15.4 トラブルシューティング

すべてのエラーメッセージおよびアラートはファイル/var/log/messagesに記録されます。必要な情報が得られない場合、ファイル/etc/sysconfig/powersave/commonにある、DEBUGを使用してpowersaveに関連するメッセージの冗長度を上げます。変数の値を7または15まで増やし、デーモンを再起動します。/var/log/messagesで利用可能なより詳しいエラーメッセージは、エラーの発見に役立ちます。以下のセクションではpowersaveおよびさまざまなスリープモードで最も頻繁に起こる問題について解説します。

15.4.1 ACPIはハードウェアサポートで有効になっていますが、各機能を使用できません。

ACPIで問題が発生した場合は、コマンドdmesg|grep -i acpiを使用し、dmesgの出力からACPI固有のメッセージを検索します。問題を解決するためにBIOSのアップデートが必要になる場合があります。ラップトップメーカのホームページにアクセスし、BIOSの更新バージョンを検索してインストールします。メーカに最新のACPI仕様に準拠していることを確認してください。BIOSの更新後もエラーが継続する場合は、以下の手順に従い、BIOS内で問題が発生しているDSDTテーブルを更新されたDSDTに置き換えます。

  1. http://acpi.sourceforge.net/dsdt/index.phpからシステムに適したDSDTをダウンロードします。以下に示すようにファイルを解凍し、コンパイル後ファイル拡張子が.aml (ACPI machine language)になっていることを確認します。拡張子が.amlの場合はステップ3に進みます。

  2. ダウンロードしたテーブルのファイル拡張子が.asl (ACPI source language)である場合は、iasl (pmtoolsパッケージ)でコンパイルします。

  3. ファイルDSDT.amlをいずれかのロケーション(/etc/DSDT.amlが推奨されています)にコピーします。/etc/sysconfig/kernelを編集し、DSDTファイルに応じてパスを変更します。mkinitrd (mkinitrdパッケージ)を開始します。カーネルをアンインストールし、mkinitrdを使用してinitrdを作成する場合は常に、変更されたDSDTが組み込まれ、システムブート時にロードされます。

15.4.2 CPU周波数調節が機能しません。

カーネルソース(kernel-source)を参照して、ご使用のプロセッサがサポートされているか確認してください。CPU周波数制御を有効にするには特別なカーネルモジュールまたはモジュールオプションが必要になる場合があります。この情報については/usr/src/linux/Documentation/cpu-freq/*を参照してください。

15.4.3 サスペンドとスタンバイが機能しません。

ACPIシステムでは問題のあるDSDTを実装していることにより(BIOS)、サスペンドとスタンバイに関する問題が発生する可能性があります。そのような場合は、BIOSをアップデートしてください。

システムが不具合のあるモジュールをアンロードしようとすると、システムは停止するか、またはサスペンドイベントがトリガされません。また、サスペンドに入らない原因となるモジュールをアンロードしない、またはそうしたサービスを停止しない場合、同様の状態に陥る可能性があります。どちらの場合でも、スリープモードに入らない原因となっている障害モジュールを識別してください。ログファイル/var/log/pm-suspend.logには、エラーのの内容と場所に関する詳細情報が含まれます。/usr/lib/pm-utils/defaultsSUSPEND_MODULES変数を変更し、サスペンドまたはスタンバイがトリガされる前に問題のあるモジュールをアンロードします。

http://www.opensuse.org/Pm-utilsおよびhttp://www.opensuse.org/S2ramで、サスペンドを変更してプロセスを再開する方法についての詳細情報を参照してください。