6.13 インストールの実行

すべてのインストール設定を完了したら、インストール設定ウィンドウで、[インストールする]をクリックしてインストールを開始します。一部のソフトウェアでは、ライセンスの確認が必要になります。選択したソフトウェアの中にこのようなソフトウェアがある場合は、ライセンスの確認ダイアログが表示されます。[了解]をクリックして、ソフトウェアパッケージをインストールします。ライセンスに同意しない場合は、[同意しません]をクリックします。この場合ソフトウェアパッケージはインストールされません。次のダイアログで、再度[インストールする]をクリックして確定します。

システムのパフォーマンスと選択したソフトウェアスコープにより、インストールには15〜30分かかります。ハードディスクの準備が完了し、ユーザ設定の保存/復元を完了すると、ソフトウェアのインストールが開始します。

ソフトウェアのインストールが完了したら、基本システムが設定されます。中でも、Finishing the Basic Installationでは、ブートマネージャのインストール、フォントの初期化などが行われます。次に、YaSTにより新しいLinuxシステムがブートされ、システム設定が開始します。

ヒント: 既存のSSHホストキー

既存のLinuxインストールを含むコンピュータにSUSE Linux Enterprise Serverをインストールする場合は、インストールルーチンが、自動的に、既存インストールから最新のアクセス時間付きSSHホストキーをインポートします。

6.13.1 IBM System z: インストール済みシステムのIPL処理

IBM System zの各プラットフォームでは、選択したソフトウェアパッケージのインストールが完了した後、改めてIPLを実行する必要があります。 ただし、この手順はインストールのタイプによって異なります。以下に示します。

LPARインストール

IBM System z HMCでは、[ロード][消去]の順に選択し、次にロードアドレス(ルートデバイスのデバイスアドレス)を入力します。ZFCPディスクをブートデバイスとして使用する場合は、[Load from SCSI]を選択し、ブートデバイスのZFCP WWPNとLUNの両方を指定します。この時点でロードプロセスが開始します。

z/VMのインストール

haltコマンドを使用してインストール済みシステムをシャットダウンします。 LINUX1としてVMゲストにログインし、インストール済みシステムのIPL処理を続行します。ZFCPディスクをブートデバイスとして使用している場合は、IPLをインストールする前に、ブートデバイスのZFCP WWPNとLUNを指定します。 パラメータの長さは8文字に制限されています。 8文字を越える長いパラメータを使用する場合は、以下に示すように分割します。

 SET LOADDEV PORT 50050763 00C590A9 LUN 50010000 00000000 

最後にIPLを初期化します。以下に示します。

IPL 151 CLEAR

151はZFCPアダプタのアドレスの例です。この値を正しいアドレスに置き換えてください。

6.13.2 IBM System z:インストール済みシステムへの接続

インストール済みシステムのIPL処理が完了した後は、インストールを完了するためにシステムへの接続を確立します。接続を確立するためのステップは、最初に使用した接続のタイプによって異なります。

接続にVNCを使用する場合

3270端末では、VNCクライアントを使用して、Linuxシステムへ接続するように促すメッセージが表示されます。ただし、このメッセージは、カーネルからのメッセージに紛れてしまったり、ユーザが気付く前にこの端末プロセスが終了したりするため、見落とされることがよくあります。5分待機しても何も起こらないようであれば、VNCビューアを使用して、Linuxシステムへの接続を開始するようにしてください。

Java対応ブラウザを使用して接続を行う場合は、インストール済みシステムのIPアドレスとポート番号から成る完全なURLを、次のように入力します。

 http://<IP of installed system>:5801/ 

接続にXを使用する場合

インストール済みシステムのIPL処理を行う場合、dasdからブートする前に、インストールの最初のフェーズで利用されたXサーバが有効で、引き続き利用できることを確認してください。YaSTはこのXサーバを使ってインストールを完了します。システムが起動されてもXサーバに適切なタイミングで接続できなければ、問題が起きる可能性があります。

接続にSSHを使用する場合

重要: IBM System z: LinuxまたはUNIXシステムからの接続

xtermでsshを開始します。 他の端末エミュレータは、YaSTに備えられているテキストベースのインタフェースを完全にサポートしていません。

3270端末では、SSHクライアントを使用して、Linuxシステムへ接続するように促すメッセージが表示されます。ただし、このメッセージは、カーネルからのメッセージに紛れてしまったり、ユーザが気付く前にこの端末プロセスが終了したりするため、見落とされることがよくあります。

メッセージが表示されたら、SSHを使ってLinuxシステムにrootとしてログインします。接続が拒否される、タイムアウトが発生するなど、ログインできない場合には、数分待ってから再度ログインするようにします。

接続が確立されたら、コマンド/usr/lib/YaST2/startup/YaST2.sshを実行します。このような場合、yastコマンドを実行するだけでは不十分です。

次に、YaSTは残りのパッケージのインストール作業を続行し、初期のシステム設定を作成します。