DSRepairのカスタムオプション
各eDirectoryプラットフォームのDSRepairユーティリティには、Novell iManagerで利用可能な修復機能のほかにも、通常の操作からは見えない拡張機能がいくつかあります。これらの拡張機能は、さまざまなプラットフォームでDSRepairユーティリティをロードする際にスイッチを使用して利用できます。
eDirectoryサーバ上でDSRepairを実行する
NetWareの場合
DSRepairを実行するには、サーバコンソールで「srepair.nlm」と入力します。
カスタムオプションでDSRepairを開くには、サーバコンソールで「dsrepair -a」と入力します。
Windowsの場合
-
[スタート]>[設定]>[コントロールパネル]>[Novell eDirectory Services]の順にクリックします。
-
dsrepair.dlmをクリックして、[開始]をクリックします。
カスタムオプションでDSRepairを開くには、Novell eDirectory Servicesコンソールの[起動パラメータ]フィールドに「-a」と入力し、dsrepair.dlmを開始します。
Linux、Solaris、AIX、およびHP-UXの場合
DSRepairを実行するには、サーバコンソールに次の構文を使用して「ndsrepair」と入力します。
ndsrepair { -U | -E | -C | -P [-Ad] | -S [-Ad] | -N | -T | -J entry_id | --version} [-F filename] [-A yes|no] [-O yes|no]
または
ndsrepair -R [-l yes|no] [-u yes|no] [-m yes|no] [-i yes|no] [-f yes|no][-d yes|no] [-t yes|no] [-o yes|no][-r yes|no] [-v yes|no] [-c yes|no] [-F filename] [-A yes|no] [-O yes|no]
重要: -Adオプションは、Novellサポート担当者からの事前の指示がない限り使用しないでください。
例
無人修復を実行し、/root/ndsrepair.logファイルにイベントを記録する場合(またはログファイルがすでに存在していればそのログファイルに追加してイベントを記録する場合)は、次のコマンドを入力します。
ndsrepair -U -A no -F /root/ndsrepair.log
カスタムオプションでDSRepairを開くには、次のコマンドを入力します。
ndsrepair -Ad
すべてのグローバルスキーマ操作とその詳細設定オプションのリストを表示するには、次のコマンドを入力します。
ndsrepair -S -Ad
データベースを強制ロックしてローカルデータベースを修復するには、次のコマンドを入力します。
ndsrepair -R -l yes
注: ndsrepairコマンドの入力内容は、オプションファイルによってリダイレクトできます。オプションファイルは、レプリカおよびパーティション操作に関連するオプションやサブオプションを含むテキストファイルです。これらはサーバに対する認証を必要としません。各オプションまたはサブオプションは改行によって区切られます。ファイルの内容が、適切な順序で指定されていることを確認します。適切な順序になっていないと、予期しない結果が発生する場合があります。
DSRepairコマンドラインオプション
-U |
[標準修復]オプションです。ユーザの操作なしにndsrepairを実行または終了します。Novellサポート担当者から特定の操作を手動で実行するように指示された場合を除き、この修復方法の使用をお勧めします。修復が完了したらログファイルをチェックして、ndsrepairで変更された内容を確認します。 |
-P |
[レプリカ操作とパーティション操作]オプションです。現在のサーバのeDirectoryデータベースファイルにレプリカが保存されているパーティションが表示されます。[レプリカオプション]メニューには、「レプリカの修復」、「パーティション操作のキャンセル」、「同期のスケジューリング」、および「ローカルレプリカをマスタレプリカとして指定」を実行するオプションがあります。 |
-S |
[グローバルスキーマの操作]オプションです。このオプションには、このサーバのスキーマをツリーオブジェクトのマスタに準拠させるのに必要なスキーマ操作がいくつか含まれています。ただし、これらの操作は必要なときだけ使用してください。スキーマは、ローカル修復操作および無人修復操作によってすでに検査されています。 |
-C |
[外部参照オブジェクトのチェック]オプションです。各外部参照オブジェクトをチェックして、そのオブジェクトを含むレプリカがあるかどうかを調べます。オブジェクトのあるパーティションレプリカを含むすべてのサーバがアクセス不能の場合、オブジェクトは見つかりません。オブジェクトが見つからない場合、警告が表示されます。 |
-E |
[レプリカ同期のレポート]オプションです。現在のサーバ上にレプリカを持つすべてのパーティションのレプリカ同期ステータスをレポートします。この操作により、パーティションのレプリカを保持する各サーバ上のレプリカのツリーオブジェクトから同期ステータス属性が読み込まれます。レポートには、すべてのサーバに対して正常に同期が行われた最終時刻と、最終同期以降発生したエラーが表示されます。12時間以内に同期が完了していない場合は、警告メッセージが表示されます。 |
-N |
[このデータベースに認識されているサーバ]オプションです。ローカルeDirectoryデータベースに認識されているすべてのサーバが表示されます。現在のサーバにツリーパーティションのレプリカがある場合、このサーバにはeDirectoryツリー内のすべてのサーバのリストが表示されます。 サーバオプションを実行するサーバを1つ選択します。 |
-J |
ローカルサーバ上の1つのオブジェクトを修復します。修復するオブジェクトのエントリID(16進形式)を指定する必要があります。破損している1つの特定のオブジェクトを修復するには、[標準修復(-U)]オプションの代わりに、このオプションを使用できます。データベースのサイズによっては、[標準修復]オプションの完了に何時間もかかる場合があります。このオプションを使用して、時間を節約することができます。 |
-T |
[時刻同期]オプションです。ローカルeDirectoryデータベースに登録されているすべてのサーバにアクセスして、各サーバの時刻同期ステータスの情報を要求します。このサーバにツリーパーティションのレプリカがある場合は、eDirectoryツリー内のすべてのサーバがポーリングされます。各サーバ上で実行されているeDirectoryのバージョンもレポートされます。 |
-A |
既存のログファイルに付加します。既存のログファイルに情報が追加されます。このオプションは、デフォルトで有効に設定されています。 |
-O |
出力をファイルに記録します。このオプションは、デフォルトで有効に設定されています。 |
-F filename |
出力を指定したファイルに記録します。 |
-R |
[ローカルデータベースの修復]オプションです。ローカルeDirectoryデータベースを修復します。eDirectoryでオープンおよびアクセスできるように、修復操作を使用してローカルデータベースの矛盾を解決します。このオプションには、データベースの修復操作を容易にするサブオプションがあります。このオプションにはファンクション修飾子があります。ファンクション修飾子については、次の表で説明します。 |
-Rオプションで使用するファンクション修飾子を次に示します。
-l |
修復操作中にeDirectoryデータベースをロックします。 |
-u |
修復操作中に一時eDirectoryデータベースを使用します。 |
-m |
修復されていない元のデータベースを維持します。 |
-i |
eDirectoryデータベース構造とインデックスをチェックします。 |
-f |
データベースの空き領域を増やします。 |
-d |
データベース全体を再構築します。 |
-t |
ツリー構造のチェックを実行します。データベース内での接続状況が正しいかどうかを調べるため、ツリー構造のリンクをすべてチェックするには、「はい」を設定します。チェックを省略するには、「いいえ」を設定します。デフォルト値は「はい」です。 |
-o |
オペレーショナルスキーマを再構築します。 |
-r |
すべてのローカルレプリカを修復します。 |
-v |
ストリームファイルを確認します。 |
-c |
ローカル参照をチェックします。 |
DSRepair詳細設定スイッチの使用
警告:
このセクションで説明する機能は、正しく使用しないとeDirectoryツリーが破損して元に戻せないことがあります。Novellサポート担当者からの指示がない限り、この機能は使用しないでください。
生産環境でこれらのうちのいずれかの機能を使用する前に、あらかじめサーバ上のeDirectoryのフルバックアップをとっておくことをお勧めします。詳細については、Novell eDirectoryのバックアップと復元を参照してください。
NetWareでは、DSRepair(dsrepair -XK2など)をロードするときに、サーバコンソールでこれらのオプションを使用します。
Linux、Solaris、AIX、およびHP-UXでは、「ndsrepair -R -Ad -XK2」と入力します。
Windowsでは、dsrepair.dlmを開始する前に、NDSコンソールの[起動パラメータ]フィールドにこれらのオプションを入力します。詳細については、eDirectoryサーバ上でDSRepairを実行するを参照してください。
-NLC |
NetWareサーバで「STORE NETWARE 5 CONN SCL MLA USAGE IN NDS」セットパラメータがオンになった場合、「NLS:CERT PEAK USED POOL」属性は非常に大きい値を取得する場合があります。DSRepairを-NLCオプションで実行すると、こうした大きい値はクリアされます。 |
-P |
タイプが不明なeDirectoryオブジェクトをすべて、参照済みとしてマークします。参照されたオブジェクトは、eDirectoryレプリカ同期処理の対象にはなりません。 |
-WM |
多くの場合、WMは次のようになります。ZENworks(R) 2.0を使用すると「Registered Workstations(登録されたワークステーション)」属性は大きい値になります。DSRepairを-WMオプションで実行すると、こうした大きい値はクリアされます。 |
-XK2 |
このサーバのeDirectoryデータベース内にあるeDirectoryオブジェクトをすべて削除します。この操作では、破損したレプリカがどんな方法を使っても削除できない場合に、破損レプリカを削除できます。 |
-XK3 |
このサーバのeDirectoryデータベース内にある外部参照をすべて削除します。この操作では、機能していないレプリカ内の外部参照をすべて削除できます。参照が原因で問題が発生している場合、レプリカが再度機能するために、eDirectoryは参照を再作成できます。 |