Linux、Solaris、AIX、およびHP-UXでのeDirectoryのトラブルシューティング

このセクションには、Linux、Solaris、AIX,およびHP-UXプラットフォーム上のeDirectoryのトラブルシューティングについての情報が含まれます。


eDirectoryへの繰り返しログイン

eDirectoryに繰り返しログインする場合、すべての使用可能なメモリを使用できます。ndsimonitorを使用してログイン更新属性を無効にすると、この問題を解決できます。


Novellパブリックキーインフラストラクチャサービス


PKI操作が機能しない

ConsoleOneまたはiManagerでPKI操作が機能しない場合、Novell PKIサービスがLinux、Solaris、AIX、またはHP-UXホストで実行されていないことが考えられます。「npki - 1」と入力してPKIサービスを開始してください。

証明書を作成できない場合は、NICIモジュールが正しくインストールされているか確認する必要があります。サーバ上のNICIモジュールを初期化するを参照してください。NICIが初期化されているかを確認する方法については、サーバ上にNICIがインストールおよび初期化されているかどうかを確認するを参照してください。


NetscapeアドレスブックのLDAP検索の失敗

エクスポートバージョンのNetscapeブラウザおよびLDAPサーバオブジェクトに関連付けられた512ビットよりも大きなKMOキーサイズを使用している場合、NetscapeアドレスブックのLDAP検索が失敗することがあります。

この場合は、米国版のNetscapeブラウザを使用してください。


重要なレプリカというエラーコードが表示され、既存のeDirectoryオブジェクトの別のサーバへの移動が失敗した後に、マルチサーバツリー内でツリーキーサーバとして機能しているeDirectoryサーバの削除

この操作を完了するには、[セキュリティコンテナ]>[KAP]以下にあるW0オブジェクトで、キーサーバDN属性をこのサーバからツリーキーをダウンロードしたツリー内にある別のサーバに変更します。

  1. Novell iManagerで、[役割およびタスク]ボタンRoles and Tasks buttonをクリックします。

  2. [eDirectory管理]>[オブジェクトの変更]の順にクリックします。

  3. W0オブジェクト名およびコンテキスト(通常は、W0.KAP.Security)を指定して、[OK]をクリックします。

  4. [値がある属性]カラムで、[NDSPKI:SDキーサーバDN]を選択してから、[編集]をクリックします。

  5. [セキュリティドメインキーサーバのDN]フィールドで別のサーバの名前とコンテキストを指定してから、[OK]をクリックします。

  6. [適用]をクリックし、[OK]をクリックします。


CAを保持しているeDirectoryサーバのアンインストール中に、サーバに作成されたKMOがツリー内の別のサーバに移動されて無効になる

この場合、ツリーのCAおよびKMOをもう一度作成する必要があります。詳細については、組織の認証局オブジェクトを作成するおよびサーバ認証オブジェクトを作成するを参照してください。

ツリーのCAを保持するeDirectoryは、アンインストールしないことをお勧めします。


UNIX上のNMAS


どのメソッドを使用してもログインできない

NMASをインストールおよび設定した後で、NDSサーバを再起動します。

メソッドの以前のインスタンスをアンインストールしてからメソッドを再インストールした後で、NDSサーバを再起動します。


ICEユーティリティを使用して追加したユーザが、簡易パスワードを使用してログインできない

Novellインポート/エクスポート変換ユーティリティを使用して簡易パスワードを使用するユーザを追加する場合は、-lオプションを使用します。


LDAPサービス

このセクションでは、LDAP Services for eDirectoryで起こりうる一般的な問題と、その解決法について説明します。

LDAPクライアントからリクエストが発行される前に、LDAPサーバが起動していることを確認します。/var/nds/ndsd.logファイル内に次のメッセージがある場合は、LDAPサーバが起動していることが確認できます。

LDAP v3 for Novell eDirectory 8.7.3 started

詳細については、LDAP Services for Novell eDirectoryの環境設定を参照してください。


LDAPクライアントがLDAP Services for eDirectoryにバインドできない

LDAPクライアントをLDAP Services for eDirectoryにバインドできない場合は、次の内容を確認します。


LDAPサーバで新しい設定が使用されていない

LDAPサーバ設定の更新処理は、現在バインドされているLDAPクライアントの影響を受けることがあります。

設定の変更は動的に更新されます。LDAPサーバでは、設定の変更が定期的(30分ごと)に確認されます。変更が検出されると、再設定処理が実行されている間、新しいクライアントはLDAPサーバにバインドできません。

LDAPサーバでは、現在バインドしているクライアントの新しいLDAPリクエストの処理が中止され、実行中のLDAPリクエストが完了するまで待機してから、設定が更新されます。

ndsmergeユーティリティを使用してツリー名を変更した場合、LDAP操作は失敗します。適切に操作が完了するには、ツリー名の変更後にLDAPサーバをリフレッシュまたは再起動する必要があります。


安全なLDAP接続を確立できない

次を確認します。

詳細については、Linux、Solaris、AIX、およびHP-UXシステムでのeDirectory操作に関するセキュリティを確保するを参照してください。


Novellインポート/エクスポート変換ユーティリティ

LDAPサーバがリフレッシュまたはアンロードされると、Novellインポート/エクスポート変換操作の実行中に「LBURP operation is timed out」というメッセージがNovellインポート/エクスポート変換画面上に表示されます。LBURP操作がタイムアウトした場合、サーバは後で復元されます。


ndsmergeユーティリティ

マージ操作後は、PKIサーバはアクティブになっていません。したがって、upki -lコマンドを使用して再起動する必要があります。

異なるバージョンの製品では、マージ操作が成功しないことがあります。サーバで古いバージョンのNDSまたはeDirectoryが実行されている場合は、最新バージョンのeDirectoryにアップデートしてからマージ操作を続行してください。

ツリーに付随するよく似た名前のコンテナがソースツリーおよびターゲットツリーの両方にある場合、2つのツリーのマージは成功しません。どちらかのコンテナ名を変更してから、マージ操作を続行してください。

結合操作の実行中に、「-611不正な包含です」というエラーメッセージが表示される場合があります。ndsrepair(1)を実行してスキーマを変更します。次に、ndsrepair -sを実行し、[オプションスキーマ拡張機能]を選択します。


ndstraceユーティリティ

ndstrace(1)画面をオンにすると、参照リンクに対するプライマリオブジェクトが不正であることを示すエラーメッセージが表示される場合があります。eDirectoryが正常に機能している場合は、このメッセージを無視してください。


ndsbackupユーティリティ

eDirectoryのバックアップの実行中に、「NDSエラー: NDSサーバへの接続に失敗しました」というエラーメッセージが表示される場合があります。これは、デフォルトのポート524以外のポートでリッスンしているeDirectoryが原因である可能性があります。コマンドラインで、eDirectoryが設定されているポート番号を入力します。たとえば、eDirectoryがポート番号1524に設定されている場合は次のように入力します。

ndsbackup sR 164.99.148.82:1524


インストールと設定


インストールの失敗

  1. 製品をインストールしようとしているSolarisホストでマルチキャストルーティングが有効に設定されていることを確認します。

  2. ツリーパーティションのマスタサーバのIPアドレスを指定します。


インストールに長い時間がかかる

eDirectoryを既存のツリーにインストールする場合に、インストールの完了までに長時間かかるときは、サーバのdstrace画面を確認してください。「-625 転送できません」というメッセージが表示された場合は、アドレスキャッシュをリセットする必要があります。

アドレスキャッシュをリセットするには、システムコンソールで次のコマンドを入力します。

set dstrace = *A


WAN上の既存のツリーにインストールできない

eDirectoryをWAN上のLinuxまたはSolarisシステムにインストールするには、NetWare 5以降のサーバが必要です。

  1. サーバコンソールで次のコマンドを入力し、NetWareサーバ上でディレクトリエージェント(DA)を実行します。

    slpda

  2. マスタレプリカを保持するサーバで、slpuasa.confファイルのDA_ADDRパラメータを次のように編集します。

    DA_ADDR = IP_address_of_the_NetWare_server_where_the_DA_is_ running
  3. slpuasaデーモンを再起動します。

  4. WAN上のLinuxまたはSolarisシステムににeDirectoryをインストールします。

    1. nds-installを実行して、製品パッケージを追加します。

      製品の設定は行わないでください。詳細については、『Novell eDirectory 8.7.3インストールガイド』の「Linux、Solaris、AIX、およびHP-UX用Novell eDirectoryパッケージ」を参照してください。

    2. /etc/nds.confファイルを編集し、次のパラメータを追加します。

      n4u.uam.ncp-retries = 5 
      n4u.base.slp.max-wait = 20
    3. /etc/slpuasa.conf ファイルを編集し、次のパラメータを追加します。

      DA_ADDR = IP_address_of_the_NetWare_server_where_the_DA_is_running
    4. ndsconfigを実行してeDirectoryを設定します。


ndsrepairを使用する

このセクションでは次について説明します。

サーバコンソールでのndsrepairユーティリティの用途は次のとおりです。


構文

ndsrepairを実行するには、次の構文を使用します。

ndsrepair {-U| -P| -S| -C| -E| -N| -T| -J entry_id}  
[-A yes|no] [-O yes|no] [-F filename] [-Ad]

または

ndsrepair -R [-l yes|no [-u yes|no] [-m yes|no] [-i yes|no] [-f yes|no] [-d yes|no] [-t yes|no] [-o yes|no] [-r yes|no] [-v yes|no] [-c yes|no] [-A yes|no] [-O yes|no] [-F filename]

重要:  -Adオプションは、Novellサポート担当者からの事前の指示がない限り使用しないでください。


ndsrepairのオプション
オプション 説明

-U

[標準修復]オプションです。ユーザの操作なしにndsrepairを実行または終了します。Novellサポート担当者から特定の操作を手動で実行するように指示された場合を除き、この修復方法の使用をお勧めします。修復が完了したらログファイルをチェックして、ndsrepairで変更された内容を確認します。

-P

[レプリカ操作とパーティション操作]オプションです。現在のサーバのeDirectoryデータベースファイルにレプリカが保存されているパーティションが表示されます。[レプリカオプション]メニューには、「レプリカの修復」、「パーティション操作のキャンセル」、「同期のスケジューリング」、および「ローカルレプリカをマスタレプリカとして指定」を実行するオプションがあります。

詳細については、[レプリカ操作とパーティション操作]オプションを参照してください。

-S

[グローバルスキーマの操作]オプションです。このオプションには、このサーバのスキーマをツリーオブジェクトのマスタに準拠させるのに必要なスキーマ操作がいくつか含まれています。ただし、これらの操作は必要なときだけ使用してください。スキーマは、ローカル修復操作および標準修復操作によってすでに検査されています。

-C

[外部参照オブジェクトのチェック]オプションです。各外部参照オブジェクトをチェックして、そのオブジェクトを含むレプリカがあるかどうかを調べます。オブジェクトのあるパーティションレプリカを含むすべてのサーバがアクセス不能の場合、オブジェクトは見つかりません。オブジェクトが見つからない場合、警告が表示されます。

-E

[レプリカ同期のレポート]オプションです。現在のサーバ上にレプリカを持つすべてのパーティションのレプリカ同期ステータスをレポートします。この操作により、パーティションのレプリカを保持する各サーバ上のレプリカのTreeオブジェクトから同期ステータス属性が読み込まれます。レポートには、すべてのサーバに対して正常に同期が行われた最終時刻と、最終同期以降発生したエラーが表示されます。12時間以内に同期が完了していない場合は、警告メッセージが表示されます。

-N

[このデータベースに認識されているサーバ]オプションです。ローカルeDirectoryデータベースに認識されているすべてのサーバが表示されます。現在のサーバにツリーパーティションのレプリカがある場合、このサーバにはeDirectoryツリー内のすべてのサーバのリストが表示されます。 サーバオプションを実行するサーバを1つ選択します。

-J

ローカルサーバ上の1つのオブジェクトを修復します。修復するオブジェクトのエントリID(16進形式)を指定する必要があります。破損している1つの特定のオブジェクトを修復するには、[標準修復(-U)]オプションの代わりに、このオプションを使用できます。データベースのサイズによっては、[標準修復]オプションの完了に何時間もかかる場合があります。このオプションを使用して、時間を節約することができます。

-T

[時刻同期]オプションです。ローカルeDirectoryデータベースに登録されているすべてのサーバにアクセスして、各サーバの時刻同期ステータスの情報を要求します。このサーバにTreeパーティションのレプリカがある場合は、eDirectoryツリー内のすべてのサーバがポーリングされます。各サーバ上で実行されているeDirectoryのバージョンもレポートされます。

-A

既存のログファイルに付加します。既存のログファイルに情報が追加されます。このオプションは、デフォルトで有効に設定されています。

-O

出力をファイルに記録します。このオプションは、デフォルトで有効に設定されています。

-F filename

出力を指定したファイルに記録します。

-R

[ローカルデータベースの修復]オプションです。ローカルeDirectoryデータベースを修復します。eDirectoryでオープンおよびアクセスできるように、修復操作を使用してローカルデータベースの矛盾を解決します。このオプションには、データベースの修復操作を容易にするサブオプションがあります。このオプションにはファンクション修飾子があります。ファンクション修飾子については、-Rオプションで使用するファンクション修飾子で説明されています。


-Rオプションで使用するファンクション修飾子
Modifier 説明

-l

修復操作中にeDirectoryデータベースをロックします。

-u

修復操作中に一時eDirectoryデータベースを使用します。

-m

修復されていない元のデータベースを維持します。

-i

eDirectoryデータベース構造とインデックスをチェックします。

-f

データベースの空き領域を増やします。

-d

データベース全体を再構築します。

-t

ツリー構造のチェックを実行します。データベース内での接続状況が正しいかどうかを調べるため、ツリー構造のリンクをすべてチェックするには、「はい」を設定します。チェックを省略するには、「いいえ」を設定します。

デフォルト値は「はい」です。

-o

オペレーショナルスキーマを再構築します。

-r

すべてのローカルレプリカを修復します。

-v

ストリームファイルを確認します。

-c

ローカル参照をチェックします。


グローバルスキーマ操作

ndsrepair -S([-Ad]詳細設定スイッチ)オプションを使用して、実行できるすべてのスキーマ操作のリストを表示できます。次の表では、使用可能なオプションについて説明します。

オプション 説明

マスタサーバからスキーマを要求

このサーバのスキーマを同期するようツリーのルートのマスタレプリカに要求します。スキーマの変更内容は、ツリーオブジェクトのマスタレプリカからこのサーバに24時間以内に伝えられます。すべてのサーバがマスタレプリカのスキーマを要求すると、ネットワークトラフィックが増加します。

ローカルスキーマのリセット

ローカルスキーマのタイムスタンプをクリアし、インバウンドスキーマの同期を要求するスキーマリセット機能が呼び出されます。ツリーパーティションのマスタレプリカから実行する場合、このオプションは使用できません。これは、ツリー内のすべてのサーバが同時にリセットされないようにするためです。

Post NetWare 5スキーマの更新

post-NetWare 5 DSの変更に伴い、互換性を確保するためにスキーマを拡張および変更します。このオプションを使用するには、ndsrepairが実行されているサーバがツリーパーティションのレプリカを保持していて、レプリカのステータスがオンである必要があります。

オプションスキーマ拡張機能

包含やその他の拡張機能をスキーマに追加し、変更します。このオプションを使用するには、このサーバがツリーパーティションのレプリカを保持し、レプリカのステータスがオンである必要があります。さらに、ツリー内のすべてのNetWare 4サーバに次のバージョンのeDirectoryがインストールされている必要があります。

  • NetWare 4.10サーバでは、NDSバージョン5.17以降が必要です。
  • NetWare 4.11/4.2サーバでは、NDSバージョン6.03以降が必要です。

旧バージョンのNDSでは、これらの変更内容を同期できません。

リモートスキーマのインポート(詳細設定スイッチオプション)

現在のツリーのスキーマに追加するスキーマを含むeDirectoryツリーを選択します。ツリーを選択すると、ツリーパーティションのマスタレプリカを保持するサーバに接続されます。現在のツリー上にあるスキーマを拡張するには、そのサーバのスキーマが使用されます。

新規エポックの宣言(詳細設定スイッチオプション)

新しいスキーマエポックを宣言すると、ツリーパーティションのマスタレプリカにアクセスし、そのサーバで宣言されるスキーマの無効なタイムスタンプが修復されます。他のすべてのサーバは、修復されたタイムスタンプを保持する新しいスキーマのコピーを受け取ります。受け取る側のサーバが新規エポック内に存在しなかったスキーマを含む場合は、古いスキーマを使用するオブジェクトおよび属性が「不明」オブジェクトクラスまたは属性に変更されます。


[レプリカ操作とパーティション操作]オプション

サーバに保存された各レプリカの情報を表示するには、次のコマンドを入力します。

ndsrepair -P

必要なレプリカを選択します。次のオプションが表示されます。


[このデータベースに認識されているサーバ]のオプション

サーバでは次の修復オプションが使用できます。


標準修復を実行し、/root/ndsrepair.logファイルにイベントを記録する場合(またはログファイルがすでに存在していればそのログファイルに追加してイベントを記録する場合)は、次のコマンドを入力します。

ndsrepair -U -A no -F /root/ndsrepair.log

すべてのグローバルスキーマ操作とその詳細設定オプションのリストを表示するには、次のコマンドを入力します。

ndsrepair -S -Ad

データベースを強制ロックしてローカルデータベースを修復するには、次のコマンドを入力します。

ndsrepair -R -l yes

注:  ndsrepairコマンドの入力内容は、オプションファイルによってリダイレクトできます。オプションファイルは、レプリカおよびパーティション操作に関連するオプションやサブオプションを含むテキストファイルです。これらはサーバに対する認証を必要としません。各オプションまたはサブオプションは改行によって区切られます。ファイルの内容が、適切な順序で指定されていることを確認します。適切な順序になっていないと、予期しない結果が発生する場合があります。


ndsrepairのトラブルシューティング


エラー - 786 ndsrepairの実行中

ndsrepairの実行中は、コンピュータの特定のパーティション内にDIB空き領域の3倍のサイズが必要です。


ndstraceの使用

ndstraceユーティリティは、次の3つの主要部分で構成されています。


基本機能

ndstraceの基本機能は次のとおりです。

ndstrace画面を起動するには、サーバプロンプトで次のコマンドを入力します。

/usr/bin/ndstrace

ndstraceの基本機能を開始するには、次の構文を使用してサーバプロンプトでコマンドを入力します。

ndstrace command_option

次の表では、入力可能なコマンドオプションのリストを示します。

オプション 説明

ON

基本トレースメッセージを含むeDirectoryトレース画面を起動します。

OFF

トレース画面を無効にします。

ALL

eDirectoryトレース画面を起動し、すべてのトレースメッセージを表示します。

AGENT

ON、BACKLINK、DSAGENT、JANITOR、RESNAME、およびVCLIENTフラグと同等のトレースメッセージを含むeDirectoryトレース画面を開始します。

DEBUG

デバッグに通常使用する定義済みのトレースメッセージのセットを有効にします。設定されるフラグは、ON、BACKLINK、ERRORS、EMU、FRAGGER、INIT、INSPECTOR、JANITOR、LIMBER、MISC、PART、RECMAN、REPAIR、SCHEMA、SKULKER、STREAMS、およびVCLIENTです。

NODEBUG

トレース画面は使用可能なままで、以前に設定したデバッギングメッセージはすべて無効にします。このオプションでは、メッセージもONのコマンドオプションが設定された状態のままになります。


デバッギングメッセージ

ndstrace画面が使用可能な場合、デフォルトのフィルタの設定に基づいて情報が表示されます。デフォルトで表示される情報の内容を変更するには、デバッギングメッセージフラグを使用してフィルタを操作します。デバッギングメッセージにより、eDirectoryのステータスを確認し、問題が発生していないかどうかを検証できます。

各eDirectory処理には、デバッギングメッセージのセットが含まれています。個々の処理中にそのデバッギングメッセージを表示するには、プラス記号(+)、および該当する処理名またはオプションを使用します。処理を表示しない場合は、マイナス記号(-)、および該当する処理名またはオプションを使用します。次に例を示します。

メッセージ 説明

set ndstrace = +SYNC

同期メッセージを表示します。

set ndstrace = -SYNC

同期メッセージを非表示にします。

set ndstrace = +SCHEMA

スキーマメッセージを表示します。

また、ブール演算子の&(AND)および|(OR)を使用して、デバッギングメッセージのフラグを結合することもできます。サーバコンソールでデバッギングメッセージを制御する構文は、次のとおりです。

set ndstrace = +trace_flag [trace_flag]

または

set ndstrace = +trace_flag> [&trace_flag]

次の表では、デバッギングメッセージ用のトレースフラグについて説明します。各トレースフラグは略語で入力できます。

トレースフラグ 説明

ABUF

eDirectoryリクエストとの連携、またはeDirectoryリクエストへの応答として受信されたデータを含む、インバウンドおよびアウトバウンドパケットバッファに関するメッセージと情報です。

ALOC

メモリ割り当ての詳細について示すメッセージです。

AREQ

他のサーバまたはクライアントからのインバウンド要求に関するメッセージです。

AUTH

認証に関するメッセージとエラーレポートです。

BASE

最小限のデバッギングレベルでのデバッグエラーメッセージ。

BLNK

バックリンクとインバウンドの破損通知メッセージおよびエラーレポートです。

CBUF

アウトバウンドDSクライアントリクエストに関するメッセージです。

CHNG

キャッシュ変更メッセージです。

COLL

以前に更新内容を受信したときのオブジェクトの更新情報に関するステータスおよびエラーレポートです。

CONN

ローカルサーバが接続を試みている相手のサーバ、およびローカルサーバが接続できない原因となっている可能性のあるエラーとタイムアウトについての情報を示すメッセージです。

DNS

eDirectory統合DNSサーバプロセスに関するメッセージです。

DRLK

分散リファレンスリンクメッセージです。

DVRS

eDirectoryが機能している可能性のあるDirXML(R)ドライバ固有のエリアを示すメッセージです。

DXML

DirXMLイベントの詳細について示すメッセージです。

FRAG

eDirectoryメッセージをNCPサイズのメッセージに分解する、NCPTMフラッガからのメッセージです。

IN

インバウンドの要求およびプロセスに関するメッセージです。

INIT

eDirectoryの初期化に関するメッセージです。

INSP

ソースサーバのローカルデータベース内のオブジェクトの整合性に関するメッセージです。このフラグを使用すると、ソースサーバのディスクストレージシステム、メモリ、プロセッサの要求量が増加します。オブジェクトが破損しない限り、このフラグは有効に設定しないでください。

JNTR

ジャニタ、レプリカの同期、フラットクリーナなどのバックグラウンド処理に関するメッセージです。

LDAP

LDAPサーバに関するメッセージです。

LMBR

リンバ処理に関するメッセージです。

LOCK

ソースサーバのローカルデータベースロックの使用および操作に関するメッセージです。

LOST

消失エントリに関するメッセージです。

MISC

eDirectory内の異なるソースからのメッセージです。

MOVE

パーティションの移動操作、またはサブツリーの移動操作からのメッセージです。

NCPE

NCPレベルのリクエストを受信したサーバを示すメッセージです。

NMON

iMonitorに関するメッセージです。

OBIT

破損通知処理からのメッセージです。

PART

バックグラウンド処理およびリクエスト処理からのパーティション操作に関するメッセージです。

PURG

パージ処理に関するメッセージです。

RECM

ソースサーバのデータベースの操作に関するメッセージです。

RSLV

名前解決要求の処理に関するメッセージです。

SADV

SLP (Service Location Protocol)のツリー名とパーティションの登録に関するメッセージです。

SCMA

スキーマの同期処理に関するメッセージです。

SCMD

スキーマ関連の操作の詳細について示すメッセージです。インバウンド同期とアウトバウンド同期の両方についての詳細を示します。

SKLK

レプリカの同期処理に関するメッセージです。

SPKT

eDirectory NCPサーバレベルの情報に関するメッセージです。

STRM

ストリーム構文の属性の処理に関するメッセージです。

SYDL

レプリケーション処理時の詳細について示すメッセージです。

SYNC

インバウンド同期トラフィック(サーバ側で受信される内容)についてのメッセージです。

TAGS

トレースオプションを識別するタグ文字列が表示されます。このトレースオプションでは、トレース処理で表示される各行のイベントが生成されます。

THRD

バックグラウンド処理(スレッド)の開始時と終了時を示すメッセージです。

TIME

同期処理時に使用される遷移ベクトルに関するメッセージです。

TVEC

Synchronize Up To、レプリカ、および遷移ベクトルなどの属性に関するメッセージです。

VCLN

他のサーバへの接続の確立または切断に関するメッセージです。

ndstraceでデバッギングメッセージを使用していると、特に便利なトレースフラグがあることが分かります。Novellサポートで多く使用されているndstrace設定には、次のようなショートカットがあります。

set ndstrace = A81164B91

この設定を使用すると、複数のデバッギングメッセージを1つのグループとして使用できます。


バックグラウンド処理

eDirectoryのステータスを確認できるデバッギングメッセージの他に、eDirectoryバックグラウンド処理を強制的に実行するコマンドのセットも用意されています。バックグラウンド処理を強制的に実行するには、コマンドの先頭にアスタリスク(*)を付けます。次に例を示します。

set ndstrace = *H

また、いくつかのバックグラウンド処理のステータス、タイミング、および制御を変更することもできます。これらの値を変更するには、コマンドの先頭に感嘆符(!)を付けて新しいパラメータまたは値を入力します。次に例を示します。

set ndstrace = !H 15 (parameter_value_in_minutes)

eDirectoryバックグラウンド処理を制御する各ステートメントの構文を次に示します。

set ndstrace = *trace_flag [parameter]

または

set ndstrace = !trace_flag [parameter]

次の表では、バックグラウンド処理のトレースフラグ、必要なパラメータ、およびトレースフラグが表示する処理のリストを示します。

トレースフラグ パラメータ 説明

*A

None

ソースサーバのアドレスキャッシュをリセットします。

*AD

None

ソースサーバのアドレスキャッシュを無効にします。

*AE

None

ソースサーバのアドレスキャッシュを有効にします。

*B

None

ソースサーバ上で1秒後にバックリンク処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!B

時間

バックリンク処理の実行間隔を分単位で設定します。

デフォルトは1500分(25時間)です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

*CT

None

ソースサーバのアウトバウンド接続テーブルと、テーブルの現在の統計情報を表示します。これらの統計情報には、他のサーバやクライアントからソースサーバへのインバウンド接続に関する情報は含まれていません。

*CTD

None

コンマ区切りの形式で、ソースサーバのアウトバウンド接続テーブルと、テーブルの現在の統計情報を表示します。これらの統計情報には、他のサーバやクライアントからソースサーバへのインバウンド接続に関する情報は含まれていません。

*D

レプリカrootEntry ID

指定したローカルエントリIDをソースサーバの[すべてのオブジェクトを送信]リストから削除します。エントリIDでは、サーバのローカルデータベースで固有のパーティションルートオブジェクトを指定する必要があります。通常、このコマンドは、サーバのアクセス不能が原因でSend All Updates処理が何度試みられても失敗する場合にのみ使用します。

!D

時間

インバウンド同期およびアウトバウンド同期の間隔を指定した分数に設定します。

デフォルトは24分です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

!DI

時間

インバウンド同期の間隔を指定した分数に設定します。

デフォルトは24分です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

!DO

時間

アウトバウンド同期の間隔を指定した分数に設定します。

デフォルトは24分です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

*E

None

ソースサーバのエントリキャッシュを再初期化します。

!E

None

インバウンド同期およびアウトバウンド同期処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!EI

None

インバウンド同期処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!EO

None

アウトバウンド同期処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

*F

None

ジャニタ処理の一部として、フラットクリーナ処理の実行がソースサーバ上で5秒後に開始されるようにスケジューリングします。

!F

時間

フラットクリーナ処理の実行間隔を分単位で設定します。

デフォルトは240分(4時間)です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

*G

レプリカrootEntry ID

指定したルートパーティションIDの変更キャッシュを再構築します。

*H

None

ソースサーバ上で直ちににレプリカ同期処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!H

時間

ハートビート同期処理の実行間隔を分単位で設定します。

デフォルトは30分です。
値の範囲は2〜1440分(24時間)です。

*HR

None

メモリ内で最後に送信されたベクトルを消去します。

*I

レプリカrootEntry ID

指定したローカルエントリIDをソースサーバの[すべてのオブジェクトを送信]リストに追加します。エントリIDでは、サーバのローカルデータベースで固有のパーティションルートオブジェクトを指定する必要があります。レプリカの同期処理では、[すべてのオブジェクトを送信]リストがチェックされます。パーティションのルートオブジェクトのエントリIDがリスト内に存在する場合、Synchronized Up To属性の値に関係なく、eDirectoryによってパーティション内のすべてのオブジェクトと属性が同期されます。

!I

時間

ハートビート同期処理の実行間隔を分単位で設定します。

デフォルトは30分です。
値の範囲は2〜1440分(24時間)です。

*J

None

レプリカの同期処理の一部として、ソースサーバ上でパージ処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!J

時間

ジャニタ処理の実行間隔を分単位で設定します。

デフォルトは2分です。
値の範囲は1〜10080分(168時間)です。

*L

None

ソースサーバ上で5秒後にリンバ処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

*M

Bytes

ソースサーバのndstrace.logファイルで使用する最大ファイルサイズを変更します。このコマンドは、デバッグファイルのステータスに関係なく使用できます。bytesの値は10000バイトから100MBまでの範囲で指定します。この範囲外の値が指定された場合、変更は発生しません。

!M

None

eDirectoryで使用されるメモリの最大量をレポートします。

!N

0|1

名前の形式を設定します。

0の場合は16進数のみです。
1の場合は完全ドット形式です。

*P

None

調整可能なパラメータとそのデフォルトの設定を表示します。

*R

None

TTFファイルをリセットします。デフォルトではsys:system\ndstrace.dbgファイルです。このコマンドは、SETパラメータのNDS Trace File Length Set to Zeroと同じ働きをします。

*S

None

サーバ上のレプリカを同期する必要があるかどうかをチェックするスカルク処理をスケジューリングします。

!SI

時間

インバウンドスキーマ同期処理の実行間隔を分単位で設定します。

デフォルトは24分です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

!SO

時間

アウトバウンドスキーマ同期処理の実行間隔を分単位で設定します。

デフォルトは24分です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

!SIO

時間

時間を分単位で指定し、その間のインバウンドスキーマ同期処理を無効にします。

デフォルトは24分です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

!SO0

時間

時間を分単位で指定し、その間のインバウンドスキーマ同期処理を無効にします。

デフォルトは24分です。
値の範囲は2〜10080分(168時間)です。

*SS

None

強制的に即時スキーマの同期を実行します。

*SSA

None

スキーマの同期処理の実行を即時に開始するようにスケジューリングします。過去24時間に同期が実行されていた場合でも、すべてのターゲットスキーマでスキーマの同期が強制的に実行されます。

*SSD

None

ソースサーバの[ターゲットスキーマ同期]リストをリセットします。このリストでは、スキーマの同期処理の実行中にソースサーバと同期する必要のあるサーバが識別されます。レプリカを保持していないサーバは、サーバオブジェクトとレプリカを保持しているサーバのターゲットリストに包含されるように要求を送信します。

*SSL

None

ターゲットサーバのスキーマ同期リストを印刷します。

*ST

None

ソースサーバ上のバックグラウンド処理のステータス情報を表示します。

*STX

None

ソースサーバ上のバックリンク処理(外部参照)のステータス情報を表示します。

*STS

None

ソースサーバ上のスキーマ同期処理のステータス情報を表示します。

*STO

None

ソースサーバ上のバックリンク処理(破損通知)のステータス情報を表示します。

*STL

None

ソースサーバ上のリンバ処理のステータス情報を表示します。

!T

時間

サーバの稼動状態のチェックの実行間隔を分単位で設定します。

デフォルトは30分です。
値の範囲は1〜720分(12時間)です。

*U

サーバのオプションのID

コマンドにエントリIDが含まれていない場合は、以前に「down」から「up」にラベルが付加された任意のサーバのステータスを変更します。コマンドにローカルエントリIDが含まれている場合は、指定されたサーバのステータスを「down」から「up」に変更します。エントリIDは、ソースサーバのデータベースで固有であり、サーバを表すオブジェクトを参照する必要があります。

!V

リスト

制限のあるeDirectoryバージョンのリストを表示します。バージョンが表示されない場合は制限がないことを示します。各バージョンはコンマで区切られます。

*Z

None

現在、スケジューリングされているタスクを表示します。