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SUSE Linux Enterprise Real Time Extension 10

技術仕様

システム要件

SUSE® Linux Enterprise Real Timeはシングルプロセッサのシステムでも実行できますが、マルチプロセッサシステムで最大の効果を発揮します。最低システム要件および推奨システム要件は、次のとおりです。

最低システム要件

  • 512MBの物理RAM
  • 5GBの空きディスク容量

推奨システム要件

  • マルチコア/マルチプロセッサシステム
  • 1GBの物理RAM
  • 10GBの空きディスク容量

サポートされるプロセッサ

  • x86
  • AMD64
  • Intel EM64T

SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionは拡張機能のため、SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionをインストールする前にSUSE Linux Enterprise Serverをインストールしておく必要があります。

最低ソフトウェア要件
  • SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2

技術的特長

SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionは、2.6.22 Linuxカーネルをベースにしており、オープンソースコミュニティの最新リアルタイムパッチセットであるpreempt_RT(スリープ中のスピンロック、スレッド実行割り込み、および優先度の継承で強制排除が可能なパッチセット)を搭載しています。また、CPUシールド機能、リソース割り当て機能、高分解能タイマをサポートしています。Service Pack 2では、さらにアダプティブロックとPrecise Timing Protocolをサポートしており、OpenFabrics Allianceから入手可能な最新のオープンソースRDMAソフトウェアスタックであるOpenFabrics Enterprise Distribution(OFED)1.3を搭載しています。Service Pack 2の提供により、ノベルはOFED 1.3ユーザをサポートする初のLinuxディストリビュータとなりました。

スリープ中のスピンロック: SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionには、汎用Linux OSカーネルのこれまで割り込み不可能であったセクションへの割り込み、つまり強制排除を可能にする変更が複数含まれています。割り込み不可能なOSプロセスが、優先度の高いプロセスに割り込んだり、その開始を妨げたりする可能性を排除できれば、レイテンシを最小限に抑えることができ、レスポンスタイムを予測しやすくなります。具体的な変更点の1つが、スリープ中のスピンロックです。スピンロックは、システムリソースへの同期されたアクセスを保証するメカニズムです。実行スレッドが「スピン」してCPUリソースを使用すると同時に、スレッドを完了させるために、定期的にロックをチェックして解放されるのを待ちます。SLERTのスピンロックは、スリープ、つまり休止状態にできるよう変更されているので、優先度の高いプロセスを実行するために、保持しているリソースを解放することができます。

スレッド実行割り込み: SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionカーネルの強制排除機能を高めるもう1つの変更点が、カーネル実行割り込みスレッドです。割り込みはハードウェア(ハード割り込み)またはソフトウェア(ソフト割り込み)によって開始されるプロセスで、開始されるとLinuxカーネルをプロセスモードから割り込みモードに切り替えます。汎用OSにおいて割り込みモードで動作するプロセスは、強制排除できません。SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionでは、割り込みがカーネルスレッドによりバインドまたはカプセル化されており、カーネルスレッド(割り込みが可能)により、ユーザが定義した優先度の高いプロセスでのハード割り込みまたはソフト割り込みの強制排除が可能です。

優先度の継承: 優先度の継承とは、優先度の高いプロセスがタスクを完了するには、優先度の低いプロセスを終了する必要がある場合に、優先度の低いプロセスが高い優先度を引き継ぐ機能を指します。SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionでは、優先度の高いプロセスにより開始されたカーネルサービスは、必要なセマフォを保持している優先度の低いプロセスにより開始されたカーネルサービスが低い優先度のまま進行する間、無期限に待機することはありません。セマフォが解放されるまで、優先度の低いプロセスの優先度が高められます。つまり、優先度の低いプロセスが優先度の高いプロセスの優先度を継承します。また、SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionには、優先度の継承をユーザ領域に拡張する代替glibcが用意されています。代替glibcを使用するアプリケーションは、優先度の継承をPOSIXミューテックスに適用するよう要求できます。

CPUシールド機能と割り当て: SUSE Linux Enterprise Real Time Extensionでは、CPUへのプロセスおよびスレッドの割り当てを完全に制御できます。リアルタイム要件を持つプロセスは、専用CPUまたはコアにおいて排他的に実行するように指定することができます。リアルタイムのタスクを実行しているCPUは、優先度の高いプロセスで常にリソースが利用できるように、明示的に割り当てられていない他のプロセスから完全に保護することができます。また、システム負荷の増大による影響を最小限に抑えて、信頼性と予測可能性を改善できます。

高分解能タイマ: 低分解能(40ミリ秒)POSIXタイマカーネルサービスが、約2マイクロ秒の新しい分解能に置き換えられました。これにより、システムが割り込み、システム呼び出し、カーネルデーモン、ユーザアプリケーションの処理に要する時間は、ナノ秒単位の分解能で表されます。

Service Pack 2の追加機能

アダプティブロック: SUSE Linux Enterprise Real Time Extension 10 Service Pack 2のスピンロックがさらに改良されて、OSのコンテキスト切り替え時間が短縮されたため、スループットに左右されるワークロードのパフォーマンスが大幅に向上します。カーネルロックの新アダプティブロックアルゴリズムにより、リソース競合による待機時にCPUを即時解放するのではなく、強制排除によるタスクの待機が可能になります。これにより、システムでのコンテキスト切り替え数を効果的に削減し、スループットを向上させながら、特定のアプリケーションのレイテンシを削減できます。

Precise Timing Protocol: SUSE Linux Enterprise Real Time Extension 10 Service Pack 2は、Precision Time Protocol(PTP)のバージョン1をサポートしています。これは、高速ネットワークの正確な同期を可能にする時間転送プロトコル規格です。PTPは、ナノ秒単位の精度を実現し、NTPやGPSなどの汎用OSプロトコルと比較して、時間管理とプロセス計算の精度を大幅に改善します。

OFED 1.3: SUSE Linux Enterprise Real Time Extension 10 Service Pack 2には、OpenFabrics Allianceから入手可能な最新のオープンソースRDMAソフトウェアスタックであるOpenFabrics Enterprise Distribution(OFED)1.3が含まれているため、InfiniBandと10ギガビットイーサネットに基づいた統合高速相互接続の実装が可能です。Service Pack 2の提供により、ノベルはOFED 1.3ユーザをサポートする初のLinuxディストリビュータとなりました。

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