保護されたリソースにログインする際に必要なパスワードをすべて記憶するのは困難です。KWalletがユーザに代わってパスワードを記憶します。KWalletはすべてのパスワードを集めて暗号化されたファイルに保存します。1つのマスタパスワードを入力するだけで、ウォレットを開いて、エントリの表示、検索、削除、作成を行うことができます。通常は、エントリを手動で挿入する必要はありません。KDEによってリソースに認証が必要かどうかが判断され、必要な場合にKWalletが自動的に起動されます。
重要: KWalletパスワードの保護
KWalletパスワードを忘れてしまった場合は、回復できません。そのパスワードを知っている他のユーザは、ウォレット内のすべての情報を取得できてしまいます。
KWalletを初めて起動すると(たとえば、ログイン用パスワードを入力する必要のあるWebサイトにアクセスする場合など)、ようこそ画面が表示されます。(推奨)とのどちらかを選択します。を選択した場合は、次に表示される画面で、個人情報を保存するかどうかを選択します。KonquerorやKMailなどの一部のKDEアプリケーションでは、ウォレットシステムを使用してWebフォームデータやCookieを保存できます。保存する場合は、KWalletを使用するために。を選択してから、をクリックします。
を選択した場合は、[セキュリティレベル]画面が表示されます。通常はデフォルトの設定で十分ですが、変更が必要になる場合もあります。を選択すると、一定時間使用されないウォレットは閉じられます。ネットワークパスワードとローカルパスワードを別々に保存する場合は、を有効にします。をクリックします。
パネルのKWalletアイコンを右クリックしてを選択すると、いつでも設定を変更できます。ダイアログボックスが表示されて、いくつかのオプションを選択できます。デフォルトでは、すべてのパスワードが1つのウォレット、、に格納されますが、新しいウォレットを追加することもできます。設定が完了すると、KWalletがパネルに表示されます。
ウォレットにデータを格納したり内容を表示したりするには、パネルのKWalletアイコンをクリックします。ダイアログボックスが表示されて、システムでアクセス可能なウォレットが表示されます。ウォレットをクリックして開きます。パスワードの入力を求めるウィンドウが表示されます。
ログインに成功すると、KWalletマネージャウィンドウが表示されます。これは、3つの部分に分かれています。左上には概要、右上にはサブフォルダ、左下にはフォルダエントリのリスト、そして右下には選択したエントリの内容が表示されます。
KWalletマネージャでは、KWalletのマスタパスワードは、を使用していつでも変更できます。
図 1-16 KWalletマネージャウィンドウ
フォルダの追加または削除ができます。フォルダを選択すると、フォルダエントリのリストおよび概要表示が更新されます。フォルダエントリを選択すると、エントリの内容のペインが更新され、そのエントリを編集できるようになります。また、フォルダの内容についてのコンテキストメニューを使用し、エントリを作成したり削除したりすることもできます。
新しいエントリを挿入するには、次の手順に従います。
ウィンドウの右上部分で、エントリを追加するサブフォルダを選択します。
左下部分に、サブフォルダに属するエントリのリストが表示されます。新しいエントリをまたはに追加できます。キーと値のペアがある場合は、を使用します。パスワードには、複数のエントリを含めることができます。
新しいパスワードを追加するには、エントリを右クリックし、コンテキストメニューからを選択します。
新しいエントリの名前を入力し、をクリックします。これで、新しいエントリがフォルダエントリの下に表示されるようになります。
この新しいエントリを右側に表示するには、エントリをクリックします(初めは、このフォルダは空です)。
をクリックして、新しいパスワードを入力するための入力フィールドを開きます。
パスワードを入力して、をクリックします。KWalletは、選択したサブフォルダにパスワードを保存します。
多くの場合、KWalletはパネルに常駐し、必要に応じて自動的に有効になります。ただし、ウォレットファイルを別のコンピュータ(ラップトップなど)にコピーできます。ウォレットをマネージャウィンドウからファイルブラウザウィンドウにドラッグするだけです。これにより、別の環境に転送するために、新しいウォレットを簡単にパッケージできます。たとえば、新しいウォレットをリムーバブルフラッシュメモリデバイスに作成したりコピーしたりすることもできます。重要なパスワードはそこに転送されるので、別の場所でそのパスワードを使用することができます。