LinuxおよびSolaris上のeDirectoryのトラブルシューティング

このセクションでは、LinuxまたはSolarisネットワーク上のeDirectoryのトラブルシューティングについての情報を記載します。


LinuxおよびSolaris上のConsoleOneのトラブルシューティング

ConsoleOneのトラブルシューティングの詳細については、『ConsoleOneユーザガイド』の「トラブルシューティング」を参照してください。


eDirectoryツリーをブラウズできない場合

次の場合、eDirectoryツリーをブラウズできません。

これらの操作のいずれかを実行する場合は、ツリーをブラウズするために新しいConsoleOneウィンドウを開いてください。


LinuxおよびSolaris上のNovellパブリックキー暗号化サービスのトラブルシューティング


PKIが機能しない理由を確認する

ConsoleOneでPKI操作が機能しない場合、Novell PKIサービスがLinuxまたはSolarisホストで実行されていないことが考えられます。PKIサービスを開始します。詳細については、「Certificate Server(PKIサービス)を起動する」を参照してください。

証明書を作成できない場合は、NICIモジュールが正しくインストールされているか確認する必要があります。「サーバ上のNICIモジュールを初期化する」を参照してください。NICIが初期化されているかを確認する方法については、「サーバ上にNICIがインストールおよび初期化されているかどうかを確認する」を参照してください。


LinuxおよびSolaris上のLDAPサービスのトラブルシューティング

このセクションでは、LDAP Services for eDirectoryで起こりうる一般的な問題と、その解決法について説明します。

LDAPクライアントが要求を出す前に、LDAPサーバが稼働していることを確認します。確認を行なうために、次のメッセージを/var/nds/NDSTRACE.LOGファイルまたは/var/nds/ndsd.logから検索します。

LDAP server v3 for NDS 8 v85.00が起動されました。

詳細については、「LDAP Services for Novell eDirectory」を参照してください。


LDAPクライアントがLDAP Services for eDirectoryにバインドできない理由を確認する

LDAPクライアントがLDAP Services for eDirectoryにバインドできない場合は、次の内容を確認します。


LDAPサーバが新しい設定を使用しない理由を確認する

LDAPサーバ設定の更新処理は、現在バインドされているLDAPクライアントの影響を受けることがあります。

設定の変更は動的に更新されます。LDAPサーバは、設定の変更を定期的に確認します(30分ごと)。変更が検出されると、再設定処理の間、新しいクライアントはLDAPサーバにバインドできません。

LDAPサーバは、設定を更新する前に、現在バインドしているクライアントの新しいLDAP要求の処理を中止し、現在動作中のLDAP要求が完了するのを待ちます。


セキュリティ付きLDAP接続が失敗している理由を確認する

次を確認します。

詳細については、「LinuxおよびSolarisシステムでのeDirectory操作に関するセキュリティを確保する」を参照してください。


ndsrepairを使用する

サーバコンソールでのndsrepairユーティリティの用途は次のとおりです。


構文

ndsrepairを実行するには、次の構文を使用します。

ndsrepair {-U| -P| -S| -C| -E| -N| -T| -J <entry_id>} [-A <yes/no>] [-O <yes/no>] [-F filename] [-Ad]

または

ndsrepair -R [-l <yes/no> [-u <yes/no>] [-m <yes/no>] [-i <yes/no>] [-f <yes/no>] [-d <yes/no>] [-t <yes/no>] [-o <yes/no>] [-r <yes/no>] [-v <yes/no>] [-c <yes/no>] [-A <yes/no>] [-O <yes/no>] [-F filename]

重要:  -Adオプションは、Novellテクニカルサポートからの事前の指示がない限り使用しないでください。


表 140. ndsrepairのオプション

オプション 説明

-U

[標準修復]オプションユーザの操作なしにndsrepairの実行と終了を実行します。Novellテクニカルサポート担当者から特定の操作を手動で実行するように指示された場合を除き、この修復手段の使用をお勧めします。修復が完了したらログファイルをチェックして、ndsrepairで行われたことを確認します。

-P

[レプリカ操作とパーティション操作]オプション。現在のサーバのeDirectoryデータベースファイルにレプリカが保存されているパーティションがリストされます。[レプリカオプション]メニューには、「レプリカの修復」、「パーティション操作のキャンセル」、「同期のスケジューリング」、「ローカルレプリカをマスタレプリカとして指定」を実行するオプションがあります。

詳細については、「[レプリカ操作とパーティション操作]オプション」を参照してください。

-S

[グローバルスキーマの操作]オプション。このオプションには、このサーバのスキーマをTreeオブジェクトのマスタに準拠させるのに必要なスキーマ操作がいくつか含まれています。ただし、これらの操作は必要なときだけ使用してください。スキーマは、ローカル修復操作および標準修復操作によってすでに検査されています。

-C

[外部参照オブジェクトのチェック]オプション。各外部参照オブジェクトをチェックして、そのオブジェクトを含むレプリカがあるかどうかを調べます。オブジェクトのあるパーティションレプリカを含むすべてのサーバがアクセス不能の場合、オブジェクトは見つかりません。オブジェクトが見つからない場合、警告が表示されます。

-E

[レプリカ同期のレポート]オプション。現在のサーバ上にレプリカを持つすべてのパーティションのレプリカ同期ステータスをレポートします。この操作により、パーティションのレプリカを保持する各サーバ上のレプリカのTreeオブジェクトから同期ステータス属性が読み込まれます。レポートには、すべてのサーバに対して正常に同期が行われた最終時刻と、最終同期以降発生したエラーが表示されます。12時間以内に同期が完了していない場合は、警告メッセージが表示されます。

-N

[このデータベースに認識されているサーバ]オプション。ローカルeDirectoryデータベースに認識されているすべてのサーバが表示されます。現在のサーバにTreeパーティションのレプリカがある場合、このサーバにはeDirectoryツリー内のすべてのサーバのリストが表示されます。 サーバオプションを実行するサーバを1つ選択します。

-J

ローカルサーバ上の1つのオブジェクトを修復します。修復するオブジェクトのエントリID(16進形式で)を指定する必要があります。破損している1つの特定のオブジェクトを修復するには、[標準修復](-U)オプションの代わりに、このオプションを使用できます。[標準修復]オプションを使用した場合、データベースのサイズによっては修復に数時間かかることがあるので、このオプションを使用すると時間を節約できます。

-T

[時刻同期]オプション。ローカルeDirectoryデータベースに登録されているすべてのサーバにアクセスして、各サーバの時刻同期ステータスの情報を要求します。このサーバ上にTreeパーティションのレプリカがある場合は、eDirectoryツリー内のすべてのサーバがポーリングされます。各サーバ上で実行しているeDirectoryのバージョンもレポートされます。

-A

既存のログファイルに付加します。情報が既存のログファイルに追加されます。このオプションは、デフォルトで設定されます。

-O

出力をファイルに記録します。このオプションは、デフォルトで設定されます。

-F

filenameのファイルに出力を記録します。

-R

[ローカルデータベースの修復]オプション。ローカルeDirectoryデータベースを修復します。eDirectoryでオープンおよびアクセスできるように、修復操作を使用してローカルデータベースの矛盾を解決します。このオプションには、データベースの修復操作を容易にするサブオプションがあります。このオプションにはファンクション修飾子があります。ファンクション修飾子については、「基本機能」で説明しています。

-Rオプションで使用するファンクション修飾子を次に示します。


表 141. -Rオプションで使用するファンクション修飾子

オプション 説明

-l

修復操作中にeDirectoryデータベースをロックします。

-u

修復操作中に一時eDirectoryデータベースを使用します。

-m

修復されていない元のデータベースを維持します。

-i

eDirectoryデータベース構造とインデックスをチェックします。

-f

データベースの空き領域を増やします。

-d

データベース全体を再構築します。

-t

ツリー構造のチェックを実行します。データベース内での接続状況が正しいかどうかを調べるため、ツリー構造のリンクをすべてチェックするには、「Yes」を設定します。チェックを省略するには、「No」を設定します。デフォルトは「Yes」です。

-o

オペレーショナルスキーマを再構築します。

-r

すべてのローカルレプリカを修復します。

-v

ストリームファイルを確認します。

-c

ローカル参照をチェックします。


グローバルスキーマの操作

ndsrepair -S([-Ad]詳細設定スイッチ)オプションを呼び出すと、実行できるすべてのスキーマ操作のリストが表示されます。使用可能なオプションは、次のとおりです。


表 142. グローバルスキーマの操作オプション

オプション 説明

ツリーからスキーマを要求

このサーバのスキーマを同期するようツリーのルートのマスタレプリカに要求します。スキーマの変更内容は、Treeオブジェクトのマスタレプリカからこのサーバに24時間以内に伝えられます。すべてのサーバがマスタレプリカのスキーマを要求すると、ネットワークトラフィックが増加します。

ローカルスキーマのリセット

ローカルスキーマのタイムスタンプをクリアし、インバウンドスキーマの同期を要求するスキーマリセット機能が呼び出されます。Treeパーティションのマスタレプリカから実行する場合、このオプションは使用できません。ツリー内のすべてのサーバが同時にリセットされるわけではありません。

Post NetWare 5スキーマの更新

Post NetWare 5 DSの変更との互換性を確保するためにスキーマを拡張し、変更します。このオプションを使用するには、このサーバがTreeパーティションのレプリカを持ち、レプリカが使用可能な状態であることが必要になります。

オプションスキーマ拡張機能

包含やその他の拡張機能をスキーマに追加し、変更します。このオプションを使用するには、このサーバがTreeパーティションのレプリカを持ち、レプリカが使用可能な状態であることが必要になります。さらに、ツリー内のすべてのNetWare 4.xサーバに次のバージョンのeDirectoryがインストールされている必要があります。

  • 旧バージョンのNDSでは、これらの変更内容を同期できません。
  • NetWare 4.10サーバでは、NDSバージョン5.17以降が必要です。
  • NetWare 4.11/4.2サーバでは、NDSバージョン6.03以降が必要です。

リモートスキーマのインポート(詳細設定スイッチオプション)

現在のツリーのスキーマに追加するスキーマを含むeDirectoryツリーを選択します。ツリーを選択すると、Treeパーティションのマスタレプリカを保持するサーバに接続されます。現在のツリー上にあるスキーマの拡張には、そのサーバのスキーマが使用されます。

新規エポックの宣言(詳細設定スイッチオプション)

新しいスキーマエポックを宣言すると、Treeパーティションのマスタレプリカにアクセスし、そのサーバで宣言されるスキーマの無効なタイムスタンプが修復されます。他のすべてのサーバは、修復されたタイムスタンプを含む新しいスキーマのコピーを受け取ります。受け手側のサーバが新規エポック内に存在しなかったスキーマを含む場合は、古いスキーマを使用するオブジェクトおよび属性が、「不明」オブジェクトクラスまたは属性に変更されます。


[レプリカ操作とパーティション操作]オプション

サーバに保存された各レプリカの情報を表示するには、次のコマンドを入力します。

ndsrepair -P

必要なレプリカを選択します。次のオプションが表示されます。


[このデータベースに認識されているサーバ]のオプション

サーバでは次の修復オプションが使用可能です。


標準修復を実行し、/root/ndsrepair.logファイルにイベントを記録する場合(またはログファイルがすでに存在していればそのログファイルに追加してイベントを記録する場合)は、次のコマンドを入力します。

ndsrepair -U -A no -F /root/ndsrepair.log

すべてのグローバルスキーマ操作とその詳細設定オプションのリストを表示するには、次のコマンドを入力します。

ndsrepair -S -Ad

データベースを強制ロックし、ローカルデータベースを修復するには、次のコマンドを入力します。

ndsrepair -R -l yes

注:  ndsrepairコマンドの入力内容は、オプションファイルによってリダイレクトできます。オプションファイルは、レプリカおよびパーティション操作に関連するオプションやサブオプションを含んだテキストファイルです。これらのオプションはサーバに対する認証を必要としないオプションです。また改行によって各オプションは区切られます。ファイルの内容が、適切な順序で指定されていることを確認します。適切な順序になっていないと、予期しない結果が発生する場合があります。


ndstraceを使用する

ndstraceユーティリティは、次の3つの主要部分で構成されています。


基本機能

ndstraceの基本機能は次のとおりです。

ndstrace画面を開始するには、サーバプロンプトで次のコマンドを入力します。

/usr/bin/ndstrace

ndstraceの基本機能を開始するには、次の構文を使用してサーバプロンプトでコマンドを入力します。

ndstrace command_option

表 143」に、この構文で使用できるコマンドオプションをリストします。


表 143. ndstaceコマンド

オプション 説明

ON

基本トレースメッセージを含むeDirectoryトレース画面を開始します。

OFF

トレース画面を使用不可にします。

ALL

すべてのトレースメッセージを含むeDirectoryトレース画面を開始します。

AGENT

ON、BACKLINK、DSAGENT、JANITOR、RESNAME、およびVCLIENTフラグと同等のトレースメッセージを含むeDirectoryトレース画面を開始します。

DEBUG

通常デバッグに使用する定義済みのトレースメッセージを有効にします。設定されるフラグは、ON、BACKLINK、ERRORS、EMU、FRAGGER、INIT、INSPECTOR、JANITOR、LIMBER、MISC、PART、RECMAN、REPAIR、SCHEMA、SKULKER、STREAMS、およびVCLIENTです。

NODEBUG

トレース画面は有効にするが、以前に設定したデバッギングメッセージはすべて無効にします。メッセージはコマンドオプションの[ON]が設定された状態になります。


デバッギングメッセージ

ndstrace画面が使用可能な場合、デフォルトのフィルタの設定に基づいて情報が表示されます。デフォルトで表示される情報の内容を変更するには、デバッギングメッセージフラグを使用してフィルタを操作します。デバッギングメッセージにより、eDirectoryのステータスを把握し、問題が発生していないかどうかを確認できます。

各eDirectory処理には、一連のデバッギングメッセージが含まれています。個々の処理中にそのデバッギングメッセージを表示するには、プラス記号(+)とその処理名を使用するか、プラス記号(+)とオプションを使用します。処理を表示しない場合は、マイナス記号(-)とその処理名を使用するか、マイナス記号(-)とオプションを使用します。次に例を示します。


表 144. デバッギングメッセージ

set ndstrace = +SYNC

同期メッセージを表示します。

set ndstrace = -SYNC

同期メッセージを非表示にします。

set ndstrace = +SCHEMA

スキーマメッセージを表示します。

さらに、ブール演算子の&(AND)および|(OR)を使用して、デバッギングメッセージのフラグを結合できます。サーバコンソールでデバッギングメッセージを制御する構文は、次のとおりです。

set ndstrace = +trace_flag [trace_flag]

または

set ndstrace = +&trace_flag> [trace_flag]

表 145」で、デバッギングメッセージ用のトレースフラグについて説明します。各トレースフラグは略語で入力できます。略語または選択肢は、表のカッコ内に表記されています。


表 145. デバッギングメッセージ用のトレースフラグ

トレースフラグ 説明

ABUF

eDirectoryリクエストとの連携、またはeDirectoryリクエストへの応答として受信されたデータを含む、インバウンドおよびアウトバウンドパケットバッファに関連するメッセージと情報。

ALOC

メモリ割り当ての詳細について示すメッセージ。

AREQ

他のサーバまたはクライアントからのインバウンド要求に関連するメッセージ。

AUTH

認証に関連するメッセージとエラーレポート。

BASE

最小限のデバッギングレベルでのデバッグエラーメッセージ。

BLNK

バックリンクおよびインバウンドの破損メッセージとエラーレポートを表示します。

CBUF

アウトバウンドDSクライアントリクエストに関連するメッセージを表示します。

CHNG

キャッシュ変更メッセージ。

COLL

以前に更新内容を受信したときのオブジェクトの更新情報に関するステータスおよびエラーレポート。

CONN

ローカルサーバが接続を試み、エラーおよびタイムアウトの可能性によりローカルサーバが接続できない状況を確認した、サーバに関する情報を示すメッセージ。

DNS

eDirectory統合DNSサーバプロセスに関するメッセージ。

DRLK

分散リファレンスリンクメッセージ。

DVRS

eDirectoryが機能している可能性のあるDirXMLドライバ固有のエリアを示すメッセージ。

DXML

DirXMLイベントの詳細について示すメッセージ。

FRAG

eDirectoryメッセージをNCPサイズのメッセージに分解する、NCP Fraggerからのメッセージ。

IN

インバウンド要求とプロセスに関連するメッセージ。

INIT

eDirectoryの初期化に関連するメッセージ。

INSP

ソースサーバのローカルデータベース内のオブジェクトの整合性に関連するメッセージ。このフラグを使用すると、ソースサーバのディスクストレージシステム、メモリ、プロセッサの要求量が増加します。オブジェクトが破損しない限り、このフラグは有効に設定しないでください。

JNTR

janitor、レプリカの同期、フラットクリーナなど、バックグラウンドプロセスに関連するメッセージ。

LDAP

LDAPサーバに関連するメッセージ。

LMBR

limber処理に関連するメッセージ。

LOCK

ソースサーバのローカルデータベースロックの使用および操作に関連するメッセージ。

LOST

消失エントリに関連するメッセージ。

MISC

eDirectory内の異なるソースからのメッセージ。

MOVE

パーティションの移動操作、またはサブツリーの移動操作からのメッセージ。

NCPE

NCPレベルのリクエストを受信したサーバを示すメッセージ。

NMON

iMonitorに関連するメッセージ。

OBIT

破損通知処理からのメッセージ。

PART

バックグラウンドプロセスおよびリクエスト処理からのパーティション操作に関連するメッセージ。

PURG

パージ処理に関するメッセージ。

RECM

ソースサーバのデータベースの操作に関連するメッセージ。

RSLV

名前解決要求の処理に関連するメッセージ。

SADV

Service Location Protocol (SLP)のツリー名とパーティションの登録に関連するメッセージ。

SCMA

スキーマの同期処理に関連するメッセージ。

SCMD

スキーマ関連の操作の詳細について示すメッセージ。インバウンド同期とアウトバウンド同期の両方について、詳細を示します。

SKLK

レプリカの同期処理に関連するメッセージ。

SPKT

eDirectory NCPサーバレベルの情報に関連するメッセージ。

STRM

ストリーム構文の属性の処理に関連するメッセージ。

SYDL

レプリケーション処理時の詳細について示すメッセージ。

SYNC

インバウンド同期トラフィック(サーバ側で受信される内容)の情報。

TAGS

トレースオプションを識別するタグ文字列が表示されます。トレースオプションによって、トレース処理で表示される各行のイベントを生成します。

THRD

バックグラウンドプロセス(スレッド)の開始時と終了時を示すメッセージ。

TIME

同期処理時に使用される遷移ベクトルに関するメッセージ。

TVEC

Synchronize Up To、Replica Up To、およびTransitive Vectorなどの属性に関連するメッセージ。

VCLN

他のサーバへの接続の確立または切断に関連するメッセージ。

ndstraceでデバッギングメッセージを使用すると、一部のトレースフラグが特に便利であることがわかります。Novellテクニカルサポートで多く使用されているndstrace設定の1つは、実際に次のようなショートカットになっています。

set ndstrace = A81164B91

この設定により、デバッギングメッセージをまとめて有効にできます(適切なビット数の設定が必要)。


バックグラウンド処理

eDirectoryのステータスを確認できるデバッギングメッセージだけでなく、eDirectoryバックグラウンド処理を強制的に実行するコマンドのセットも用意されています。バックグラウンド処理を強制的に実行するには、次の例のように、コマンドの先頭にアスタリスク(*)を付けます。

set ndstrace = *H

また、いくつかのバックグラウンド処理のステータス、タイミング、および制御を変更することもできます。これらの値を変更するには、次の例のように、コマンドの先頭に感嘆符(!)を付けて新しいパラメータまたは値を入力します。

set ndstrace = !H 15 (parameter_value_in_minutes)

eDirectoryバックグラウンド処理を制御する各ステートメントの構文を次に示します。

set ndstrace = *trace_flag [parameter]

または

set ndstrace = !trace_flag [parameter]

表 146」に、バックグラウンド処理のトレースフラグ、必要なパラメータ、トレースフラグが表示する処理をリストします。


表 146. バックグラウンド処理用のトレースフラグ

トレースフラグ パラメータ 説明

*A

なし

ソースサーバのアドレスキャッシュをリセットします。

*AD

なし

ソースサーバのアドレスキャッシュを使用不可にします。

*AE

なし

ソースサーバのアドレスキャッシュを使用可能にします。

*B

なし

ソースサーバ上で1秒後にバックリンク処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!B

時間

バックリンク処理について、間隔を分単位で設定します。デフォルトの間隔では、1500分(25時間)に設定されます。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

*CT

なし

ソースサーバのアウトバウンド接続テーブルと、テーブルの現在の統計情報を表示します。これらの統計情報には、他のサーバやクライアントからソースサーバへのインバウンド接続に関する情報は含まれていません。

*CTD

なし

コンマ区切りの形式で、ソースサーバのアウトバウンド接続テーブルと、テーブルの現在の統計情報を表示します。これらの統計情報には、他のサーバやクライアントからソースサーバへのインバウンド接続に関する情報は含まれていません。

*D

レプリカrootEntry ID

指定したローカルエントリIDをソースサーバの[すべてのオブジェクトを送信]リストから削除します。エントリIDでは、サーバのローカルデータベースで固有のパーティションルートオブジェクトを指定する必要があります。通常、このコマンドは、サーバのアクセス不能が原因で、Send All Updatesが何度も試みられて完了できない場合に限定して使用します。

!D

時間

インバウンド同期およびアウトバウンド同期の間隔を指定した分数に設定します。デフォルトでは、間隔は24分に設定されています。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

!DI

時間

インバウンド同期の間隔を指定した分数に設定します。デフォルトでは、間隔は24分に設定されています。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

!DO

時間

アウトバウンド同期の間隔を指定した分数に設定します。デフォルトでは、間隔は24分に設定されています。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

*E

なし

ソースサーバのエントリキャッシュを再初期化します。

!E

なし

インバウンド同期およびアウトバウンド同期処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!EI

なし

インバウンド同期処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!EO

なし

アウトバウンド同期処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

*F

なし

ソースサーバ上で5秒後に、janitor処理の一部として、フラットクリーナ処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!F

時間

フラットクリーナ処理について、間隔を分単位で設定します。デフォルトの間隔では、240分(4時間)に設定されます。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

*G

レプリカrootEntry ID

指定したルートパーティションIDの変更キャッシュを再構築します。

*H

なし

ソースサーバ上で即時にレプリカ同期処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!H

時間

heatbeat同期処理について、間隔を分単位で設定します。デフォルトでは、間隔は30分に設定されています。2分から1440分(24時間)までの範囲の値を設定できます。

*HR

なし

メモリ内で最後に送信されたベクトルを消去します。

*I

レプリカrootEntry ID

指定したローカルエントリIDをソースサーバの[すべてのオブジェクトを送信]リストに追加します。エントリIDでは、サーバのローカルデータベースで固有のパーティションルートオブジェクトを指定する必要があります。レプリカの同期処理では、[すべてのオブジェクトを送信]リストがチェックされます。パーティションのルートオブジェクトのエントリIDがリスト内に存在する場合、Synchronized Up To属性の値に関係なく、eDirectoryによってパーティション内のすべてのオブジェクトと属性が同期されます。

!I

時間

heatbeat同期処理について、間隔を分単位で設定します。デフォルトでは、間隔は30分に設定されています。2分から1440分(24時間)までの範囲の値を設定できます。

*J

なし

ソースサーバ上で、レプリカの同期処理の一部として、パージ処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

!J

時間

janitor処理について、間隔を分単位で設定します。デフォルトでは、間隔は2分に設定されています。1分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

*L

なし

ソースサーバ上で5秒後にlimber処理の実行を開始するようにスケジューリングします。

*M

バイト

ソースサーバのNDSTRACE.LOGファイルで使用する最大ファイルサイズを変更します。このコマンドは、デバッグファイルのステータスに関係なく使用できます。<bytes>には、10000バイトと100MBの間で16進の値を指定する必要があります。指定した値が範囲よりも大きい、あるいは小さい場合、変更は発生しません。

!M

なし

eDirectoryで使用されるメモリの最大量をレポートします。

!N

0|1

名前の形式を指定します。0は16進のみを、1は完全なドット形式を指定します。

*P

なし

調整可能なパラメータとそのデフォルトの設定を表示します。

*R

なし

デフォルトで設定されているSYS:SYSTEM\NDSTRACE.DBGというTTFファイルをリセットする。このコマンドは、SETパラメータのNDS Trace File Length Set to Zeroと同じ働きをします。

*S

なし

サーバ上のレプリカを同期する必要があるかをチェックするスカルク処理をスケジューリングします。

!SI

時間

インバウンドスキーマ同期処理について、間隔を分単位で設定します。デフォルトでは、間隔は24分に設定されています。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

!SO

時間

アウトバウンドスキーマ同期処理について、間隔を分単位で設定します。デフォルトでは、間隔は24分に設定されています。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

!SIO

時間

指定した分数、インバウンドスキーマ同期処理を使用不可にします。デフォルトでは、間隔は24分に設定されています。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

!SO0

時間

指定した分数、インバウンドスキーマ同期処理を使用不可にします。デフォルトでは、間隔は24分に設定されています。2分から10080分(168時間)までの範囲の値を設定できます。

*SS

なし

強制的に即時スキーマの同期を実行します。

*SSA

なし

スキーマの同期処理の実行を即時に開始するようにスケジューリングします。過去24時間に同期が実行されていた場合でも、すべてのターゲットスキーマでスキーマの同期が強制的に実行されます。

*SSD

なし

ソースサーバの[ターゲットスキーマ同期]リストをリセットします。このリストでは、スキーマの同期処理時にソースサーバが同期対象とするサーバを識別します。レプリカを保持していないサーバは、サーバオブジェクトとレプリカを保持しているサーバのターゲットリストに包含されるように要求を送信します。

*SSL

なし

ターゲットサーバのスキーマ同期リストを出力します。

*ST

なし

ソースサーバ上のバックグラウンドプロセスのステータス情報を表示します。

*STX

なし

ソースサーバ上のバックリンク処理(外部参照)のステータス情報を表示します。

*STS

なし

ソースサーバ上のスキーマ同期処理のステータス情報を表示します。

*STO

なし

ソースサーバ上のバックリンク処理(破損通知)のステータス情報を表示します。

*STL

なし

ソースサーバ上のlimber処理のステータス情報を表示します。

!T

時間

サーバの稼動状態のチェックについて、間隔を分単位で設定します。デフォルトでは、間隔は30分に設定されています。1分から720分(12時間)までの範囲の値を設定できます。

*U

サーバのオプションのID

コマンドにエントリIDが含まれていない場合、以前に「down」から「up」にラベルが付加された任意のサーバのステータスを変更します。コマンドにローカルエントリIDが含まれている場合、「down」から「up」に指定されたサーバのステータスを変更します。エントリIDは、ソースサーバのデータベースで固有であり、サーバを表すオブジェクトを参照する必要があります。

!V

リスト

制限されているeDirectoryのバージョンをリストします。バージョンがリストされない場合、制限もない状況です。各バージョンはコンマで区切られます。

*Z

なし

現在、スケジューリングしているタスクを表示します。


インストール、アンインストールおよび設定のトラブルシューティング


インストールが正常に完了できない


インストールの完了に長い時間がかかる

eDirectoryを既存のツリーにインストールすると、インストールの完了までに長時間かかります。NetWareサーバのdstrace画面を確認してください。「-625 転送できません」というメッセージが表示された場合は、アドレスキャッシュをリセットする必要があります。

アドレスキャッシュをリセットするには、NetWareコンソールで次のコマンドを入力します。

set dstrace = *A


WAN上の既存のツリーにインストールできない

eDirectoryをWAN上のLinuxまたはSolarisシステムにインストールするには、NetWare 5サーバが必要です。

次の手順を実行します。

  1. サーバコンソールで次のコマンドを入力し、NetWareサーバ上でディレクトリエージェントを実行します。

    slpda

  2. マスタレプリカを含むサーバで、slp.confファイルのDA_ADDRパラメータを次のように編集します。

    DA_ADDR = IP_address_of_the_NetWare_server_where_the_DA_is_ running

  3. slpuasaデーモンを再起動します。

  4. WAN上で、LinuxまたはSolarisシステムにeDirectoryをインストールします。

    1. nds-installを実行して、製品パッケージを追加します。

      製品の設定は行わないでください。

    2. /etc/nds.confファイルを編集し、次のパラメータを入力します。

      n4u.uam.ncp-retries = 5
      n4u.base.slp.max-wait = 20

    3. /etc/slp.confファイルを編集し、次のパラメータを入力します。

      DA_ADDR = IP_address_of_the_NetWare_server_where_ the_DA_is_running

    4. ndsconfigを実行して、製品の設定を行います。