2.4 ドライバ環境設定ファイルのアップグレード方法

既存のドライバとそのポリシーをアップグレードするには、さまざまな方法があります。Identity Managerにはカスタマイズしたポリシーをマージするためのマージプロセスがないため、簡単な方法はありません。ドライバをアップグレードすると、新しいドライバ内にあるポリシーと同じ名前のポリシーは上書きされます。ポリシーをカスタマイズしている場合、それらのポリシーは上書きされ、カスタマイズの内容は失われます。

この問題を解決してアップグレードする方法は数多くありますが、この項では2種類のアップグレード方法について説明します。どちらの方法にも長所と短所があります。

2.4.1 新しいドライバをインストールして古いドライバから既存のポリシーを移動する方法

この方法の長所は次のとおりです。

  • 既存のポリシーが上書きされない。

この方法の短所は次のとおりです。

  • 同期したオブジェクトの関連付けがすべて失われ、再作成、展開、および再ロードする必要がある。

  • 関連付けを再度作成するために時間がかかる。特定の関連付けに依存するポリシーがある場合、そのポリシーは動作しなくなります。

  • ポリシーとルールが正確に復元されたことを確認する作業が複雑である。

2.4.2 新しいドライバ環境設定ファイルを既存のドライバにオーバーレイする方法

この方法による影響は、ポリシーの設定内容に応じて変わります。

長所は次のとおりです。

  • ドライバ環境設定ファイル内のポリシーとは異なる名前がポリシーに付いている場合、それらのポリシーは上書きされない。

  • 同期したオブジェクトの関連付けは現状のまま残り、再作成する必要がない。

短所は次のとおりです。

  • ドライバ環境設定ファイル内のポリシーと同じ名前がポリシーに付いている場合、それらのポリシーは上書きされる。

このアップグレードオプションを推奨します。ただし、このアップグレード方法を機能させるには、ポリシーを作成するために特定の方法を用意する必要があります。

  • ポリシーの開発時には、ポリシーのアップグレード時と同じ手順に従う必要があります。

  • 既存のNovellポリシーまたはルールは変更しないでください。

  • デフォルトのポリシーを使用しない場合は、ポリシーを無効にしますが、削除はしないでください。

  • ビジネスニーズに合った目的の結果を達成する新しいポリシーまたはルールを作成します。

  • ポリシーに名前を付ける際には、会社の標準の命名モデルを使用します。

  • ポリシーの名前には、そのポリシーが保存されているポリシーセットを示すプレフィックスを付けます。これにより、ポリシーの接続先のポリシーセットを判断できます。

これらの方法を用意したら、セクション 2.5, ドライバ環境設定の推奨アップグレード手順に従ってドライバ環境設定をアップグレードします。