BIOS RAIDサポート
This document (3626577) is provided subject to the disclaimer at the end of this document.
環境
Novell SUSE Linux Enterprise Desktop 10
Novell SUSE Linux Enterprise Server 10
問題の状況
「BIOS RAID」とは何ですか? 利用可能なBIOS RAIDのサポートは何ですか?
解決策
用語
RAID
RAID - Redundant Array of Inexpensive(またはIndependent)Disksは、複数のディスクを組み合わせて1つのストレージユニットとして機能させることにより、単一ディスクよりもパフォーマンスおよび/または信頼性を向上させるストレージ技術です。RAIDの一般的な紹介は、このTIDの範囲外なので、手始めとして、Wikipediaの記事「RAID」を参照することをお勧めします。
ハードウェアRAID
ハードウェアRAIDは、特別なハードウェアとファームウェアの使用によりストレージコントローラ(「RAIDカード」)内に全体が実装されるRAID です。コントローラのBIOSは、RAIDセットアップを管理するインターフェイスを提供します。コントローラは、大半の用途で、RAIDを単一SCSIディスクと同様の単一ストレージデバイスとしてオペレーティングシステムに提示します。したがって、ストレージとしてのRAIDの通常動作は、オペレーティングシステムが汎用ドライバを使用してサポートできます。特別なドライバは、RAIDの環境設定を行ったり、アレイ内の物理ディスクを詳細に監視するためにだけ必要です。
ソフトウェアRAID
ソフトウェアRAIDは、OSドライバによって、ストレージコントローラの外部でソフトウェアとして実装されるRAIDです。そのドライバがRAIDの設定と動作を管理します。
Linuxの場合、ソフトウェアRAIDは、md(Multiple Devices)カーネルドライバによって提供され、mdadmツールの使用によって管理されます。LinuxソフトウェアRAIDでは、独自のフォーマットで、RAID設定情報(いわゆる「メタデータ」)を保存します。
BIOS RAID
BIOS RAID(「擬似ハードウェアRAID」とも呼ばれる)は、ストレージコントローラのBIOSによって、RAID設定の一部または全部が管理されるソフトウェアRAIDの形式であり、真のハードウェアRAIDではありません。BIOS RAIDが機能するためには、オペレーティングシステムレベルで特定のドライバが必要です。
BIOS RAIDは、しばしば、「偽RAID」と呼ばれることがあります。これは、BIOS RAIDがハードウェアRAIDと間違えられやすく、BIOS RAIDを提供するコントローラのベンダーが、多くの場合、BIOS RAIDがハードウェアRAIDではなく、そのRAID機能の使用には特定のOSドライバが必要なことを買い手にほとんど教えないためです。BIOS RAIDをもう少し中立的に言い表すと、「BIOS支援ソフトウェアRAID」になります。
ハードウェアRAID、ソフトウェアRAID、およびBIOS RAIDの比較
ハードウェアRAID対ソフトウェアRAID
この比較は、このTIDの範囲外です。
BIOS RAID対ハードウェアRAID
- BIOS RAIDは、通常操作に特別なドライバを必要としますが、ハードウェアRAIDにはそのようなドライバは不要です。特殊なドライバは、ブート障害などの問題の回復処理を複雑にする可能性があります。
- BIOS RAIDでは、RAID構造の保守にCPUが使用されます。ハードウェアRAIDでは、これはストレージコントローラにオフロードされ、メインCPUはRAIDの保守に関与しません。
BIOS RAID対LinuxソフトウェアRAID
- BIOS RAIDの対象は、BIOS RAIDを提供するコントローラに接続されたデバイスだけに限られます。LinuxソフトウェアRAIDでは、あらゆる種類のブロックデバイスからRAIDを構築できます。それらのデバイスとしては、それだけではRAIDを提供しないコントローラに接続されたディスクや、異なるコントローラに接続されたディスクなどがあります。
- BIOS RAIDには、コントローラに固有なドライバが必要ですが、LinuxソフトウェアRAIDは、汎用ドライバ(md)でサポートされます。
- BIOS RAIDのオンディスクレイアウトはベンダー固有です。ストレージコントローラに障害が発生した場合、RAID上のデータへのアクセスを再取得するには、同じモデルの交換用コントローラが必要となることがあります。LinuxソフトウェアRAIDでは、オンディスクレイアウトがストレージコントローラから独立しているので、LinuxソフトウェアRAID(の一部)をホストとしているストレージコントローラに障害が発生したとき、交換用コントローラを使用してデータへのアクセスを再取得する場合、交換用コントローラが欠陥のあるコントローラと同じモデルである必要はありません。
- 適切なファイルシステムを使用してBIOS RAID上に保存されたデータは、Linux + Windowsのデュアルブートシステム上でMicrosoft Windowsと容易に共有できます。
BIOS RAIDのサポート
Novell SUSE Linux Enterprise Server 10とNovell SUSE Linux Enterprise Desktop 10に組み込まれている「dmraid」パッケージ(「デバイスマッパーソフトウェアRAIDサポートツール」)は、数タイプのBIOS RAIDセットのプロパティの検出、有効化、無効化、および表示に使用できます。
- Highpoint HPT37X
- Highpoint HPT45X
- Intel Software RAID
- Promise FastTrack
- Silicon Image Medley
dmraid パッケージに添付されているREADMEファイルによれば、このソフトウェアは成熟していないので、注意して使用する必要があります。
Disclaimer
この情報は、米国Novell, Inc.およびノベル株式会社の内外から発生したものです。本文書の内容または本文書を使用した結果について、いかなる保証、表明または約束も行っていません。また、本文書の商品性、および特定目的への適合性について、いかなる黙示の保証も否認し、排除します。
本文書に記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商品、商標または登録商標です。
- ドキュメントID: 3626577
- 作成年月日: 19-SEP-2007
- 修正年月日: 24-DEC-2008
- ドキュメントリビジョン:
- 分類:
- 対象NOVELL製品およびバージョン: SUSE Linux Enterprise Desktop, SUSE Linux Enterprise Server
- カテゴリ: