IIOP接続コンセントレータ

IIOPは、TCP/IPに基づく接続指向のプロトコルです。通常は、標準ORBによって、各クライアントから標準ORBで使用する各オブジェクト/サーバへの接続が確立されます。この方法は、待ち時間の点では適していますが、クライアントやサーバの数が増えるごとに、スループットやスケーラビリティが低下します。

ORBの接続コンセントレータの実装では、クライアント/サーバ通信(両方向)を通過して、サーバの接続リソースの利用を低減させます。クライアントは、最終的なターゲットオブジェクトではなく、実際には「ゲートウェイ」と呼ばれる接続コンセントレータに接続され、クライアントからおよびクライアントへのトラフィックは、すべてこのゲートウェイを通して流されます。


図1: サーバへの単一接続を通じたサーバクライアントからのリクエストの集中化

複数の接続コンセントレータを起動し、サーバに接続しているクライアントをこれらのコンセントレータに自動的に負荷分散することができます。 ORBのこの機能を使用すると、アプリケーションでは、同時に接続された何万ものクライアントを文字通りサポートできます。

ゲートウェイの開始

ゲートウェイは、ネットワークの任意のノードで開始でき、ネットワークで実行されているORBデーモンで登録できます。例
gateway -ORBDefaultInitRef iiopboot://godel:2506
すると、ローカルマシンでゲートウェイが開始され、その後、ホスト「godel」およびポート2506で実行されているORBデーモンでゲートウェイ自体が登録されます。ゲートウェイは複数開始することが可能です。
クライアントの動的な設定
クライアントORBがORBUseGatewayパラメータで初期化されると、クライアントでは、ORBデーモンを呼び出し、対話するすべてのサーバと通信できるようにするゲートウェイを取り戻します。これは、クライアントまたはサーバプログラムを変更せずに適用できるサービスのオプションの機能です。

ゲートウェイの例については、Makefileを参照してください。安全なバンククライアントは、追加のパラメータ(-ORBUseGateway true)を使用して起動されます。

スタティッククライアント環境設定:
クライアントは、ゲートウェイのURLを指定することによって特定のゲートウェイを使用するように、静的に設定できます。物理アドレスは複数指定でき、クライアントでは、使用可能なゲートウェイの1つを自動的に取得します。

たとえば、次のように入力します。

java -DORBGatewayURL=iiop://host1:7777,host2:7777 myClient
すると、ホストhost1のポート7777で実行されているゲートウェイを検索するように、ORBは指示されます。 これが利用できない場合は、host2のポート7777が試されます。 この機能は、ファイアウォールマシン自体でゲートウェイプロセスを実行することによってファイアウォールを移動するために使用できます。

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