ここでは、GRUBを使用してブートする際に頻繁に発生する一部の問題と、考えられる解決策の概略について説明します。一部の問題については、http://support.novell.com/のKnowledgebase(ナレッジベース)に記事が提供されています。「GRUB」、「ブート」,および「ブートローダ」などのキーワードを使って検索を行うには、検索ダイアログを使用します。
XFSの場合、パーティションブートブロックにはstage1のための余地がありません。そのため、ブートローダの位置としてXFSパーティションを指定しないでください。この問題は、XFSでフォーマットされていない別のブートパーティションを作成することで解決できます。
GRUBは、システムのブート時に、接続されているハードディスクのジオメトリを検査します。ときには、BIOSから一貫性のない情報が戻され、GRUBがGRUB Geom Errorをレポートする場合があります。そのような場合は、BIOSをアップデートしてください。
また、LinuxがBIOSに登録されていない追加ハードディスクにインストールされている場合にも、GRUBはこのエラーメッセージを戻します。ブートローダの stage1 は正常に検出されロードされますが、stage2 は検出されません。この問題は、新規ハードディスクをBIOSに登録することで解消できます。
インストール中、YaSTは、ハードディスクのブートシーケンスを誤って判断する場合があります。たとえば、GRUBがIDEディスクをhd0、SCSIディスクをhd1と見なしても、BIOS内ではブートシーケンスが逆(IDEの前にSCSI)になっている場合があります。
この場合は、ブートプロセス中にGRUBコマンドラインを使用してハードディスクを訂正します。システムのブート後に、device.mapファイルを編集して新規マッピングを永続的に適用します。次に、/boot/grub/menu.lstファイルと/boot/grub/device.mapファイルでGRUBデバイス名を検査し、次のコマンドでブートローダを再インストールします。
grub --batch < /etc/grub.conf
Windowsのような一部のオペレーティングシステムは、1台目のハードディスクからのみブートできます。この種のオペレーティングシステムが2台目以降のハードディスクにインストールされている場合は、関連メニューエントリに対して論理的な変更を加えることができます。
... title windows map (hd0) (hd1) map (hd1) (hd0) chainloader(hd1,0)+1 ...
この例では、Windowsは2台目のハードディスクから起動されます。この目的で、mapを使用して、ハードディスクの論理的な順序を変更します。この変更は、GRUBのメニューファイル内のロジックには影響を及ぼしません。したがって、2台目のハードディスクはchainloaderに対して指定する必要があります。