24.1 用語

ここでは、SambaのマニュアルやYaSTモジュールで使用される用語について説明します。

SMBプロトコル

SambaはSMB(サーバメッセージブロック)プロトコルを使用します。SMBはNetBIOSサービスを基にしています。Microsoftがこのプロトコルをリリースしたので、他のソフトウェアメーカはMicrosoftドメインネットワークに接続できるようになりました。Sambaでは、SMBプロトコルがTCP/IPプロトコルの上で動作するので、すべてのクライアントにTCP/IPプロトコルをインストールする必要があります。

ヒント: IBM System z:NetBIOSサポート

IBM System zではSMB over TCP/IPのみがサポートされています。これら2つのシステムではNetBIOSをサポートしていません。

CIFSプロトコル

CIFS (common Internet file system)プロトコルは、Sambaがサポートしているプロトコルです。CIFSは、ネットワーク上で使用する標準のリモートファイルシステムで、ユーザグループによる共同作業およびネットワーク間でのドキュメントの共有ができるようにします。

NetBIOS

NetBIOSは、マシン間通信用に設計された、ネームサービスを提供するソフトウェアインタフェース(API)です。これにより、ネットワークに接続されたマシンが、それ自体の名前を維持できます。予約を行えば、これらのマシンを名前によって指定できます。名前を確認する一元的なプロセスはありません。ネットワーク上のマシンでは、すでに使用済みの名前でない限り、名前をいくつでも予約できます。NetBIOSインタフェースは、異なるネットワークアーキテクチャに実装できるようになっています。ネットワークハードウェアと比較的密接に機能する実装はNetBEUIと呼ばれますが、これはよくNetBIOSとも呼ばれます。NetBIOSとともに実装されるネットワークプロトコルは、Novell IPX (TCP/IP経由の NetBIOS)とTCP/IPです。

TCP/IP経由で送信されたNetBIOS名は、/etc/hostsで使用されている名前、またはDNSで定義された名前とまったく共通点がありません。NetBIOSは独自の、完全に独立した名前付け規則を使用しています。しかし、管理を容易にするために、DNSホスト名に対応する名前を使用するか、DNSをネイティブで使用することをお勧めします。これはSambaが使用するデフォルトでもあります。

Sambaサーバ

Sambaサーバは、SMB/CIFSサービスおよびNetBIOS over IPネーミングサービスをクライアントに提供します。Linuxの場合、SMB/CIFSサービス用のsmndと、ネーミングサービス用のnmbd、認証用のwinbindの3種類のSambaサーバデーモンが用意されています。

Sambaクライアント

Sambaクライアントは、SMBプロトコルを介してSambaサーバからSambaサービスを使用するシステムです。Mac OS X、Windows、OS/2などの一般的なオペレーティングシステムは、すべてSMBプロトコルをサポートしています。TCP/IPプロトコルは、すべてのコンピュータにインストールする必要があります。Sambaは、異なるUNIXフレーバーに対してクライアントを提供します。Linuxでは、SMB用のカーネルモジュールがあり、LinuxシステムレベルでのSMBリソースの統合が可能です。Sambaクライアントに対していずれのデーモンも実行する必要はありません。

共有

SMBサーバは、そのクライアントに対し、共有によってリソースを提供します。共有は、サーバ上のサブディレクトリのあるディレクトリおよびプリンタです。これは名前によってエクスポートされ、名前によってアクセスされます。共有名にはどのような名前も設定できます。エクスポートディレクトリの名前である必要はありません。プリンタにも名前が割り当てられます。クライアントはプリンタに名前でアクセスできます。

DC

ドメインコントローラ(DC)はドメインのアカウントを処理するサーバです。データレプリケーションには、1つのドメインの中で追加のドメインコントローラが使用できます。