パーティションおよびレプリカの管理

パーティションは、NDS(R)ツリー内の個別のデータユニットを構成するNDSデータベースの論理区分です。システム管理者は、パーティションを利用してNDS情報を格納し、レプリカを作成します。各パーティションは、コンテナオブジェクト、コンテナオブジェクトに含まれるすべてのオブジェクト、およびこれらのオブジェクトについての情報で構成されます。パーティションには、ファイルシステムに関する情報、またはパーティションに含まれるディレクトリやファイルに関する情報はありません。

各サーバに NDSデータベース全体のコピーを保存する代わりに、NDSパーティションのコピーを作成してそれをネットワーク内の複数のサーバ上で保存できます。パーティションのそれぞれのコピーはレプリカと呼ばれます。各NDSパーティションのレプリカは任意の数だけ作成することができ、任意のサーバに保存することができます。レプリカのタイプには、マスタ、読み書き可能、読み込み専用、サブオーディネートリファレンス、フィルタ済み読み書き可能、およびフィルタ済み読み込み専用があります。

表 28で、レプリカタイプについて説明します。


表 28. レプリカのタイプ

レプリカ 説明

マスタ、読み書き可能、および読み込み専用のレプリカ

特定のパーティションのすべてのオブジェクトおよび属性が含まれます。

サブオーディネートリファレンス

ツリーの接続のために使用されます。

フィルタ済みレプリカ

パーティション全体の情報のサブセットで、必要なクラスおよび属性が含まれます。必要なクラスおよび属性は、サーバのレプリケーションフィルタによって定義されます。レプリケーションフィルタは、着信同期やローカルでの変更時にどのクラスおよび属性をレプリカに含めるかを識別するために使用されます。

フィルタ済みレプリカによって、管理者はまばらで断片的なレプリカを作成することができます。

  • スパースレプリカ:指定したオブジェクトクラスだけが含まれます。
  • 断片レプリカ:指定した属性だけが含まれます。

フィルタ済みレプリカの機能によって、アプリケーションがNDS eDirectoryに格納されているデータを取得するときのレスポンスが迅速になります。また、フィルタ済みレプリカを使用すると、1つのサーバに、より多くのレプリカを保存することができます。

読み書き可能フィルタ済みレプリカ

サーバのレプリケーションフィルタのサブセットであるクラスおよび属性をローカルで変更できます。ただし、これらのレプリカを作成できるのは、レプリケーションフィルタ内にそのクラスの必須属性がすべて含まれている場合のみです。

読み込み専用フィルタ済みレプリカ

これらのレプリカはローカルで変更できません。

このセクションでは、パーティションおよびレプリカの管理方法を説明します。