7.9 既存ソフトウェアRAID用マルチパスI/Oの設定

理想的には、デバイスのマルチパス処理を設定してから、それらのデバイスをソフトウェアRAIDデバイスのコンポーネントとして使用してください。ソフトウェアRAIDデバイスの作成後にマルチパス処理を追加した場合は、再起動時にmultipathサービスの後でDM-MPIOサービスが開始することがあります。その場合は、マルチパス処理がRAIDに使用できないように見えます。このセクションのプロシージャを使用すると、すでに存在しているソフトウェアRAIDに対してマルチパス処理を実行できます。

たとえば、次のような場合は、ソフトウェアRAID内のデバイスにマルチパス処理を設定する必要があることがあります。

メモ: 以降の説明では、ソフトウェアRAIDデバイスを/dev/mapper/mpath0(カーネルによって認識されるデバイス名)と想定しています。ソフトウェアRAIDのデバイス名の指定は、必ず変更してください。

  1. 端末コンソールを開いて、rootユーザまたは同等の権限でログインします。

    特に指示のない限り、この端末を使用して、以降のステップでコマンドを入力します。

  2. ソフトウェアRAIDデバイスが現在マウントされているか、または実行中の場合、デバイスごとに次のコマンドを入力して、デバイスをマウント解除し、停止します。

    umount /dev/mapper/mpath0
    
    mdadm --misc --stop /dev/mapper/mpath0
    
  3. 次のように入力して、boot.mdサービスを停止します。

    /etc/init.d/boot.md stop
    
  4. 以降のコマンドで、boot.multipathサービスおよびmultipathdサービスを開始します。

    /etc/init.d/boot.multipath start
    
    /etc/init.s/multipathd start
    
  5. マルチパス処理サービスの開始後、ソフトウェアRAIDのコンポーネントデバイスが/dev/disk/by-idディレクトリにリストされているかどうか確認します。次のいずれかの操作を行います。

    • デバイスがリストされている: デバイス名に、デバイスマッパーマルチパスのデバイス名(/dev/dm-1など)へのシンボリックリンクがあるはずです。

    • デバイスがリストされていない: デバイスをフラッシュし、再検出することで、マルチパスサービスにデバイスを認識させます。

      この操作を行うには、次のコマンドを入力します。

      multipath -F
      
      multipath -v0
      

      これで、デバイスが/dev/disk/by-id内にリストされ、デバイスマッパーマルチパスのデバイス名へのシンボリックリンクを持ちます。次に例を示します。

      lrwxrwxrwx 1 root root 10 Jun 15 09:36 scsi-mpath1 -> ../../dm-1
      
  6. 次のように入力して、boot.mdサービスとRAIDデバイスを再起動します。

    /etc/init.d/boot.md start
    
  7. 次のように入力して、ソフトウェアRAIDの状態をチェックします。

    mdadm --detail /dev/mapper/mpath0
    

    RAIDのコンポーネントデバイスは、そのデバイスマッパーマルチパスのデバイス名(/dev/disk/by-idディレクトリにデバイスのシンボリックリンクとしてリストされている)と一致する必要があります。

  8. 新しいinitrdを作成して、デバイスマッパーマルチパスのサービスが再起動時にRAIDサービスの前にロードされるようにしてください。<Enter>

    mkinitrd -f multipath
    
  9. サーバを再起動して、これらのポストインストール構成の設定を適用します。

  10. RAIDステータスをチェックして、ソフトウェアRAIDアレイが、マルチパスデバイスの上に正しく示されることを確認します。<Enter>

    mdadm --detail /dev/mapper/mpath0
    

    次に例を示します。

    • Number Major Minor RaidDevice State
    • 0 253 0 0 active sync /dev/dm-0
    • 1 253 1 1 active sync /dev/dm-1
    • 2 253 2 2 active sync /dev/dm-2