明

回復の種類

0

OCF_SUCCESS

成功. コマンドは正常に完了しました。これは、すべてのstart、stop、promote、demoteコマンドの予期された結果です。

soft

1

OCF_ERR_GENERIC

汎用の問題が発生したことを示すエラーコード。

soft

2

OCF_ERR_ARGS

リソースの構成がこのマシンで有効ではありません(たとえば、ノード上に見つからない場所/ツールを参照している場合)。

hard

3

OCF_ERR_UNIMPLEMENTED

要求されたアクションは実行されていません。

hard

4

OCF_ERR_PERM

リソースエージェントにはタスクを完了する十分な権限がありません。

hard

5

OCF_ERR_INSTALLED

リソースが必要とするツールがこのマシンにインストールされていません。

hard

6

OCF_ERR_CONFIGURED

リソースの構成が無効です(たとえば、必要なパラメータが不足している場合)。

致命的

7

OCF_NOT_RUNNING

リソースが実行されていません。クラスタは、どのアクションについてもこれを返すリソースを停止しようとしません。

このOCF戻りコードはリソース回復を必要することも必要としないこともあります。予期されたリソースの状態に依存します。予期されない場合は、soft回復を行います。

該当なし

8

OCF_RUNNING_MASTER

リソースはマスタモードで実行しています。

soft

9

OCF_FAILED_MASTER

リソースはマスタモードですが、失敗しました。リソースは降格、停止され、再度開始されます(昇格されます)。

soft

その他

該当なし

カスタムエラーコード。

soft