仮想CDの作成

このツールを使用すると、リムーバブルメディア(CD、Jazドライブ、Zipドライブなど)に追加できる、アプリケーションのキャッシュを作成することができます。リムーバブルメディアは、アプリケーションのインストールと実行に必要なアプリケーションオブジェクト設定とアプリケーションソースファイルを含む、2番目のワークステーションキャッシュとして機能します。Application Launcherがインストールされているワークステーションを使用するユーザは、このメディアを使用してアプリケーションをインストールおよび実行することができます。

たとえば、ネットワークに接続することがまれなモバイルユーザが存在し、他のユーザに配布したアプリケーションをそのユーザが必要とする場合を考えてください。このアプリケーションをCDに焼き付けて、該当ユーザのもとに送付します。CDをワークステーションのドライブに挿入すると、Application LauncherはCDを読み込んで、設定した場所(Application Launcherウィンドウ、[スタート]メニュー、デスクトップなど)にアプリケーションオブジェクトのアイコンを表示します。ユーザがアプリケーションを起動すると、アプリケーションオブジェクトの環境設定に従って、アプリケーションがワークステーションに配布されます。

アプリケーションに依存先アプリケーションがある場合(高度な配布:アプリケーションの依存関係とチェーンの設定を参照)、依存先アプリケーションがユーザのワークステーションにすでに配布されていない限り、依存先アプリケーションをリムーバブルメディアに含める必要があります。

リムーバブルメディアにキャッシュを作成するには

  1. ConsoleOneで、[ツール]メニュー>[ZENworksユーティリティ]>[Application Launcherツール]>[仮想CDの作成]の順にクリックし、CD作成ウィザードを起動します。次のページが表示されます。


    CD作成ウィザード:[関連付け]ページ
  2. [追加]をクリックし、配布するアプリケーションのアプリケーションオブジェクトを参照して選択します。この手順を繰り返してアプリケーションを追加します。

    MSIアプリケーションを追加する場合は、MSIソースディレクトリにMSIパッケージファイルとサブディレクトリのみが含まれていることを確認します。CD作成ウィザードでは、ソースディレクトリにあるすべてのファイルとサブディレクトリが含められるため、Application Launcherは、ファイルまたはサブディレクトリがMSIパッケージの一部であるかどうかに関わらず、すべてのファイルとサブディレクトリをインストールします。ソースディレクトリは、アプリケーションオブジェクトの[マクロ]ページ([共通]タブ)で、SOURCE_PATH変数によって指定されます。

  3. リストに追加するアプリケーションごとに、アプリケーションオブジェクトのアイコンを表示する場所を選択し、アプリケーションの強制実行および強制キャッシュを行うかどうかを選択します。次に、これらの設定について説明します。

    [強制実行]: Force Run iconアプリケーションを自動的に実行します。ユーザに関連付けられたアプリケーションの場合には、Novell Application Launcherが起動または更新するとすぐに実行されます。ワークステーションに関連付けられたアプリケーションの場合、そのワークステーションの起動(最初の起動または再起動)直後、またはNAL Workstation Helperの更新後にアプリケーションが実行されます。

    [強制実行]オプションをその他の設定と組み合わせて使用すると、独自の動作を設定することができます。たとえば、[強制実行]を[アプリケーションを一度だけ実行]オプション(アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ>[アプリケーション]ページ)と併用すると、アプリケーションオブジェクトは、配布された時点で一度だけ実行され、その後でワークステーションから削除されます。または、アプリケーションオブジェクトを、あらかじめ指定した時間になったらすぐに1回だけ実行するとします。この場合、[強制実行]を選択し、[アプリケーション]ページの[アプリケーションを一度だけ実行]オプション(アプリケーションオブジェクト>[実行オプション]タブ)を選択して、[スケジュール]ページ(アプリケーションオブジェクト>[可用性]タブ)を使用してスケジュールを定義します。

    [NAL]: App Launcher iconアプリケーションオブジェクトのアイコンをApplication Window、Application Explorerウィンドウ、およびApplication Browserウィンドウに追加します。

    [スタートメニュー]: Start Menu icon Application Explorer (実行している場合)で、アプリケーションオブジェクトをWindowsの[スタート]メニューに追加します。

    デスクトップ: Desktop icon Application Explorer (実行している場合)で、アプリケーションオブジェクトのアイコンをWindowsのデスクトップに表示します。

    [システムトレイ]: System Tray icon Application Explorer (実行している場合)で、アプリケーションオブジェクトのアイコンをWindowsのシステムトレイに表示します。

    [クイック起動]: Quick Launch icon Application Explorer (実行している場合)で、アプリケーションオブジェクトのアイコンをWindowsの[クイック起動]バーに表示します。

    [強制キャッシュ]: Force Cache iconこのオプションは、アプリケーションオブジェクトが切断可能として指定されている場合に限り(アプリケーションオブジェクト>[識別]タブ>[アイコン]ページ)、適用されます。[強制キャッシュ]を有効にした場合、アプリケーションを初めて起動したときに、Application Launcherがアプリケーションソースファイルとインストールに必要なその他のファイルをワークステーションのキャッシュディレクトリにコピーします。これにより、ユーザは、eDirectoryから切断されている間にアプリケーションをインストールまたは検証することができます。ファイルは、ワークステーションのローカルドライブの容量を節約するために圧縮されます。

    ここで説明したリムーバブルメディアのアプリケーションに対する[強制キャッシュ]による動作は、ネットワーク(eDirectory)アプリケーションに対する動作とは異なります。ネットワークアプリケーションの場合、Application Launcherはアプリケーションがまだ起動していなくても、認識したアプリケーションを直ちにキャッシュに入れます。リムーバブルメディアアプリケーションの場合、Application Launcherはアプリケーションがはじめて起動されるまで、アプリケーションをキャッシュに入れません。これにより、ユーザはApplication Launcherが最初にリムーバブルメディアを読み込むときに、複数のアプリケーションのキャッシュ処理が終わるまで待たなくても済みます。

    注:  仮想CDを使用して配布するアプリケーションを収めるコンテナの名前には、アスタリスク文字(*)を使用しないでください。Windowsではファイル名でアスタリスク文字を使用することがサポートされていないため、アスタリスクがアンダースコア(_)に変更されます。その結果、強制キャッシュからエラー(D018)が返されます。

  4. アプリケーションを追加し終えたら、[次へ]をクリックして次のページを表示します。


    CD作成ウィザード:[ディレクトリ選択]ページ
  5. 次の各フィールドに情報を入力します。

    [仮想CDのディレクトリを選択してください]: アプリケーションキャッシュを作成する場所を選択します。選択した場所にキャッシュのための十分なディスク容量が存在することを確認します。十分なディスク容量が存在しない場合は、エラーが発生したことを通知するメッセージが表示されます。

    このディレクトリへのパスを指定することもできます。ネットワークディレクトリへのパスを指定する場合は、UNCパスではなく、マップされたドライブパスを使用する必要があります。UNCパスはサポートされていません。

    [CDを取り外してから、関連付けが解除されるまでの時間]: CDまたはその他のメディアをワークステーションから取り外した後、ユーザが引き続きアプリケーションを使用できる時間を制限する場合、このオプションを選択した後、関連付けを解除するまでの日数を選択します。

    この時間は、CD (またはリムーバブルメディア)がユーザのワークステーションから取り外された時点から計時されます。デフォルトは30日間です。有効な範囲は、0日から65535日までです。「0」を入力した場合、CD (またはリムーバブルメディア)を取り外した後、Application Launcherがはじめて更新されたときに、アプリケーションの関連付けが解除されます。

    関連付けが解除されると、Application Launcherは、アプリケーションのアイコンとアプリケーションファイルをワークステーションから削除します。

    [CD自動実行ファイルを作成する]: このオプションを選択すると、autorun.infファイルが作成されます。autorun.infファイルは、仮想CDに含まれているアプリケーションオブジェクトが直ちに表示されるよう、Application Launcherの更新を開始します。ユーザのワークステーションがCDを自動的に実行するように設定されていない場合、または別の種類のメディアを使用した場合は、ユーザが手作業でApplication Launcherを更新する必要があります。この作業は、Application Launcherのアイコンを右クリックし、[リフレッシュ]をクリックすることにより行います。

    ZENworks 6.5では、autorun.exeファイルがApplication Launcherの更新を開始するために使用する方法が、旧バージョンと異なります。このため、ZENworks 6.5のApplication Launcherは、旧バージョンで作成した仮想CDの自動更新を実行しません。同様に、ZENworks 6.5より古いバージョンのApplication Launcherは、ZENworks 6.5で作成した仮想CDの自動更新を実行しません。自動更新は行われませんが、ユーザは、CDを挿入して手動でApplication Launcherの更新を行うことにより、CDを読み込むことができます。

  6. [次へ]をクリックし、設定を確認したうえで、[終了]をクリックしてキャッシュを作成します。

  7. 必要な場合は、キャッシュをリムーバブルメディアにコピーします(たとえば、CDに焼き付けるなど)。

注:  CD作成ソフトウェアの中には、ファイル名の先頭にピリオドを使用できないものがあります。仮想CDを作成する際には、アプリケーションディレクトリファイルパスの名前の先頭にピリオドを付けて仮想CDが作成されます。使用しているCD作成ソフトウェアでファイル名の先頭にピリオドを付けられず、ピリオドをアンダースコアなど他の文字に変換した場合、その仮想CDを使用できなくなります。

現在、ZENworksではK3B CD作成ソフトウェアを使用した仮想CDの作成はサポートしておりません。