Copyright © 2008 Novell, Inc.
この文書を、フリーソフトウエア財団発行の GNU フリー文書利用許諾契約書(バージョン1.2かそれ以降から一つを選択)が定める条件の下で複製、頒布、あるいは改変することを許可する。変更不可部分、表カバーテキスト、裏カバーテキストは存在しない。この利用許諾契約書の複製物はファイル fdl.txt に含まれている。
リリースノートの内容は頻繁に更新されます。インターネットの接続テストの際に最新バージョンをダウンロードするか、http://www.suse.com/relnotes/i386/openSUSE/11.0/RELEASE-NOTES.ja.html (日本語版) http://www.suse.com/relnotes/i386/openSUSE/11.0/RELEASE-NOTES.en.html (英語版) を参照してください。
このリリースノートでは、次の分野に関する情報を掲載しています。
一般: すべてのユーザを対象とした情報
更新: リファレンスガイド第5章に記されていない変更点
テクニカル: この章には上級ユーザのための技術的な変更点や改良点が多く記載されています。
スタートアップマニュアルではインストールと基本的なシステム設定についての情報が記載されています。また、リファレンスガイドではシステム設定に関する詳細が記載されています。そのほか、 GNOME や KDE についての基本的な情報はクイックスタートガイドにあります。 AppArmor についての詳細な情報は、 AppArmor 管理ガイドに書かれています。
GNOME や KDE 、もしくはその他のグラフィカルデスクトップ上で Ctrl-Alt-Backspace を 1 度だけ押しても X サーバが終了しないようになりました。 2 秒以内に再度 Ctrl-Alt-Backspace を押すことで X サーバを終了させることができます。多くのハードウエアでは、 1 回目の Ctrl-Alt-Backspace でビープ音が発せられます。
以前はこのキーの組み合わせで X サーバを誤って終了させてしまうことがありました。従来どおりこのキー 1 回だけの押下で X サーバを終了できるようにするには、 /etc/X11/xorg.conf ファイル内の ServerFlags セクション内から下記の行を削除してください:
オプション "ZapWarning" が "on" に
詳細な情報は xorg.conf のマニュアルページをお読みください。
既定では GNOME デスクトップにおいては新しく作成した YaST gtk フロントエンドが使われ、それ以外のデスクトップでは YaST qt フロントエンドが使われます。マニュアルに記載されているとおり、機能面では gtk フロントエンドと qt フロントエンドはとても似通っています。
ただ一つの例外は gtk ソフトウエア管理モジュール (参照: スタートアップガイド 第 3 章) で、 qt 版と比べてかなり異なります。 GNOME デスクトップにおいて qt フロントエンドを利用するには root ユーザで下記のコマンドラインを実行してください:
yast2 --qt
逆に KDE で gtk フロントエンドを使いたい場合は:
yast2 --gtk
Squid 3.0 が利用できます。このバージョンでは Internet Content Adaptation Protocol (ICAP) と Edge Side Includes (ESI) がサポートされています。
お使いの設定ファイル /etc/squid/squid.conf を手作業でご確認ください— この作業は更新後に行ないます。たとえば更新が完了したあと、以下のようにします:
cp /etc/squid/squid.conf /etc/squid/squid.conf.2.6 cp /etc/squid/squid.conf.rpmnew /etc/squid/squid.conf
この作業ののち、バージョン 2.6 で行なわれた設定を /etc/squid/squid.conf.2.6 から /etc/squid/squid.conf に移してください。 squid 3.0 に同梱されている /etc/squid/squid.conf.default を参考にしてください。
以下の変更点に注意してください:
ログファイル access.log の変更
squid.conf 内の設定オプションの追加/変更/削除
既に利用できない機能:
• refresh_stale_hit オプションが未実装です • X-Forwarded-For を追跡する機能が未実装です • If-None-Match を利用した Vary/ETag タグの完全キャッシュが未実装です - 基本的なキャッシュのみサポートされています • サーバのエラーメッセージのマッピング機能が未実装です • http_access2 アクセスディレクティブが未実装です • Location ヘッダの書き換えが未実装です • umask ディレクティブが未実装です • wais_relay が廃止されました。これは cache_peer + cache_peer_access と 同等の機能であるためです • urlgroup が未実装です • 一括フォワーディング (collapsed forwarding) が未実装です
詳細は、パッケージインストール後に file:/usr/share/doc/packages/squid3/RELEASENOTES.html をお読みください。
openSUSE 11.0 では、グラフィカルなツール (gnome-xgl-settings 等) を利用して Xgl を有効にしたり無効にしたりすることができなくなりました。コマンドラインツール xgl-switch でのみ設定できるようになっています。その代わり、対応するハードウエアの場合は AIGLX が常に有効になるようになっています。 AIGLX にはいくつかの問題 (たとえば Xvideo が通常よりも遅い問題や、 compiz の立方体を回転させたときに OpenGL アプリケーションの位置が間違っているなど) が残っていますが、ユーザからの意見では多くが既定で有効にしておいたほうがいいという形でまとまっています。 AIGLX 上で Xgl を有効にする場合は、コマンドラインツール xgl-switch を利用して以下のように実行してください:
xgl-switch --enable-xgl
X サーバがクラッシュするなど、何らかの問題があって無効に設定したい場合は、以下のように実行してください:
xgl-switch --disable-xgl
プロプライエタリな NVIDIA ドライバを実行する際は、独自のフレームワーク内でコンポジットマネージャを動作させるため、 AIGLX も Xgl も必要としません。
Compiz を遊行するには、アプリケーションメニューから "デスクトップ効果 (simple-ccsm)" アプリケーションをお使いください。
openSUSE 11.0 での RPM パッケージは LZMA 圧縮になっています。 LZMA はより高い圧縮効率とより高速な展開を提供しています。
openSUSE 10.3 またはそれ以前の RPM ソフトウエアではこれらの RPM パッケージを取り扱うことができません。 10.3 環境で LZMA 圧縮された RPM を開くかインストールしたい場合は、 rpm ソフトウエアをあらかじめインストールしてください。なお、 Novell ではこの方法を正式にはサポートしていません。
パッケージを作成される方は、 10.3 またはそれ以前のバージョン向けにパッケージを作成する際には LZMA 圧縮を行なわないでください。これら古いシステムに対して新しい RPM ソフトウエアを期待してはなりません。
CUPS 1.3.x (汎用 UNIX 印刷システム) ベースの印刷システムでは ISO-8859-1 や windows-1252, アジア系エンコードなど古いエンコード形式での印刷はサポートされていません。 UTF-8 や ASCII 形式のみをサポートしています。
古いエンコード形式のテキストファイルを印刷するには、 CUPS サーバに送信する前にエンコードを変換する必要があります。たとえば ISO-8859-1 形式のテキストファイルを印刷するには以下のようにします:
iconv -f iso-8859-1 -t utf-8 filename.txt | lp -d printer
なお、 PDF や PS 、バイナリ形式のファイル (JPEG, PNG 等) については従来通り印刷可能です。
CUPS 1.3.4 より、コマンド cupsd は UTF-8 エンコードのデータのみを受け付けるようになりました。この変更により、旧来のバージョンとの互換性が保たれなくなっており、 CUPS 1.1 などのような古いバージョンのクライアントは動作しません— http://www.cups.org/newsgroups.php?gcups.general+T+Q%22unsupported+charset%22 等をご覧ください。
コマンド cupsd との通信を行なう hp-setup コマンドや YaST プリンタ設定などのアプリケーションは、 7-bit ASCII や UTF-8 の言語設定を利用しない限り動作できなくなっています。以前より openSUSE の既定のエンコード方式であった UTF-8 を利用していればこの問題は発生しません。
dhcpcd パッケージのメジャーな更新 (1.x から 3.x に) が利用できます。コマンドラインオプションが異なっていますので、 dhcpcd のマニュアルページで違いをよくご確認のうえ、併せて /usr/share/doc/packages/dhcpcd/dhcpcd-1-vs-3 ファイルをお読みください。
ext3 ファイルシステムの inode サイズが既定で 128 から 256 に拡張されました。この変更により、 Windows 用の EXTFS 等の ext3 対応のツールが動作しなくなってしまいます。
これらのツールをお使いの場合は、 openSUSE をインストールする際に以前の値でフォーマットしてください。
SuSEfirewall2 は netfilter で RELATED (関連するパケット) と判断されたものを取り扱う方法を少し変更しました。
たとえば Samba のブロードキャストパケットについてより意味のあるフィルタリングを行なうには、 RELATED (関連する) パケットを無条件に受け入れる必要はありません。 FW_SERVICES_ACCEPT_RELATED_ で始まる新しい変数を利用すると、特定のネットワークやプロトコル、ポートに対して RELATED (関連する) パケットを制限することができるようになります。
このことにより、 FW_LOAD_MODULES 内に接続追跡 (conntrack) モジュールを追加しても、これらのモジュールでタグ付けされたパケットを自動的に受け入れてしまうことはなくなりました。 FW_SERVICES_ACCEPT_RELATED_ で始まる変数に適切な値を設定しなければなりません。
指紋読み取り装置を利用する場合、ホームディレクトリを暗号化してはなりません。暗号化してしまうと指紋認証装置からの暗号化解除ができないため、ログインが失敗します。
この制限を回避するには、ホームディレクトリ以外の場所にディレクトリを作成し、そのディレクトリを暗号化して対処してください。
以下の xsetwacom パラメータを使用してください:
通常の方向 (0 度の回転) で使用する場合:
xrandr -o 0 && xsetwacom set "Mouse[7]" RotateNONE
90 度回転 (時計回りのポートレート) して使用する場合:
xrandr -o 3 && xsetwacom set "Mouse[7]" Rotate CW
180 度回転 (横長) して使用する場合:
xrandr -o 2 && xsetwacom set "Mouse[7]" Rotate HALF
270 度回転 (反時計回りのポートレート) して使用する場合:
xrandr -o 1 && xsetwacom set "Mouse[7]" Rotate CCW