eDirectoryデータベースの復元作業で最も大切なのは、復元が完全に行われたかどうか確認することです。作業に先立ち、復元作業の前提条件の説明に従って、必要な準備を行います。必要なバックアップファイルを揃える手順については、復元に必要なバックアップファイルの収集を参照してください。
このサーバがレプリカリングに属している場合、最後にバックアップを取った時点以降のロールフォワードログをすべて、ひとつのディレクトリ内に集めておきます。ファイル名はログ生成時と同じにしておかなければなりません。
「復元に必要なバックアップファイルの収集」を参照してください。
注: バックアップファイルがない場合は、XBrowseを使って、サーバ情報の復元に必要な情報をeDirectoryに問い合わせてください。この作業は、サーバオブジェクトやその関連オブジェクトをツリーから削除する前に実行する必要があります。Xbrowseの詳細については、Novell Support Web site, Solution 2960653を参照してください。
最初はサーバを仮のツリーで稼動させます。最終的には障害が起きる前と同じ名前のサーバに復元しようとしているわけですが、まだ復元作業が完了していない段階で本来のツリーに組み込んでしまうと、混乱が生じてしまうからです。データベースの復元処理が完了してから、本来のツリーにサーバを組み入れることになります。
復元処理の過程で、ロールフォワードログの機能は無効になり、ログ保存先の設定もデフォルトに戻ってしまいます。
フルバックアップが改めて必要となるのは、スケジュールに従って次に無人でのフルバックアップが取られるまでに、再び障害が起こる可能性があるためです。
復元するNetWareサーバ名を変更するには、autoexec.ncfファイルを書き替え、サーバを再起動してください。
復元の過程で、eDirectory Backup eMToolはまず、フルバックアップファイルからの復元を試みます。それが済むと、Backup eMToolでインクリメンタルバックアップファイルの名前を入力するよう求められます。その際、次に適用するべきファイルのIDが提示されます。インクリメンタルバックアップファイルからの復元が終わると、今度はロールフォワードログを参照しての復元処理が始まります(Backup eMToolによる復元作業の概要も参照してください)。
必要なファイルをすべて揃えた後、iManagerやeMBox Clientから復元処理を起動します。eMBoxクライアントによるバックアップファイルの復元作業またはiManagerによるバックアップファイルの復元作業を参照してください。
ファイルシステムをバックアップしたテープから、eDirectoryフルバックアップファイルを、サーバ上の適当なディレクトリにコピーしてください。
最後に取ったフルバックアップのIDは、Backup eMToolのログファイルで確認できます。
同様に、一連のインクリメンタルバックアップファイルを、サーバ上の適当なディレクトリにコピーしてください。
必要なインクリメンタルバックアップファイルは、フルバックアップファイルのヘッダ部で確認できます。「next_inc_file_ID」属性として、次のインクリメンタルバックアップファイルのIDが記述されています。この値は、インクリメンタルバックアップファイルのヘッダ部にある「incremental_file_number」属性に対応します。ヘッダの形式について詳しくは、バックアップファイルのヘッダ書式を参照してください。
警告: バックアップファイルを開く場合でもヘッダを確認するだけにとどめ、保存や変更はしないようにしてください。ファイルの一部が切り捨てられてしまうことがあります。ほとんどのアプリケーションではバイナリデータを正確に保存することはできません。
インクリメンタルバックアップファイルにはそれぞれ、次のインクリメンタルバックアップファイルのIDが記載されています。
このIDもBackup eMToolのログファイルで確認できます。
同じ名前のファイルがいくつもあって、ひとつのディレクトリにまとめるためにファイル名を変更しているような場合、IDはその識別に不可欠です。たとえば無人でのバックアップにいつも同じバッチファイルを使っていて、バックアップファイル名が常に同じであるような場合です。ヘッダ部のIDを見れば、ファイル名が変わっていても適切なファイルを判別できます。
(状況によって実行)ロールフォワードログ機能を有効にしていた場合は、最後のバックアップ以降のロールフォワードログを、生成時のファイル名のまま、サーバ上の適当なディレクトリに集めてください。
このサーバがレプリカリングに属している場合は、ロールフォワードログを使った復元処理が必須です。ロールフォワードログがすべて揃っていない場合、復元後の検証処理で失敗してしまいます。リング内の他のレプリカと、遷移ベクトルが一致しないからです。デフォルトでは、復元したeDirectoryデータベースが他のレプリカと整合が取れていない場合、そのままではオープンできません。
テキストエディタで最新のバックアップファイルを開き、ヘッダの「current_log」属性を読んで、最初に必要なロールフォワードログを特定します。この作業を繰り返して、続くすべてのロールフォワードログを集めます。
警告: バックアップファイルを開く場合でもヘッダを確認するだけにとどめ、保存や変更はしないようにしてください。ファイルの一部が切り捨てられてしまうことがあります。ほとんどのアプリケーションではバイナリデータを正確に保存することはできません。
必要なロールフォワードログがすべて1ヶ所にまとまっているとは限りません。よく確認して、すべて同じディレクトリに揃えてください。ロールフォワードログは、次の理由から複数の場所に格納されている場合があります。
テープにバックアップされたロールフォワードログを取得する場合は、データが最新のセットであることを確認してください。テープおよびサーバに複製されたファイルのタイムスタンプを比較する必要があります。ファイルシステムのバックアップ中に、データベースで使用されていたロールフォワードログファイルはテープに完全に保存されません。最新の完全なファイルはサーバに格納されています。
たとえばログの保存先を「D:\novell\nds\dibfiles\」と指定した場合、eDirectoryデータベース名が「NDS」であれば、実際の保存先ファイルはディレクトリ「D:\novell\nds\dibfiles\nds.rfl\」となります。データベースの名前をNDSからND1に変更した場合、ロールフォワードログのディレクトリはD:\Novell\nds\dibfiles\nd1.rfl\に変更されます。
重要: 必要なロールフォワードログがすべてそろっていることを確認してください。Backup eMToolでは、ロールフォワードログがすべてそろっているかどうか確認できません。ロールフォワードログは順番に開かれて使用されます。指定したディレクトリ内に次のロールフォワードログが見つからない場合は、復元プロセスが中止されます。必要なロールフォワードログがすべてそろっていなければ復元は完了しません。