10.1 印刷システムのワークフロー

ユーザが印刷ジョブを作成します。印刷ジョブは、印刷するデータとスプーラに対する情報から構成されますが、その情報には、プリンタの名前またはプリンタキューの名前だけでなく、必要に応じて、プリンタ固有のオプションなど、フィルタに関する情報も含まれます。

各プリンタには、1つ以上の専用プリンタキューが存在しています。指定のプリンタがデータを受け取れるようになるまで、スプーラは印刷ジョブをキュー内に留めています。プリンタの準備が整うと、スプーラはフィルタおよびバックエンドを経由して、プリンタにデータを送信します。

このフィルタは、印刷中のアプリケーションが生成したデータ(通常的はPostScriptやPDFですが、ASCII、JPEGなどの場合もあります)を、プリンタ固有のデータ(PostScript、PCL、ESC/Pなど)に変換します。. プリンタの機能については、PPDファイルに記述されています。PPDファイルには、プリンタ固有のオプションが記述されています。各オプションに対しては、プリンタでそのオプションを有効にするために必要なパラメータが指定されています。フィルタシステムは、ユーザが有効として選択したオプションを確認します。

PostScriptプリンタを選択すると、フィルタシステムがデータをプリンタ固有のPostScriptに変換します。この変換にプリンタドライバは必要ありません。PostScript非対応プリンタを使用すると、フィルタシステムがデータをプリンタ固有データに変換します。この変換には、使用しているプリンタに適応したプリンタドライバが必要です。バックエンドは、プリンタ固有データをフィルタから受信し、そのデータをプリンタに送信します。