次の表では、TCP/IPプロトコルスイートについて説明します。
| TCP/IPプロトコル | 説明 |
|---|---|
ARP |
Address Resolution Protocol。ホストが別のホストのハードウェアアドレスを調べるために使用するプロトコル。TCP/IPシステムには、IPアドレスをインターネットワーク上のホストとルータのハードウェアアドレスにマップするテーブルが含まれています。このテーブルは、IPアドレスをイーサネットアドレスに変換するホストテーブルと同じように機能します。ただし、ホストテーブルとは異なり、通常、ユーザやネットワーク管理者はARPテーブルを管理しません。ARPプロトコルは、必要に応じて、このテーブルにエントリを作成します。 送信先のハードウェアアドレスがステーションのARPテーブル内に見つからない場合、ネットワーク上の各ホストにこのアドレスを要求するブロードキャストが送信されます。そのホストが稼動しており、ARPプロトコルをサポートしている場合、ステーションからブロードキャストを受信したホストは、ステーションにハードウェアアドレスを送信することによって応答します。このアドレスが、ステーションのARPテーブルに追加されます。 |
IMAP |
IMAPはInternet Message Access Protocolを意味します。このプロトコルは、メールサーバ(共有されている場合もある)に保存されている電子メールまたは電子掲示板のメッセージにアクセスするための方法です。このプロトコルによって、電子メールの「クライアント」プログラムは、ローカルの場合と同様にリモートメッセージストアにアクセスできます。 |
BOOTP |
BootStrap Protocol。このプロトコルによって、ディスクレスワークステーションでは、RARP (Reverse Address Resolution Protocol)を使用せずに、IPアドレスおよびその他の情報を設定できます。 |
DHCP |
Dynamic Host Configuration Protocol。このプロトコルは、ホストに設定パラメータを提供し、動的に割り当てられたIPアドレスをリースし、BOOTPの拡張として機能します。 |
DNS |
Domain Name System。インターネット上で使用される分散ネーミングサービス。コンピュータのドメイン名が存在する場合、DNSはコンピュータのIPアドレスを提供します。 |
FTP |
File Transfer Protocol。ファイル転送をサポートするTCP/IPのアプリケーション層のプロトコル。 |
HTTP |
Hypertext Transfer Protocol。WebブラウザとWebサーバが互いに通信するために使用するアプリケーション層のプロトコル。 |
ICMP |
Internet Control Message Protocol。IPと連携して、ルーティングの効率性やエラーの情報を提供するプロトコル。ICMPはTCP/IPプロトコルスイートの一部です。IPは接続レスであるため、インターネットワークの異常な状態を検出できません。ICMPはIPと連携し、TCPや他の上位層のプロトコルにこの情報を提供します。 |
IGMP |
Internet Group Management Protocol。IPホストがマルチキャストグループメンバーシップをルータにレポートするために使用するプロトコル。このプロトコルは、メンバーシップをルータに照会する場合や、グループメンバーシップに関するレポートを生成する場合にも使用されます。グループメンバーシップが終了した場合は、このプロトコルを使用して迅速にレポートすることができます。 |
IP |
Internet Protocol。インターネットワークでトランスポート層のパケット(トランスポートプロトコルデータユニットまたはTPDUとも呼ばれる)の接続レス、非保証の配信を行うプロトコル。IPはTCP/IPプロトコルスイートの一部です。 IPは、必要に応じて、TPDUをさらに小さい単位に分割し、中間ステーション(通常はルータ)または送信先ホストで再構築します。 各TPDUまたは分割されたデータにはIPヘッダが付けられ、下位層のプロトコルによってパケットとして送信されます。IPは、一度に1ホップずつ、インターネットワークを通じてデータグラムを移動します。TPDUの断片が順序に関係なく送信先に到着した場合は、送信先ではIPによって断片が正しい順序で再構築されます。 |
LDAP |
Lightweight Directory Access Protocol。このプロトコルは、DAP (Directory Access Protocol)のリソースの要件を満たしていない場合でも、x.500ディレクトリへのアクセスを提供します。LDAPは、特に、x.500ディレクトリに対する読み書き操作のアクセスを実現する単純な管理アプリケーションやブラウザアプリケーションを対象としており、DAP自体を補完することを目的としています。 |
NFS |
NFS (Network File System)プロトコルは、ネットワーク上の共有ファイルへの透過的なリモートアクセスを実現します。NFSプロトコルは、異なるコンピュータ、オペレーティングシステム、ネットワークアーキテクチャ、および転送プロトコル間で移植できるように設計されています。この移植性は、XDR (eXternal Data Representation)上で構築されたRPC (Remote Procedure Call)プリミティブを使用することによって実現されています。 |
NTP |
Network Time Protocol。分散タイムサーバとクライアントのセット間で、時間の計測を同期するために使用されるプロトコル。このプロトコルは、サーバからクライアントに階層化された方法で時間の情報を伝えるために使用されます。クロックを相互に確認したり、機器や伝達の障害によるエラーを制御するためにも使用されます。 |
NWIP |
Novell NetWare/IP。Novell NetWareネットワークで、IPXトランスポートサブシステムを全面的または部分的に、業界標準のTCP/IPサブシステムに置き換えることができるようにします。このテクノロジの中心的なコンポーネントは次のとおりです。
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OSPF |
Open Shortest Path First。内部ゲートウェイプロトコルアルゴリズムであり、インターネットの標準として提案されている、TCP/IPプロトコルスイート内のプロトコル。OSPFには、最小コストルーティング、マルチパスルーティング、負荷分散、および効率的な帯域幅の使用が組み込まれています。 |
POP3 |
Post Office Protocol 3。中央メールボックスサーバを操作するために使用されるプロトコル。このプロトコルは、電子メールを受信するために使用されるクライアント/サーバプロトコルです。このプロトコルでは、電子メールメッセージをインターネットサーバに保持します。定期的に、このサーバからメッセージをダウンロードできます。 |
RARP |
Reverse Address Resolution Protocol。ハードウェアアドレスに基づいてソフトウェアアドレスを特定するために使用される、TCP/IPプロトコルスイートのプロトコル。このプロトコルは、通常、ディスクレスワークステーションの起動時に使用されます。 |
RIP |
Routing Information Protocol。ルーティングテーブルの更新処理を自動化する、Novell NetWareプロトコルスイートのプロトコル。ルーティングは、独立したネットワーク間でネットワークパケットを移動する処理です。RIPを使用することによって、あるルータがそのルートの変更を認識したときに、隣接するルータにこの情報をブロードキャストし、隣接するルータがルーティングテーブルを更新できるようにします。RIPによって、ネットワークコンポーネント(ルータや電話回線)に障害が発生した場合、他のネットワークコンポーネントは相互に代替ルートを通知できます。障害の発生したコンポーネントが修復されると、ネットワークは元の状態に戻ります。 |
SSL |
SSLはオープンで一般的なプロトコルです。SSLは、インターネット上のWorld Wide Webブラウザおよびサーバの標準的なセキュリティのアプローチとしての検討事項として、W3 Consortium (W3C)のワーキンググループに提出されました。 |
SLP |
Service Location Protocol。このプロトコルは、ネットワークサービスの発見と選択についてスケーラブルなフレームワークを提供します。このプロトコルを使用することによって、インターネットを利用するコンピュータで、ネットワークベースのアプリケーションと同じ数のネットワークサービスの静的な設定を保持する必要がなくなります。 |
SMTP |
Simple Mail Transfer Protocol。電子メールクライアントとサーバが電子メールメッセージを相互に交換するために使用するアプリケーション層のプロトコル。 |
SNMP |
Simple Network Management Protocol。SNMP Managerと呼ばれる単一のネットワーク管理ステーションからネットワークを監視できるようにする、TCP/IPプロトコルスイートのプロトコル。SNMP Managerから、SNMP Agentと呼ばれる別のネットワークデバイスに照会することができます。SNMP Agentは、TCP/IPホスト、ルータ、ターミナルサーバ、または別のSNMP Managerである場合があります。 SNMP Agentに要求できる情報は、そのTCP/IPホストのMIBに格納されています。RFC 1066 (インターネット標準MIB)で、SNMP Agent MIBに格納できるオブジェクトの種類が定義されています。このようなオブジェクトには、ネットワークやハードウェアのアドレス、カウンタ、統計情報、およびルーティングテーブルやAddress Resolution Protocolテーブルが含まれます。ベンダによって、MIBですべてのデータタイプをサポートしていない場合や、RFCで定義されていないその他の情報を含めている場合があります。 |
TCP |
Transmission Control Protocol。このプライマリインターネットトランスポートプロトコルは、上位層のプロトコルから任意の長さのメッセージを受け取り、全二重、確認応答あり、接続指向、フロー制御ありの転送を提供します。 |
TELNET |
文字指向のターミナルトラフィックを制御するTCP/IPスイートのプロトコル。 |
TFTP |
Trivial File Transfer Protocol。ソフトウェアのダウンロードで一般的に使用されるTCP/IPプロトコル。 |
UDP |
User Datagram Protocol。接続レス、非保証のトランスポートサービスを提供する、TCPに類似したプロトコル。UDPは、上位層のプロトコルからデータグラムを受け取って転送します。接続の確立および削除、データフローの制御、およびその他のTCP機能の負荷がないので、通常、UDPはTCPよりも高速なデータ経路を提供します。このような理由と、実装が容易であることから、上位層の多くのプロトコルで転送方法として使用されます。 |