第1章

ページフローおよびXFormsについて

この章では、exteNd Directorアプリケーションでの、ページフローおよびXFormsの使用方法の概要について説明します。この章には、次のトピックが含まれています。

 
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ページフローとは

ページフロー」は、単一のポートレット内で実行するページのセットに対するコントールフローを定義します。 各ページには、ユーザが操作できるコントロールのセットが表示されます。たとえば、フローのページは、ユーザが株式相場や天気予報を表示したり、従業員情報などの企業データにアクセスする方法を提供します。

フロー内のページでは、次の技術を使用してユーザのプレゼンテーションを定義できます。

ページフローは、ユーザ操作用にページを表示するほかに、バックグラウンド処理タスクを実行できます。 たとえば、ページフローは、Webサービスを起動したり、データベースにアクセスしたり、または、単純にJavaで記述されたコードを実行します。

ウィザード   データベースアクセスを容易にするため、exteNd Directorにはページフローを作成するツールがあり、ユーザはデータベース内でレコードを検索、表示、および変更できます。exteNd Directorでは、データベースページフローウィザードがこれらのページフローを作成する手助けをします。 データベースページフローウィザードは、複数のフォームを統合されたユーザインタフェースに結び付ける1つ以上のページフローを生成するだけではなく、フォームのセット(XFromsの技術を使用するXHTMLページ)を生成します。

exteNd Directorには、Webサービスを起動するページフローの作成ツールも用意されています。 これらの種類のフロー作成を手助けするため、exteNd Directorでは、Webサービスページフローウィザードが提供されています。また、exteNd Directorでは、ComposerページフローウィザードがexteNd Composer\x99 サービスを活用する手助けをします。

 
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ページフローコンポーネント

ページフローアプリケーションの中心になるのは、ページフローモデラーを使用してユーザが仮想的に作成するXMLファイル、「プロセス記述子」です。 プロセス記述子の視覚的な表示である「ページフロープロセス」は、分岐する一連のアクティビティやリンクで、ポートレット内で一連のユーザ操作をモデル化します。 これらが、ページフロープロセスの最も重要な部分です。

プロセスコンポーネント

説明

アクティビティ

タスクを表すオブジェクト。 アクティビティは、ユーザに情報を表示してユーザ操作に応答するか、ユーザには見えないバックグラウンド機能を実行します。

For more information    アクティビティの詳細については、を参照してください。

リンク

フローのルーティングロジックでパスを表すオブジェクト。 リンクはアクティビティをポイントします。

リンクとは、ページフローの中で複数のアクティビティをまとめるものです。 リンクは、2つのアクティビティをつなぐ単一の論理的なパスです。 また、リンクは、アクティビティ間でデータを移動できます。 アクティビティは、複数のソース(着信)リンクおよび複数の宛先(発信)リンクを持つことができます。

For more information    リンクの詳細については、を参照してください。

 
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ページフローデータ

典型的なページフロープロセスには、ページフローユーザまたはプログラムロジックにより操作されたデータが含まれます。 ページフローでデータにアクセスするには、スコープパスを使用します。exteNd Directorには、スコープパスAPIを通じてページフローモデラーおよびワークフローモデラーから利用できる、事前定義されたスコープパスのグループが含まれます。

For more information    スコープパスの詳細については、ページフローでのスコープパスの使用を参照してください。

 
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ページフローエンジン

ページフローエンジン」は、ワークフロープロセスを実行および管理します。 また、ページフローモデラーを使用して作成されたプロセス記述子を使用して、次の処理を行います。

 
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ワークフローおよびページフロー

ページフローは、exteNd Directorワークフローモデルと比較すると理解しやすくなります。 ワークフローとページフローは同様のメカニズムを共有していますが、ページフローには次に示すいくつかの特徴があります。

ワークフロー

ページフロー

プロセスベース

ワークフローは、数日または数週間に渡る線的なビジネスプロセスです。

セッションベース

ページフローは、本質的に制限がなく、通常は持続期間もより短く(1時間以下)なります。

一定の開始ポイント

何らかの特定のイベントまたは状況により、プロセスインスタンスが起動されます。 これには、月次通知のようなシステム生成イベントか、または電話による販売処理でのユーザ処理が考えられます。

設計済みの入力ポイント

入力ポイントはページフロー自身によって決定され、通常は、ページフローがワークフローで使用されていない限り、外部のイベントによって起動されることはありません。

複数のユーザ

ワークフローでは、複数のユーザが各アクティビティで一連のタスクを実行することが想定されます。

単一のユーザ

ページフローアプリケーションは、単一のユーザにより操作されます。

持続的なデータ

インスタンスデータはセッションの外に格納される必要があるため、ワークアイテムは後続するアクティビティに渡されます。

セッションデータ

アプリケーションは持続的なデータにアクセスできますが、ページフローは現在のセッションに格納されているデータに依存します。

一定の終了ポイント

何らかの特定のイベントまたは状況により、プロセスインスタンスが終了されます。 販売注文処理では、顧客が受領を確認するまではビジネスプロセスを終了できません。

ユーザ制御の終了ポイント

何らかの特定のアクションによりワークフローが起動されることもありますが、ユーザがセッションを終了する時期を選択します。

注記:   ワークフローとページフローは異なる種類のアプリケーションですが、ワークフローのサブシステムはこれらを統合する機能を備えています。 ユーザは、ワークフローモデラーのページフローアクティビティを使用して、ワークフローにページフローを埋め込むことができます。 また、Javaアクティビティを使用してページフローからワークフロープロセスを開始することもできます。

For more information    ワークフローでのページフローでの埋め込みの詳細については、『ワークフローガイド』のアクティビティに関する章を参照してください。 ワークフロープロセスをページフローから開始する詳細については、例: ワークフロープロセスの開始を参照してください。

 
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XForms技術とは

XForms」は、Webフォームを定義するための堅牢な標準ベースの方法を備えています。XForms標準の利点は、次のとおりです。

XFormsは、スタンドアロンアプリケーションとしては稼動できません。 XHTMLのようにホスト言語内で、コンポーネントとして実行するように設計されています。 Novellの実装では、XFormsは、ページフローアプリケーションのコンテキスト内で実行します。

 
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ページフローモデラーについて

開発環境に統合される「ページフローモデラー」と呼ばれる完全なグラフ作成パッケージにより、すばやく視覚的にページフロープロセスを作成することができます。 ページフローモデラーを使用すると、次のことが可能になります。

ページフローを保存すると、ページフローモデラーは、ドキュメントを「プロセス定義」と呼ばれるXMLベースのファイルに変換します。 プロセス定義は、ページフローのレイアウトと形式を保存し、ページフローエンジンが読み込んで実行できるようにフローロジックをプログラムに変換します。

また、はページフローをページフローランナーにマップする「ポートレットフラグメント展開記述子」を保存します。 ページフローランナーは、ポートレットとして実装されるJavaクラスです。

 
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フォームデザイナについて

exteNd Directorのフォームデザイナは、XForms 1.0準拠のWebフォームの開発環境を提供します。 フォームデザイナは、ページフローアプリケーションで使用するXFormsコンポーネントをすばやく作成できるグラフィックな開発ツールです。



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