6.12 ワークロードのストレージメディアとボリュームの処理

PlateSpin Migrateでは、ターゲットインフラストラクチャにおけるワークロードのボリュームおよびそれらの物理または仮想レイアウトを処理するようにマイグレーションジョブを設定するメカニズムが提供されます。

ワークロード仮想化(X2V)

ワークロードを仮想化する場合、ターゲットに含めるボリュームを選択し、それらの空き領域のサイズを管理できます。また、ターゲットの仮想化プラットフォームのストレージメディアの環境設定や仮想ディスクの処理機能に従って、ソース上の物理ディスクの配置がピアの仮想マシンに伝播される方法も制御できます。

物理ハードウェアへのワークロード展開

ワークロードを物理ハードウェアに移行する場合、どのソースボリュームを含めサイズ調整するか、および、どのターゲットディスクを再パーティションし、データ入力するかを選択できます。

RAIDストレージ

PlateSpin Migrateは、RAID (Redundant Array of Independent Disks)ストレージをサポートし、これを他のストレージハードウェアのように処理します。関連するストレージコントローラドライバが存在する限り、PlateSpin Migrateは正常にマイグレーションを完了します。PlateSpin Migrateでは、RAIDのソフトウェア実装をサポートしません。

SANストレージ

PlateSpin Migrateは、SANストレージをサポートしています。関連するホストバスアダプタ(HBA)のドライバが存在する限り、PlateSpin Migrateは正常にマイグレーションを完了します。PlateSpin Migrateでは、論理ボリュームを持つ他のディスクのようにSAN LUNを処理します。

NAS

PlateSpin Migrateでは、ネットワーク接続ストレージ(NAS)システムをサポートします。PlateSpin Migrateでは、論理ボリュームを持つ他のディスクのようにNASを処理します。

Windowsダイナミックディスク

PlateSpin Migrateでは、ミラーリング、スパンニング、およびRAID 5の設定を含む、Windowsダイナミックディスクをサポートします。

PlateSpin Migrateでは、ダイナミックディスクを他の論理ボリュームのように処理します。ダイナミックディスクを持つワークロードを変換している場合、ターゲットワークロード上のディスクは基本的なディスクとして作成されます。これを使用して、不要な、または旧形式のダイナミックディスク構成を削除できます。マイグレーション後は、ターゲット上で必要なディスクを基本ディスクからダイナミックディスクへアップグレードすることができます。

Linuxの論理ボリューム

PlateSpin Migrateでは、Linuxワークロードの論理ボリュームをサポートします。論理ボリュームマネージャ(LVM)がLinuxソース上にインストールされた場合、LVM1およびLVM2機能を使用してターゲットワークロードのボリュームレイアウトおよび組織をよりよく管理できます。

ワークロードマイグレーションジョブを次のように設定できます。

NOTE:PlateSpin Migrateでは、LVMスナップショットおよびLVMミラーをサポートしません。マイグレーション完了後に、ターゲット上にLVMスナップショットおよびミラーリング論理ボリュームを作成できます。

ストレージレイアウトおよびボリュームの環境設定は、ジョブの設定モード(詳細またはウィザード)、マイグレーションタイプ、ターゲットの仮想化プラットフォーム、およびソースのオペレーティングシステムに依存します。

OES 2: NSSファイルシステムとEVMS

PlateSpin Migrateは、EVMSボリュームレイアウト機能とともに、OES 2ワークロードのNSSファイルシステムをサポートします。実行可能なアクションは次のとおりです。

詳細情報については、次のトピックを参照してください。

6.12.1 ストレージレイアウトおよびボリュームの環境設定(ウィザードモード)

ストレージレイアウトの環境設定: X2V(ウィザードモード)

この[Migration Wizard (マイグレーションウィザード)]ページを使用して、ワークロード仮想化の操作中のディスクマッピングスキームを指定します。

ウィザードのナビゲーションペインで、[ディスク]をクリックします。

ストレージレイアウトセクション: 選択したオプションに応じて、ツリー形式で情報を表示します。

ディスクマッピングオプション: これらのオプションは、ターゲット上にソースディスクの配置が伝播される方法を制御します。目的のマイグレーションに最も適するオプションを選択します。仮想ディスクを追加するには、[カスタム]を選択し、[詳細]セクションで[仮想ディスクの追加]をクリックします。

詳細セクション: 選択した項目に当てはまる情報を[ストレージレイアウト]ツリーに表示します。

ディスクは、ドラッグアンドドロップで再配置できます。

仮想ディスクを追加するには、上側のセクションでストレージ項目を選択し、[詳細]セクションで[仮想ディスクの追加]をクリックします。

仮想ディスクのパスや名前、およびそれが割り当てられているデータストアを表示するには、仮想ディスクを選択します。

ボリュームの環境設定: X2V、X2P(ウィザードモード)

この[Migration Wizard (マイグレーションウィザード)]ページを使用して、マイグレーションに含めるボリュームを選択し、ターゲット上のボリュームサイズを調整します。

ウィザードのナビゲーションペインで、[ボリューム]をクリックします。

ボリュームの空きサイズの調整: オプションの1つを使用して、ボリュームの空きサイズを指定します。カスタム: [詳細]領域に空き領域の値を入力できるようにします。

変換に含めるボリュームを選択してください: 変換対象のボリュームを選択します。システムボリュームまたはブートボリュームを選択する必要があります。

詳細: 選択したボリュームに関する情報を表示します。空き領域および合計サイズの値を変更できます。

Linux ボリュームグループの環境設定(Wizardモード)

このウィザードのページを使用して、LVM (Logical Volume Manager)ボリュームグループを管理します。このページは、ソースにLVMがインストールされている場合のみ表示されます。

ウィザードのナビゲーションペインで、[ボリュームグループ]をクリックします。

ボリュームグループを追加、名前変更、または削除するには、該当するボタンをクリックします。

マイグレーションにボリュームグループを含めるには、右側のペインで該当するチェックボックスを選択します。

ボリュームグループにストレージを割り当てるには、[ボリュームグループの割り当て]列をクリックします。

NOTE:割り当てられていないボリュームグループは、マイグレーション前に削除されます。

6.12.2 ドライブ環境設定(詳細モード)

詳細モードを使用している場合、[ピアツーピア変換ジョブ]ウィンドウからウィザードの[ボリューム]画面および[ディスク]画面を統合する1つのインタフェースへアクセスできます。

詳細モードでドライブ環境設定オプションにアクセスする方法:

  • [マイグレーションジョブ]ウィンドウの[ドライブ環境設定]セクションで[ハードドライブ]をクリックします。

設定はターゲットシステムに応じて変化します。

Windows X2Pのドライブ環境設定(詳細モード)

次の設定を使用し、マイグレーション中にコピーするボリュームを選択します。

コピー: マイグレーション中にコピーするボリュームを選択します。

新規空き容量: マイグレーション中にボリュームのサイズを変更するには、希望する空き領域のサイズを指定します。PlateSpin Migrateでは、新規サイズが自動的に調整されます。

新規サイズ: マイグレーション中にボリュームのサイズを変更するには、希望するサイズを指定します。PlateSpin Migrateでは、新規空き容量が自動的に調整されます。

宛先ディスク: 物理ターゲットマシン上で、ボリュームがコピーされるハードドライブを選択します。

パーティションの保持: マイグレーション中に既存のベンダパーティションをそのままの状態で保持するかを決定するには、このカラムをクリックします。パーティションが選択されないと、PlateSpin Migrateによってサーバからパーティションが永続的に削除されます。

Linux ドライブとLVMボリュームの環境設定(詳細モード)

次の設定を使用し、マイグレーション中にコピーおよびサイズ調整するボリュームとボリュームソース以外の領域を選択します。ソースにLVMがインストールされている場合のみ、[ボリュームグループ]タブを利用できます。

LinuxドライブとLVMボリューム環境設定([設定]タブ)

これらの設定を使用して、コピーするソースボリューム、再作成およびサイズ調整するボリュームソース以外の領域、および再パーティションと入力を行うターゲットディスクを選択します。

含める: マイグレーション中にコピーまたは再作成およびサイズ調整するボリュームまたはボリュームソース以外の領域を選択します。

新規空き容量: マイグレーション中にボリュームのサイズを変更するには、希望する空き領域のサイズを入力します。PlateSpin Migrateでは、新規サイズが自動的に調整されます。

新規サイズ: マイグレーション中にボリュームのサイズを変更するには、希望するサイズを入力します。PlateSpin Migrateでは、新規空き容量が自動的に調整されます。

ディスク/ボリュームグループ: 物理ターゲットマシン上で、ボリュームがコピーされるハードドライブまたはボリュームグループを選択します。

パーティションの保持: ディスクごとに、このカラム内の該当するセルをクリックし、マイグレーション中に保持する既存のベンダパーティションを選択します。パーティションが選択されないと、PlateSpin Migrateによってサーバからパーティションが永続的に削除されます。

LinuxドライブとLVMボリュームの環境設定(ボリュームグループタブ)

これらの設定を使用して、ボリュームグループを管理します。

ボリュームグループの追加: ソースマシンには存在しないボリュームグループをターゲットマシンに作成します。

ボリュームグループの名前変更: ソースからターゲットにコピーされるボリュームグループの名前を変更します。

ボリュームグループの削除: ターゲットマシンで作成されないように、ボリュームグループを削除します。ボリュームグループに割り当てられているボリュームは、[設定]タブを使用して他の場所に再割り当てできます(デフォルトでは、ボリュームはディスクに割り当てられています)。

ボリュームグループの割り当て: ディスク上の領域をボリュームグループに割り当てるには、ボリュームグループを選択し、それに含めるディスクを選択します。含まれるディスクごとに、ボリュームグループに割り当てられる領域の容量を指定します。

Linux (OES 2)ドライブとボリューム環境設定(EVMSボリュームタブ)

これらの設定を使用して、EVMSボリュームを管理します(NSSファイルシステムでOES 2ワークロード)。

(左の項)

EVMSボリューム名: ソースにあるEVMSボリュームの一覧を表示します。

EVMSボリュームの追加]と[EVMSボリュームの削除]ボタン: EVMSボリュームを作成したり、削除するためにクリックします。

(右の項)

含める: このオプションを選択して、マイグレーションに指定したボリュームを含めます。

EVMSボリュームの割り当て: スペースを割り当てるために、ボリュームを選択してから、それを含めるディスクを選択します。含まれるディスクごとに、ボリュームグループに割り当てられる領域の容量を指定します。

NOTE:

  • 1つのEVMSボリュームに複数のディスクを選択することは、NSSプールを使用するボリュームにのみ可能です。

  • ソースとターゲットのEVMSボリュームのサイズは等しいことが必要です。

ターゲットVM特有 P2V/V2Vのドライブ環境設定(詳細モード)

ピアツーピアの仮想化ジョブを詳細モードで設定する場合、ジョブ設定ウィンドウでは、ターゲットの仮想化プラットフォームに特有の設定にアクセスできます。

ドライブ環境設定: VMware ESX 3

次に、VMware ESX 3に特有のドライブ環境設定を示します。

データストア: vmdkファイルを配置するESX 3.0サーバ上のデータストアボリュームを選択します。

コピー: マイグレーション中にコピーするボリュームを選択します。

新規空き容量: マイグレーション中にボリュームのサイズを変更するには、希望する空き領域のサイズを指定します。PlateSpin Migrateでは、新規サイズが自動的に調整されます。

新規サイズ: マイグレーション中にボリュームのサイズを変更するには、希望するサイズを指定します。PlateSpin Migrateでは、新規空き容量が自動的に調整されます。

ディスク/ボリュームグループ: ディスク、またはLVMが有効な場合はボリュームグループにボリュームを割り当てます。ボリュームは、ターゲットマシン上のこのディスクまたはボリュームグループにコピーされます。

作成: ターゲットマシン上に作成する必要のある非ボリュームディスクパーティションを選択します(たとえば、Linuxのスワップパーティションなど)。

新規サイズ: マイグレーション中に非ボリュームパーティションのサイズを変更するには、希望するサイズを指定します。

ドライブ環境設定: VMware ESX 2

次に、VMware ESX 2に特有のドライブ環境設定を示します。

ディスクイメージの場所 : vmdk ファイルを配置するESX 2.0サーバ上の場所を選択します。

コピー: マイグレーション時にコピーする必要なソースボリュームを選択します。

新規空き容量: マイグレーション中にボリュームのサイズを変更するには、ターゲット上の希望する空き領域のサイズを指定します。PlateSpin Migrateでは、新規サイズが自動的に調整されます。

新規サイズ: マイグレーション中にボリュームのサイズを変更するには、希望するサイズを指定します。PlateSpin Migrateでは、新規空き容量が自動的に調整されます。

ディスク/ボリュームグループ: ディスク、またはLVMが有効な場合はボリュームグループにボリュームを割り当てます。ボリュームは、ターゲットマシン上のこのディスクまたはボリュームグループにコピーされます。

作成: ターゲットマシン上に作成する必要のある非ボリュームディスクパーティションを選択します(たとえば、Linuxのスワップパーティションなど)。

新規サイズ: マイグレーション中に非ボリュームパーティションのサイズを変更するには、希望するサイズを指定します。

Solarisゾーンボリュームの環境設定

Solarisのゾーンボリュームの環境設定オプションは、次のとおりです。

Solarisゾーンファイルシステム: この領域のオプションは、ターゲット上のゾーンファイルシステムの管理についての情報および管理の手段を提供します。[ゾーンFS 0]ファイルシステムでは、[データストア]および[場所]の値は変更できません。ゾーンに指定したゾーンパスに基づいて計算されます。[データストア]および[場所]の値を変更するには、ターゲットのゾーンの環境設定の設定(Solarisのゾーンの構成参照)で、[ターゲットボリューム]および[パス]の値を変更します。

新しいファイルシステムを追加するには、[追加]をクリックし、[データストア]カラムに必要なターゲットディレクトリを指定します。ターゲット上で不要になったファイルシステムを削除するには、[不要なFSの削除]をクリックします。

コピーするボリューム: この領域のオプションは、ソース上で検出されたボリュームに関する情報を提供し、ターゲットのゾーンで再生するボリュームを選択できるようにします。再生対象に選択したボリュームには、上部のリストからファイルシステムを指定できます。ルートボリュームは、選択解除できません(マイグレーションから除外)。これは常に選択され、[ゾーンFS 0]ファイルシステムに割り当てられています。

6.12.3 ボリュームの環境設定 サーバ同期

2つのWindowsまたはLinuxワークロードを、サーバ同期を使用して同期する場合、PlateSpin Migrateでは、ソースボリュームとターゲット上の既存のボリューム間で必要なマッピングを指定できる機能が提供されます。サーバ同期を持つワークロードの同期を参照してください。

サーバ同期ジョブで、ボリュームの環境設定オプションにアクセスする

  • 詳細モードの場合: [Migration Job (マイグレーションジョブ)]ウィンドウの[ドライブ環境設定]セクションの下で、[ボリュームマッピング](Windowsマシンの場合)または[ドライブおよびボリューム](Linuxマシンの場合)をクリックします。

  • ウィザードモードの場合: 使用不可。

次の各項で、WindowsおよびLinux ワークロードに特有のサーバ同期ボリュームの環境設定オプションに関する情報を示します。

サーバ同期ボリュームの環境設定(Windows)

Windowsワークロードのサーバ同期ジョブは、ソースおよびターゲットの詳細なドライブおよびボリュームの情報を提供し、必要なマッピングを指定することができます。

マップ先: ソース上の各ボリュームをターゲット上の既存のボリュームにマッピングします。

サーバ同期ボリュームの環境設定(Linux)

Linuxワークロードのサーバ同期ジョブは、ソースおよびターゲットの詳細なマウントポイントおよびボリュームの情報を提供し、必要なマッピングを指定することができます。

マップ先: ソース上の各ボリュームをターゲット上の既存のボリュームにマッピングします。

6.12.4 X2I (イメージング)マイグレーションにおけるボリュームとイメージファイルの処理

Flexible Imageをキャプチャしたり、Flexible Imageへボリュームをインポートしたりする場合、PlateSpin Migrateでは、必要なボリュームをイメージに含め、ボリュームデータマッピングとイメージ環境設定オプションを指定するメカニズムが提供されます。

ターゲットボリュームの環境設定: X2I (ウィザードモード)

ウィザードモードでイメージのキャプチャジョブやイメージのインポートジョブを設定する場合は、このページを使用して、イメージに含めるボリュームを選択したり、既存のボリュームデータへのパスを指定したりします。

イメージに対して選択されたボリュームごとに、対応するイメージデータへのパスを指定します。

イメージのキャプチャジョブの場合、イメージパッケージファイル(*.pkg)へのパスを指定します。

イメージのインポートジョブの場合、ローボリュームデータを含むディレクトリへのパスを指定します。

イメージを再パッケージするには、[ボリュームデータマッピング]領域の[詳細]をクリックし、[プロパティ]ダイアログボックスから[再パッケージ]を選択します。新規イメージファイルにパスを指定するか、デフォルトパスを使用します。

イメージ環境設定: X2I (ウィザードモード)

ウィザードモードでイメージのキャプチャジョブやイメージのインポートジョブを設定する場合は、このページを使用して、イメージ名およびイメージが保存されるパスを指定します。

イメージ名: ワークロードイメージの名前を入力するか、デフォルトを承認します。

設定ファイルのパス: イメージのXML設定ファイルへの完全なパスを入力するか、デフォルトを承認します。