SLES/SLED 10 SP1へ更新する方法
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環境
Novell SUSE Linux Enterprise Server 10
Novell SUSE Linux Enterprise Server 9
Novell SUSE Linux Enterprise Desktop 10
Novell Linux Desktop 9
問題の状況
上記の製品バージョンの1つをSLES/SLED 10 Service Pack 1に更新する必要があります。
解決策
以前のSLE 9 Service Packとは異なり、SLE 10 SP1は完全な製品です。したがって、システムをアップデートする多数の方法があります。
重要な注記: どの方法を使用した場合も、アップデートが完了したら、/var/adm/rpmconfigcheckファイルのコンテンツを調べてください。このファイルには、自動的に更新できない環境設定ファイルのリストが含まれています。これらのファイルをチェックし、環境設定を手動で調整する必要があります。
SLES 9のアップデート手順
SLES 9システムをアップデートするには、SLE 10 SP1メディアからブートする方法しかありません。以降の個々のセクションを参照してください。
NLD 9のアップデート手順
まず、SLED10-GAにアップデートしてから、SP1にアップデートします。テスト済みの方法は、これだけです。
SLES 10およびSLED 10のアップデート手順
SUSE Linux Enterprise 10 システムからSP1への更新には、複数の方法がサポートされています。オンライン更新ツールでパッチをダウンロードするか、SP1インストールメディアを使用するのいずれかで、SP1へ更新できます。
パッチをダウンロードしてSP1をインストールする場合は、次のツールがサポートされています。
- 1) YOU (YaST Online Update)
- 2) zen-updater
- 3) rug
これらの代替としては、フルSP1メディア(CDまたはDVD ISOイメージ)をダウンロードし、次の手順の1つを使用する方法があります。これは、特に、ネットワークアクセスのない環境で有用です。
- 4) SLES/SLED 10 SP1メディアからブートする
- 5) [Patch CD update(修正CDによる更新)]を使用する
パッチによるSP1の更新
注意:この更新プロセスは、最初の手順から再起動まで完全に実行する必要があります。変更を元に戻す自動的な方法はありません。さらに、サーバは、更新プロセス全体に渡ってオンラインで接続されている必要があります。前提条件: システムが登録済みであることを確認する必要があります。これをまだしていない場合は、YaSTで"Novell Customer Center Configuration"モジュールを使用するか、suse_registerコマンドラインツールを使用できます。これにより、システムに更新ソースが追加されます。この時点までにすべての利用可能なアップデートがインストールされていることを確認するようにお勧めします。ただし、これは必須ではありません。
1) YaST Online Updateで更新する
- YaSTコントロールセンターからオンラインアップデートモジュールを起動します。
- オプションのパッチ「Update to SUSE Linux Enterprise Server/Desktop Service Pack 1」(move-to-sles10-sp1またはmove-to-sled10-sp2)を選択します。同時に他のパッチも選択しないようにしてください。
- YaSTコントロールセンターからオンラインアップデートモジュールを起動します。
- まず、「YOU update for YaST2」という名前のパッチだけを選択します。(このパッチだけが事前選択されています)。
- 次に、他のすべてのパッケージをアップデートします。これらのアップデート後、システムはSP1レベルになります。
- 再起動します。
2) zen-updaterで更新する
- システムトレイからzen-updaterを起動します。
- 「move-to-sles10-sp1」パッチを選択します。同時に他のパッチも選択しないようにしてください。
- [アップデート]ボタンを押します。
- 成功のメッセージが出るまで待機します。
- 小さなポップアップが表示され、アップデートサーバがnu.novell.comに変わったことを知らせます。
- その後、ルートパスワードの入力を促すポップアップが表示されます。
- メンテナンススタックアップデートのインストール後、パッチの選択用ウィンドウが表示されます。
- 必要なパッチを選択または選択解除し、[了解]を押します。
- アップデートが完了したら、システムを再起動します。
3) rugで更新する
- (デスクトップでzen-updaterが開いている場合は、rugによるアップデートを開始する前にアップデータを終了してください。単にzen-updaterウィンドウを閉じるだけでは十分でありません。詳細な背景情報については、「TID 3864473」を参照してください)。
- ルートシェルを開きます。
- 「rug in -y -t patch switch-update-server」を実行します。同時に他のパッチも選択しないようにしてください。
- 「/usr/bin/switch-update-server」を実行します。
- アップデートサーバがnu.novell.comになっていることを確認します(rug slを呼び出して確認)。
- 「rug sub SLES10-Updates」(または「rug sub SLED10-Updates」)を実行します。
- 「rug in -y -t patch move-to-sles10-sp1」(または「rug in -y -t patch move-to-sled10-sp1」)を実行します。
- 「rug refresh」を実行します。
- 「rug sub SLES10-SP1-Online」(または「rug sub SLED10-SP1-Online」)を実行します。
- 「rug in -y -t patch slesp1o-liby2util-devel」(または「rug in -y -t patch sledp1o-liby2util-devel」)を実行します。
- 「rczmd restart」を実行します。
- 「rug up」を実行します(スクリプトによる自動更新の場合は、「rug up -y --agree-to-third-party-licences」を使用できます)。
- 「rug in -y -t patch product-sles10-sp1」(または「rug in -y -t patch product-sled10-sp1」)を実行して、アップデートスタックパッチをインストールします。
- 再起動します。
技術背景
一般技術背景として、YaST Online Update、zen-updater、またはrugによる更新手順を以降で解説します。
- 手動によるSP1への移行を可能にするパッチをインストールする必要があります。このパッチは、製品によって、「move-to-sles10-sp1」または「move-to-sle s10-sp1」と呼ばれています。
- このパッチにより、2つの追加パッケージ(アップデート済みのsuseRegisterパッケージおよびswitch-update-serverパッケージ)がインストールされます。
- 「switch-update-server」スクリプトによって、アップデートソースがupdate.novell.comのNUサービスからnu.novell.comのNUサービスに移行します。
- SP1-Migration製品がインストールされます。
- 「suse_register」が呼び出され、SLES10-SP1-OnlineカタログまたはSLED10-SP1-Onlineカタログを追加します。さらに、SLEDの場合は、サードパーティーベンダのパッケージ(ATI、NVIDIAなど)が追加されます。SDK(SuSE Development Kit)がインストールされている場合は、SDKのアップデート用のカタログ(SLE10-SDK-SP1-Onlineカタログ)も追加されます。これにより、SDKも、SP1レベルにアップデートされます。
- オンラインツールでは、現在、システムをSP1に移行するパッチをフルセット提供しています。
- patch-liby2util-devel-*パッチをインストールすると、まず、パッケージマネージャスタックが更新されます。
- 次に、SP1機能レベルをインストールするためのパッチがすべてインストールされます(これには、新しいカーネルと、製品情報をSLES10-SP1-Onlineまたは/SLED10-SP1-Onlineにアップデートするパッチも含まれます)。製品パッチは、再起動後の登録を成功させるために重要です。SP1で新たに導入されたパッケージは、オプションのパッチとして配布されます。
- マシンの再起動を促されます。再起動は自動的ではありません。
- 再起動後、「suse-register」スクリプトにより、新規登録が必要なことが検出され、バックグラウンドで登録が開始されます(ただし、ホストがNetworkManagerを使用している場合、登録は、ブート時にはスキップされ、NetworkManagerDispatcherによってトリガされます)。
- 登録には相当時間がかかることがあります。登録が終了したかどうかに関するフィードバックは表示されません。ただし、すでにメンテナンスアップデートがこの新しいSP1インストールを待機している場合は、zen-updaterがオレンジ色になります。
- この処理時に、SLES10-SP1-UpdatesまたはSLED10-SP1-Updatesのチャネルが追加されます。
- 結果として、次の3つのチャネルが登録されます。
-
- SLES10 GAインストールソース
- SLES10-SP1-OnlineチャネルまたはSLED10-SP1-Onlineチャネル。SP1への実際のアップデートに必要だったソフトウェアを含みます。
- SLES10-SP1-UpdatesチャネルまたはSLED10-SP1-Updatesチャネル。SP1のリリース後に発行されたソフトウェアアップデートを含みます。
SLES10 GAチャネルおよびSLES10-SP1-Online/SLED10-SP1-Onlineチャネルは両方とも、インストールソースとして機能します。したがって、どちらのチャネルも削除しないでください。
ローカルアップデートサーバを使用したパッチによるSP1へのアップデート
Novellアップデートサーバから1つのクライアントシステムごとに更新をダウンロードする代わりに、NovellアップデートサービスからSLE 10のパッケージアップデートをミラーリングし、それらのアップデートをローカルクライアントがアクセスできるようにすることも可能です。ローカルミラーのセットアップに使用できるパッケージは、yup(Yum Update Proxy)と呼ばれます。yupパッケージには、クライアントをService Pack 1に自動更新できるスクリプトも含まれています。
この手順とサポートステータスの詳細については、次の技術情報ドキュメントを参照してください。
http://www.novell.com/support/search.do?cmd=displayKC&docType=kc&externalId=3065146&sliceId=SAL_Public
SP1インストールメディアの使用による更新
ISOイメージをhttp://download.novell.comから取得してください。4) SLES/SLED 10 SP1メディアからのブートで更新する
CD-ROMまたはDVDから標準更新を開始するには、CD-ROMまたはDVDのドライブにこのメディアを挿入してコンピュータを再起動します。新規インストールではなく、[インストール]>[システム更新]を選択します。
4.1) SP1メディアをネットワークインストールソースとして提供する
インストールメディアをネットワーク経由で提供することも可能です。SLE 10 Service-Pack 1はフル製品です。したがって、他のSUSE LINUX Enterprise製品とまったく同様に、インストールサーバに追加できます。
インストールサーバのセットアップとサービスパックの追加の手順は、「Installation Notes for SUSE Linux Enterprise Server/Desktop 10 SP1(SUSE Linux Enterprise Server/Desktop 10 SP2のインストールノート)」に記載されています。このドキュメントは、最初のCDにあるREADMEファイルに含まれています。SLESについては、このドキュメントのセクション3.1 「Setting Up an Installation Server(インストールサーバのセットアップ)」を参照してください。SLEDについては、READMEのセクション6.2を参照してください。
さらに詳細な説明が必要な場合は、ご使用のSLES9/SLES10 GAバージョンのマニュアルを参照してください。SLES10の場合は、sles-admin.pdfファイルのセクション4.2.1「Setting Up an Installation Server Using YaST(YaSTを使用するインストールサーバのセットアップ)」を参照してください。このファイルは、最初のCD/DVD上の/docu/enディレクトリにあります。SLES9の場合、このセクションはdocu/en/manual.pdfファイルにあります。
4.1.1) 次の手順で、更新を開始します。- ブート可能なメディアでプロセスを初期化する必要があります。ネットワークまたはPXEを介したブートも可能です。すぐ適用できるPXEブートの設定例については、既出のSLES10マニュアルのセクション4.3を参照してください。
- マシンをブートし、[インストール]を選択します。
- インストールソースがSLPを介してアナウンスされた場合は、[ブートオプション]フィールドに「install=slp」を入力します(または、ご使用のプラットフォームで使用可能な場合は<F3>でインストールソースを変更します)。
- マシンのブート後、SLPを介して検出されたインストールオプションが表示されます。
- ご使用のインストールサーバでSLPが設定されていない場合は、[ブートオプション]フィールドに、手動で、IPとインストールソースへのパスを入力する必要があります。インストールソースがNFS共有として設定されている場合は、次の例を参照してください。
install=nfs://IP_ADDRESS_OF_YOUR_SERVER/PATH_TO_SP1
他のサーバタイプについては、前記のマニュアルを参照してください。
- 新規インストールではなく、[システム更新]を選択します。
4.2) YaST Online Update用ネットワークインストールソースとしてSP1メディアを提供する(SLESのみサポート。SLEDはサポートなし)
更新にYaST Online Updateを使用できるようなインストールメディアの提供方法もあります。この利点は、インストールメディアからブートする必要がないことです。代わりに、実行中のシステムから更新を行います。これにより、ダウンタイムが最小限になります。(この手順は、既出のSLES READMEのセクション 5.4にも記載されています)
前のセクションで説明したように、インストールソースを作成する必要があります。その後、さらに修正を加えます。「patches」という名前のディレクトリに移動し、「../suse」へのシンボリックリンクを作成します。
ln -s ../suse .4.2.1) 次の手順で、更新を開始します。
- 最初のメディアをマウントし(たとえば、/mntにマウント)、その下の「suse」ディレクトリに現在のディレクトリを変更します(たとえば、/mnt/suse)。
- 古いYaST2では、patchesディレクトリのrepodataを正しく解析できないので、次のrpmコマンドを実行することにより、ソフトウェアスタックを手動で更新する必要があります。
rpm -Uhv ¥
*/libzypp-2.15.*.rpm ¥
*/libzypp-zmd-backend-*.rpm ¥
*/liby2util-2.13.*.rpm ¥
*/yast2-core-2.13.*.rpm ¥
*/yast2-pkg-bindings-2.13.*.rpm ¥
*/yast2-perl-bindings-2.13.*.rpm ¥
*/yast2-qt-2.13.*.rpm ¥
*/yast2-2.13.*.rpm ¥
noarch/yast2-online-update-*.rpm ¥
*/yast2-country-2.13.*.rpm ¥
*/yast2-ncurses-2.13.*.rpm ¥
*/yast2-packager-2.13.*.rpm ¥
*/yast2-slp-2.13.*.rpm ¥
noarch/yast2-installation-2.13.*.rpm ¥
noarch/yast2-inetd-2.13.*.rpm ¥
*/zmd-*.rpm ¥
*/zypper-*.rpm ¥
*/rug-*.rpm ¥
noarch/suseRegister-1.*.rpm - suseディレクトリを出て、メディアをアンマウントします。
- zmdが実行されていることを確認します。不確かな場合は、「rczmd restart」を実行します。
- zmdがデータベースの読み取りを完了したことを確認し、「pending」ステータスがなくなるまで、「rug sl」を実行します。
- 新しいリポジトリを追加します。リポジトリをNFS共有として解放している場合は、次の手順に従います。
-
- まず、手動で、インストール共有をマウントします(たとえば、/mnt)。
- YaST2を起動し、[ソフトウェア]>[インストールソースのソースを変更]の順に選択します。
- SLES10 GAソースとSLES10-アップデートチャネルを使用不可にします。
- [追加]>[ローカルディレクトリ]の順に選択して、新しいリポジトリを追加します。重要:patchesサブディレクトリへのパスを指定する必要があります(この例では、/mnt/patches)。指定しないとYaST Online Updateは機能しません。
- [YaST]>[オンライン更新]の順に選択して、システムを更新します。
- FTPおよびHTTPのリポジトリについても、手順は同様です。
-
- 既述のとおりに、SLES10 GAソースとSLES10アップデートチャネルを[YaST Installation Source Menu]で無効にします。
- [追加]を選択し、ご使用のインストールサーバの設定によって[HTTP]または[FTP]を選択することにより、新しいリポジトリを追加します。ここでも、patchesサブディレクトリへのパスを指定する必要があります。指定しないと、YaST Online Updateは機能しません。このパスは、たとえば、次のようになります。
http://server/instsource/SLES10-SP1-i586/patches - [YaST]>[オンライン更新]の順に選択して、システムを更新します。
- 既述のとおりに、SLES10 GAソースとSLES10アップデートチャネルを[YaST Installation Source Menu]で無効にします。
5) [パッチCDによるアップデート]で更新する(SLESのみサポート。SLEDはサポートなし)
この更新方法を使用するには、物理的なCDまたはDVDドライブが必要です。CD/DVDドライブのないシステム(System zなど)の場合は、別の更新方法を使用してください。
手順は、「Installation Notes for SUSE Linux Enterprise Server 10 SP1」に記載されています。このドキュメントは、最初のCDにあるREADMEファイルに含まれています。そのセクション5.3を参照してください。
注:この更新プロセスは、リモート接続(sshなど)を介して実行しないでください。この理由は、YaSTによるアップデートパッケージのインストール時にネットワーク接続が短時間割り込まれるため、Yastが中断されるからです。
Disclaimer
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本文書に記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商品、商標または登録商標です。
- ドキュメントID: 3509359
- 作成年月日: 04-FEB-2008
- 修正年月日: 24-DEC-2008
- ドキュメントリビジョン:
- 分類:
- 対象NOVELL製品およびバージョン: SUSE Linux Enterprise Desktop, SUSE Linux Enterprise Real Time, SUSE Linux Enterprise Server
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