3.2 パッチ管理の改善

ZENworks 11.4.2のパッチ管理では性能の高速化が図られており、3つの新しい機能(SLES 12パッチサポート、パッチポリシーの通知およびキャンセルオプション)と、古いパッチバンドルをクリーンアップするための設定オプションが追加されています。

3.2.1 パフォーマンスの改善

パフォーマンスの改善には、応答の事前計算によるサーバ性能の高速化や、脆弱性検出の強化によるクライアント性能の高速化が含まれます。

応答の事前計算

特定のパッチポリシー内のパッチの数が、かなりの量に増えると、すべての管理対象デバイスからのオンデマンドのパッチポリシー計算要求に応える必要が出てくるため、ZENworksサーバへの負荷が高くなります。これは結果的に、ZENworksサーバと管理対象デバイスの間の応答時間の増大につながります。

これらの問題に対処するために、パッチポリシーが事前計算されるようになりました。これにより、オンデマンドの計算要求の必要性がなくなります。これらの事前計算された応答は圧縮され、データベースに保存されます。これにより、ZENworksサーバから管理対象デバイスに転送されるデータのサイズが削減され、その結果、管理対象デバイスにパッチを適用するZENworksサーバの機能が向上します。

この機能の恩恵を得るには、管理対象デバイスにもこの更新を適用する必要があります。

脆弱性検出の強化

見えないところでパッチ検出の速度を向上させる機能が強化されたことにより、パッチ検出がより速く完了するようになりました。

3.2.2 SLES 12のサポート

このリリースでは、SUSE Linux Enterprise Server 12用のパッチサポートが追加されています。これらのエンドポイントにパッチを適用するには、YaSTを使用してエンドポイントを登録し、SUSEカスタマーセンターに登録してから、カスタマーセンターの資格情報をサブスクリプションサービス設定に追加します。

3.2.3 パッチポリシーの通知およびキャンセルオプション

パッチポリシーの展開を設定する際、新しいパッチポリシーがワークステーションに適用されていることをユーザに通知するように、展開を設定できるようになりました。さらに、ユーザがポリシーの適用をキャンセルできるように、パッチポリシーを設定することもできます。

3.2.4 キャッシュされたパッチバンドルのクリーンアップ

ZENworksのパッチ管理に、以前の展開に対する古いパッチを自動的に削除するオプションが備わりました。この機能を使用すると、キャッシュされたパッチによって、サーバ上で過度のディスクスペースが消費されないようにすることができます。

3.2.5 新しいパッチのレポート

ZENworks 11 SP4 update 2ではパッチ管理用の5つの新しいレポートが利用可能です。

  • DAUステータス: 管理ゾーン内のエージェントでDiscover Applicable Updates (DAU)タスクが実行されて以降の日数を示す円グラフが含まれます(7日を超えるものおよび1-3日のもの)。

  • デバイスステータス: 次のステータスインジケータについてデバイス名別に日時スタンプを示します: 前回の連絡日、前回の完全更新、前回のインベントリスキャン、および前回のDAU。

  • 全体的なパッチの割合: デバイスの総数(パッチが適用されたものと適用されていないもの)およびそれらの個別の割合を一覧表示します。この割合は円グラフにも反映されます。

  • フォルダ別のパッチの割合: 各フォルダ内のパッチが適用されたデバイスと適用されていないデバイスの数、およびパッチが適用されていないデバイスの割合を表示します。

  • デバイス別の未適用のパッチ: 管理ゾーン内の各デバイスに対する表を示します。この表には、未適用のパッチが、パッチ名、リリース日、影響、ベンダーを含めて表示されます。

メモ:ZENworks 11.4.2を更新またはインストールした後、新しいレポートにアクセスできるようにZENworks Reporting Applianceを設定する必要があります。『ZENworks Reporting Appliance 5.6.1展開および管理リファレンス』の「Reconfiguring ZENworks Reporting」を参照してください。