9.4 Windowsファイルの管理

セクション 12.0, Active Directory Support, (↑ Deployment Guide )」で説明されているように、SUSE Linux EnterpriseコンピュータをActive Directoryクライアントとして使用することにより、Windowsサーバ上のデータを参照、表示、および操作できます。以下に代表的な例を示します。

Konquerorを使ったWindowsファイルの参照

Windows上のデータを参照するには、Konquerorのsmb:/オプションを使用します。

Konquerorを使ったWindowsデータの表示

Konquerorを利用して、Linuxディレクトリを参照する場合と同様に、Windowsフォルダの内容を参照できます。Windowsサーバー上にファイルやフォルダを作成することもできます。

KDEアプリケーションを使ったWindowsデータの操作

KateテキストエディタなどのKDEアプリケーションを使って、Windowsサーバ上のファイルを開いて操作したり、変更したファイルをWindowsサーバに保存したりできます。

シングルサインオン

KonquerorなどのKDEアプリケーションは、シングルサインオンをサポートしています。Webサーバ、プロキシサーバ、またはグループウェアサーバ(例:MS Exchange)などのWindowsリソースにアクセスする場合、再び認証を受ける必要はありません。ログイン時に一度ユーザ名とパスワードを入力するだけで、以降の認証はバックグラウンドで自動的に行われます。

Konquerorを使ってWindowsデータにアクセスするには、以下の手順に従ってください。

  1. Alt+F2キーを押して、smb://と入力します。

    Konquerorウィンドウに、ネットワーク上にあるSambaワークグループとドメインが表示されます。

  2. ADサーバのワークグループまたはドメインのアイコンをクリックします。

    図 9-5 ADサーバ上のデータの参照

  3. [ユーザー]フォルダをクリックして、個人のユーザフォルダアイコンを選択します。[マイドキュメント]フォルダの内容が表示されます。

Konquerorを使ってWindowsユーザフォルダ中にフォルダを作成する場合は、Linuxフォルダを作成する場合と同じ手順で作業を行います。

  1. Konquerorフォルダビューのバックグラウンドを右クリックして、メニューを表示します。

  2. [新規作成] > [フォルダ]の順に選択します。

  3. プロンプトの指示に従い、新しいフォルダ名を入力します。

ADサーバ上にファイルを作成する手順は、以下のKateテキストエディタを使った例を参考にしてください。

  1. Alt+F2キーを押してkfindと入力します。

  2. 任意のテキストを入力します。

    図 9-6 Kateを使ったテキストファイルの編集

  3. 新しく作成したテキストを保存するには、[名前を付けて保存]を選択します。

  4. 左側にある[ネットワークフォルダ]アイコンをクリックして、[SMB Shares]を選択します。

    図 9-7 リモートWindowsフォルダへのファイルの保存

  5. Windowsフォルダに移動します。

  6. ファイル名を入力して、[保存]をクリックします。

    ファイルがWindowsサーバに保存されます。

Konquerorのシングルサインオン機能の活用例を以下に示します。この例では、MS ExchangeメールボックスにWebアクセスします。

  1. 現在のWindowsユーザ名に有効なMS Exchangeアカウントがあることを確認します。

  2. システム管理者にExchangeサーバのアドレスを問い合わせます。

  3. Alt+F2キーを押して、konqueror http://address_exchange_serverと入力します。

    これで、再認証を受けることなく、Exchangeアカウントにログインできました。

    図 9-8 Konquerorを介したMS Exchangeへのアクセス

  4. 通常と同じように電子メールを読み書きし、ログアウトします。