SUSE Linux Enterprise Serverの主な設定は、/etc/sysconfigに格納されている設定ファイルで指定できます。/etc/sysconfigディレクトリの個々のファイルは、それらが関係するスクリプトによってのみ読み込まれます。これにより、たとえば、ネットワークはネットワーク関連のスクリプトでのみ解析されるようになります。
システム設定を編集するには、2通りの方法があります。YaSTのsysconfigエディターを使う方法と、設定ファイルを手動で編集する方法です。
YaSTのsysconfigエディタは、使いやすいシステム設定のフロントエンドです。変更する必要のある設定用変数の実際の場所が分からなくても、このモジュールに内蔵された検索機能を使うだけで、必要に応じて設定用変数の値を変更できますし、これらの変更の適用、sysconfigで設定されている値に基づく設定の更新、サービスのリスタートは、YaSTが行います。
警告: /etc/sysconfig/*ファイルの変更はインストールに害を及ぼすことがある
知識や経験が豊富でない限り、/etc/sysconfigファイルは変更しないでください。場合によっては、システムに相当なダメージを与えることがあります。/etc/sysconfigのファイルには、各変数が持つ実際の効果を説明する簡単なコメントが付いています。
図 7-2 sysconfigエディタを使用したシステム設定
YaSTのsysconfigダイアログは、3つの部分に分かれています。ダイアログの左側には、すべての設定変数がツリー表示されます。変数を選択した段階で、右側に現在選択されている変数と、この変数の現在の設定が表示されます。その下の3番目のウィンドウには、変数の目的、有効な値、デフォルト値、およびこの変数が設定されている実際の設定ファイルについての簡単な説明が表示されます。このダイアログボックスには、変数の変更後に実行された設定スクリプトや、変更の結果起動された新しいサービスについての情報も表示されます。YaSTにより変更の確認が求められ、を選択してダイアログを終了した後にどのスクリプトが実行されるかが通知されます。現在は実行しないサービスやスクリプトを選択すると、それらが後で実行されます。YaSTはすべての変更を自動的に適用し、変更と関係のあるすべてのサービスをリスタートします。
システム設定を手動で変更するには、以下の手順に従います。
rootになります。
telinit 1コマンドで、システムをシングルユーザモード(ランレベル 1)にします。
必要に応じて、設定ファイルを、自分が使っているエディタで変更します。
/etc/sysconfigの設定ファイルの変更にYaSTを使用しない場合、空の変数値は2つの引用符(KEYTABLE="")によって表し、空白を含む値ヘ引用符で囲むことに注意してください。語の値は、引用符で囲む必要はありません。
SuSEconfigを実行して、変更が有効になっていることを確認します。
telinit default_runlevelなどのコマンドで、システムを以前のランレベルに戻します。default_runlevelの部分は、システムのデフォルトのランレベルで置き換えてください。ネットワークとXのあるフルマルチユーザモードに戻るには5を、ネットワークのあるフルマルチユーザa[ドに戻るには3を選択します。
この手順は主に、ネットワーク設定など、システム全体の設定を変更する場合に必要です。小さな変更であれば、シングルユーザモードに移行する必要はありませんが、関与するすべてのプログラムが正しく再起動することを絶対的に保証する必要がある場合は、移行しても差し支えありません。
ヒント: 自動システム設定機能の設定
SuSEconfigの自動システム設定機能を無効にするには、/etc/sysconfig/suseconfigのENABLE_SUSECONFIGをnoに設定します。SUSEのインストールサポートを使用する場合は、SuSEconfigを無効にしないでください。無効にすると、自動設定も部分的に無効になる可能性があります。