インターネットメールサーバの簡易構築ガイド

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問題点

他のプロダクトの評価でメールサーバが必要になってくる場合に、SLESサーバで簡易メールサーバを構築する手順について説明します。
プロダクション環境で使用する場合は、オープンリレーなどにも十分注意する必要があります。
本技術文書では、プロダクション環境でのメールサーバ構築については考慮していません。

ここでは、SLESサーバ host123.yourdomain.com (192.168.0.123)にて、xxxx@yourdomain.com宛てのインターネットメールを受信するための設定を例に説明します。

まず、メールの送受信に関連するサーバモジュールをインストールする必要があります。
次のようなパッケージがメールの送受信に使用されます。
‐postfix: メールを受信および配信します。
‐cyrus-imapd: メールボックスをサービスし、メーラからアクセスできるようにします。
‐cyrus-sasl-saslauthd: Cyrus IMAPサーバが認証メカニズムとして使用します。

通常、postfixおよびcyrus-sasl-saslauthdパッケージはインストールされています。
次のコマンドで、パッケージがインストールされていることを確認できます。
# rpm -q postfix cyrus-sasl-saslauthd
postfix-x.x.x-xx.x
cyrus-sasl-saslauthd-x.x.xx-xx.x
インストールされていない場合は、インストールしてください。

通常インストールされていないcyrus-imapdパッケージを、追加インストールします。
# yast2 -i cyrus-imapd


YaSTメール設定モジュールを起動して、メールの送受信の設定を行います。
YaSTコントロールセンターの「ネットワークサービス(Network Services)」から「メッセージ転送機能体(Mail Transfer Agent)」を起動します。
または、次のコマンドラインで起動します。
# yast2 mail

「一般的な設定」画面では、「次へ」をクリックし、スキップします。

「送信メール」画面で「マスカレード」をクリックし、次のように設定します。
‐「差出人」ヘッダのドメイン: yourdomain.com
‐ローカルに配信されるメールのドメイン名: yourdomain.com

「受信メール」画面では、次のような設定を行います。
ローカル(127.0.0.1)からではなく、192.168.0.123という自身のネットワークアドレスへのSMTP接続を許可するために、「リモートのSMTP接続を許可する」にチェックを付けます。
ファイアウォールを設定していた場合には、リモートSMTPポートにアクセスできるようにポートを開きます。
「配信モード」は、「Cyrus IMAPサーバ向け配信」を選択します。

「完了」をクリックすると、設定を終え、YaSTメール設定モジュールが終了します。
この時点でPostfixは指定した新しい設定が反映され動作している状態になっています。

Cyrus saslauthdサービスおよびCyrus IMAPサービスはインストールされていますが、通常自動起動しない状態になっています。
# chkconfig -l saslauthd
saslauthd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off
# rcsaslauthd status
Checking for service saslauthd: unused
# chkconfig -l cyrus
cyrus 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off
# rccyrus status
Checking for service IMAP/POP3 (cyrus-imapd): unused

自動起動する設定にします。
# chkconfig -s saslauthd on
# chkconfig -s cyrus on
OSを再起動せずに、このままメールサービスを起動して利用することもできます。
次のコマンドで、サービスを直接起動します。
# rcsaslauthd start
# rccyrus start

以上で、Linux OSアカウントのユーザがインターネットメールを送受信できるようになっています。
(メールのアカウントは、saslauthdのデフォルト設定でPAMを利用するようになっており、/etc/pam.d/imapにて設定されています。)

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