3.1 OES 2が備えているサービス

表 3-1は、OESの各プラットフォームで利用可能なサービス、および、両プラットフォームでのこれらのサービスの提供方法の違いについて、まとめたものです。

この表には多数のサービスが列挙されていますが、これですべてではありません。リストされていないサービスや技術、またはリストされているサービスのマニュアルを参照したい場合は、OES DocumentationのWebサイトを参照してください。

表 3-1 OES 2 LINUXおよびOES 2 NetWare (NetWare 6.5 SP7)のサービスの比較

サービス

OES 2 NetWare

OES 2 Linux

プラットフォームの違い/マイグレーションの問題

アクセス制御リスト

対応

対応

NCP™サーバとの組み合わせでは、Linuxは、Linux上のNSSボリュームおよびNCPボリュームのファイルアクセス用Novell®トラスティモデルをサポートします。

AFP (Apple*ファイルプロトコル)

対応 - NFAP

今後対応予定

AFP for OES 2 Linuxは現在開発中で、OES 2 SP1でリリースされる予定です。

Apache Web Server

対応 - オープンソースソフトウェアをNetWare®に移植

対応 - Linuxに標準で付属

Administration Instance vs. Public Instance on NetWare」を参照。

What’s Different about Apache on NetWare」を参照。

Archive and Version Services (Novell)

対応

対応

セットアップ方法は少し異なりますが、機能に変わりはありません。

バックアップ(SMS)

  • SMS

  • NSS-Xattr

対応

対応

SMSでは、バックアップおよび復元の完全なソリューションを展開するために、フレームワークを使用したバックアップアプリケーションを提供しています。詳しくは、『OES 2: Storage Management Services Administration Guide』を参照してください。

NSSでは、Linux上のNSS用拡張属性処理オプションを利用できます。詳しくは、OES 2: NSS File System Administration GuideUsing Extended Attributes (XAttr) Commands (Linux)を参照してください。

CIFS (Windowsファイルサービス)

対応 - NFAP

対応 - Samba

NFAPはNovell専有(ソフトウェア)で、eDirectory™およびNovell Storage Services (NSS)に統合されています。Sambaはオープンソースで、Linux User Management (LUM)経由のeDirectory LDAP認証用に環境設定されます。Sambaは、Linux上のNSSには統合されていません。

クラスタリング

対応

対応

OES 2: Novell Cluster Services 1.8.4 for Linux Administration GuideProduct Features

OES 2: Novell Cluster Services 1.8.4 for NetWare Administration GuideProduct Features

DFS (Novell分散ファイルサービス)

対応

対応

NCPサーバとの組み合わせでは、DFSは、LinuxおよびNetWareのNSSボリュームのジャンクションとジャンクションターゲットをサポートします。DFSは、ReiserやExt3のようなNSSファイルシステムではないシステムの、NCPボリュームのジャンクションターゲットもサポートします。VLDBコマンドでは、NCPボリュームのVLDBにある項目を管理する、追加のオプションを提供します。

DHCP

対応

対応

OES 2 LinuxおよびNetWareで使用可能な機能の比較については、セクション 12.2.2, NetWareおよびOES 2 LinuxのDHCPの違いを参照してください。

DHCPの実装を計画する場合は、 OES 2 : Novell DNS/DHCP Administration Guide for Linux Planning a DHCP Strategy および Novell DNS/DHCP Services for NetWare Administration Guide for OES Planning a DHCP Strategy を参照してください。

DNS

対応

対応

OES 2 LinuxおよびNetWareで使用可能な機能の比較については、セクション 12.2.1, NetWareおよびOES 2 LinuxでのDNSの違いを参照してください。

OES 2 : Novell DNS/DHCP Administration Guide for Linux Planning a DNS Strategy および Novell DNS/DHCP Services for NetWare Administration Guide for OES Planning a DNS Strategy を参照してください。

Dynamic Storage Technology

非対応

対応

OES 2 LinuxでのDSTの実行。NetWare上のNSSボリュームは、シャドウペアのセカンダリボリュームとしてのみ、サポートされます。クラスタ内でDSTを使用する場合は、シャドウペア内の各NSSボリュームは、OES 2 Linux上にある必要があります。DSTは、シャドウペアとしてのNCPボリューム、およびシャドウペアとしてのLinuxの従来型ボリュームもサポートします。

eDirectory 8.8

対応

対応

機能上の違いはありません。

eDirectory Certificate Server

対応

対応

機能上の違いはありません。

eGuide(ホワイトページ)

対応

非対応

eGuideはOES 2 Linuxから削除されました。また、OES 2の初期リリースの後続リリースであるOES NetWareからも削除される予定です。

この機能は、Identity Manager 3.5ユーザアプリケーションの一部となりました。詳細については、Identity Manager 3.5 DocumentationのWebサイトを参照してください。

FTP Server

対応

対応

eDirectory LDAP認証のサポートが、OES 2 LinuxのPureFTPに追加されました。詳細については、セクション 17.1.2, FTPサービスを参照してください。

OES 2 : Novell FTP for NetWare Administration Guide Features of the NetWare FTP Serverを参照してください。

Health Monitoring Services

対応

対応

OES 1に含まれていたHealth Monitoring Serverは、OES 2では削除されました。

この機能は、現在両方のプラットホームの様々なNovellリモートマネージャダイアログで使用可能です。

詳細については、Health Monitoring Servicesを参照してください。

Identity Manager 3.6 Bundle Edition

対応

対応

機能上の違いはありません。

iPrint

対応

対応

OES 2: iPrint for Linux Administration Guide Overview および OES 2: iPrint Administration Guide for NetWare Overview を参照してください。

IPX™ (Internetwork Packet Exchange™)

対応

非対応

Novellでは、IPXをOES Linuxへ移植する計画はありません。

iSCSI

対応

対応

Linux用iSCSIターゲットでは、NetWareターゲットが行うような、eDirectoryベースのアクセス制御はサポートしません。iSCSIイニシエータもOES 2 Linuxのターゲットも、NetWarerリモートマネージャベースの管理には統合されていません。そのかわり、YaSTベースの管理ツールを使用できます。

言い換えれば、Linux用iSCSIを実装することにより、より新しくてより良い性能を得られます。

Web上のLinux-iSCSIプロジェクトを参照してください。

OES 2: iSCSI 1.1.3 for NetWare Administration Guide .の Overview を参照してください。

LDAP Server for eDirectory

対応

対応

機能上の違いはありません。

Multipath Device Management

対応

対応

NetWareはNSS複数パスI/Oを使用します。Linuxは、他のデバイスの管理サービスの下で実行されるDevice Mapper - Multipathを使用します。

MySQL*

対応 - オープンソースソフトウェアをNetWareに移植

対応 - Linuxに標準で付属

Web上のMySQL.comを参照してください。

OES 2: Novell MySQL for NetWare Administration Guide Overview: MySQL を参照してください。

NCPボリューム

対応

対応

Linux上のNCPサーバは、ReiserやExt3のようなLinuxの従来型ファイルシステム上の、NCPボリュームの作成をサポートします。

詳細については、 OES 2: NCP Server for Linux Administration Guide Managing NCP Volumes を参照してください。

NCP Server

対応

対応

NCPサービスはOES NetWare固有です。OES Linux上でNCPサービスを利用するためには、NCPサーバをインストールする必要があります。

OES 2: NCP Server for Linux Administration Guide Benefits of NCP Server を参照してください。

NetStorage

対応

対応

Linux上のNetStorageでは、CIFS、NCP、およびSSHプロトコルを使用して保存場所への接続を行います。一方、NetWare上のNetStorageでは、NCPだけが使われます。

使われるプロトコルの違い、およびその他の違いについては、NetStorageを参照。

従来型NetWareファイルシステム

対応

非対応

Novellでは、NetWareの従来型ファイルシステムをLinux用に移植する計画はありません。

従来型のNetWareボリューム

対応

該当なし

NFS

対応 - NFAP

対応 - Linux固有

NetWareについては、 OES 2: Native File Access Protocols Guide Working with UNIX Machines を参照してください。

NICI (Novell International Cryptographic Infrastructure)

対応

対応

機能上の違いはありません。

NMAS™ (Novell Modular Authentication Services)

対応

対応

機能上の違いはありません。

Novell Audit

対応

非対応

Novell AuditはOES Linuxには含まれていません。ただし、Novell Audit 2.0スターターパックはNovell.comから無償でダウンロードできます。

Novell Client™ for WindowsおよびLinuxサポート

対応

対応

Novell ClientのOES 2 Linuxへの接続には、NCPサーバがインストールされている必要があります。

Novell Cluster Services™

対応

対応

OES 2: Novell Cluster Services 1.8.4 for Linux Administration Guide Product Features を参照してください。

OES 2: Novell Cluster Services 1.8.4 for NetWare Administration Guide Product Features を参照してください。

Novell iFolder® 2. x

対応

非対応

iFolder 2. xはOES 2 Linuxから削除されました。また、OES 2の初期リリースの後続リリースであるOES NetWareからも削除される予定です。

NetWare上のiFolder 2.xをOES 2 Linux上のiFolder 3.6に移行するツールは、OES 2の初期リリース後、数週間以内に利用可能になります。

Novell iFolder 3.6

非対応

対応

NetWare上のiFolder 2.xをOES 2 Linux上のiFolder 3.6に移行するツールは、OES 2の初期リリース後、数週間以内に利用可能になります。

OES 2 Linuxには、LinuxおよびWindowsのクライアントが含まれています。Macintosh*用のクライアントは現在開発中で、OES 2 SP1でリリース予定です。

Novell Licensing Services

対応

非対応

詳細については、セクション 4.4.3, OES 2 LinuxはNLSをサポートしないを参照してください。

NSS (Novell Storage Services™)

対応

対応

NSSサービスの多くは、両方のプラットフォームで利用できます。Linux上で使用されないNSS機能の一覧は、 OES 2: NSS File System Administration Guide Cross-Platform Compatibility Issues Between NetWare and OES 2 Linux を参照してください。

NTPv3

対応

対応

NetWare上のntpd.confファイルは、変更せずにそのままOES LinuxサーバのNTP環境設定ファイルと置き換えることができます。

OpenSSH

対応

対応

NetWareには、オープンソース製品の移植が含まれています。Linuxにはオープンソース製品そのものが含まれています。

OpenSSH Administration Guide Functions Unique to the NetWare Platform を参照してください。

PAM(プラグ可能認証モジュール)

非対応

対応

PAMは、eDirectory認証を行うためにNovellが組み込んだLinuxのサービスです。eDirectory認証はNetWare固有のものです。

Pervasive.SQL

対応

非対応

Linux用Pervasive.SQLは、Webから入手できます。

PKI (公開鍵インフラストラクチャ)

対応

対応

機能上の違いはありません。

プリント

対応

対応

iPrintを参照してください。

QuickFinder™

対応

対応

検索を参照してください。

RADIUS

対応

対応

forge.novell.comの情報を参照してください。

Samba

非対応

対応

Sambaは、OES Linuxで使用できるオープンソース技術です。Novellは、eDirectoryを介した認証の自動設定を提供します。詳細については、OES 2: Samba Administration Guideを参照してください。

OES NetWareは、NFAP経由のCIFS接続を提供します。 詳細については、セクション 17.1.3, Native File Access Protocolsを参照してください。

検索(QuickFinder)

対応

対応

QuickFinderエンジンを使ってファイルシステムに対してインデックス付けを行う際、QuickFinderエンジンが表示権限を付与されているファイル/フォルダにのみインデックスが付けられます。

NetWare上では、マウントされているすべてのボリュームに対するフルアクセス権がQuickFinderエンジンに付与されています。Linux上では、wwwグループ内のnovlwwwユーザが表示権限を持っているファイルに対してのみ、QuickFinderエンジンは権限を付与されています。

詳細については、 OES 2: Novell QuickFinder Server 5.0 Administration Guide Security Characteristics および Generating an Index For a Linux-mounted NSS Volume を参照してください。

SLP

対応 - Novell SLPまたはOpenSLP

対応 - OpenSLP

OES 2 Linuxについては、 SLES 10 SP1 Installation and Administration Guide SLP Services in the Network を参照してください。

Service Location Protocolの実装.

Netwareでは、デフォルトでNovell SLPを使用します。SLPは、同じeDirectoryコンテキスト内にあるディレクトリエージェント(DA)間を同期させるものです。SLPは、ローカルネットワークを越えて、サービス情報を提供します。

SLPの代わりに、NetWare上にOpenSLP for eDirectoryを実装することもできます。ただし、OpenSLPにはDAを同期させる機能はありません。

Novell SLPはLinuxでは使用できません。また、NetWareでは、OpenSLP on LinuxはDA同期を行うようにカスタマイズされていません。そのため、DA同期はNetWare上のeDirectoryでのみ使用できます。

ソフトウェアRAID (NSSボリューム)

対応(0、1、5、10、15)

対応(0、1、5、10、15)

OES 2: NSS File System Administration Guide Understanding Software RAID Devices を参照してください。

Storage Management Services™ (SMS)

対応

対応

SBCONバックアップエンジンがLinux上ではサポートされていないことを除き、機能に違いはありません。

SMS機能の体験版としてnbackupエンジンを使用することはできますが、運用環境では、第三者製のフル機能版バックアップエンジンをご利用ください。

TCP/IP

対応

対応

機能上の違いはありません。

Timesync NLM™

対応

非対応

TimesyncはLinuxに移植されません。その代わり、LinuxおよびNetWareの両方で、NTPv3が使用できます。

詳細については、[時刻同期]を参照してください。

Tomcat

対応

対応

NetWareには、Tomcat 4およびiManager 2.7用のTomcat 5サーブレットコンテナが含まれています。OES 2 Linuxには、Tomcat 5が含まれています。両方のプラットフォームでのサポート対象のテスト済みOES 2管理ツールに対して、影響を与えることはありません。

Administration Instance vs. Public Instance on NetWare」を参照。

Virtual Office (コラボレーションソフトウェア)

対応

非対応

Virtual OfficeはOES 2 Linuxから削除されました。また、OES 2の初期リリースの後続リリースであるOES NetWareからも削除される予定です。

WANトラフィックマネージャ

対応

非対応

Xen仮想マシンゲスト

対応

対応

OES 2 NetWare (NetWare 6.5 SP 7)は擬似仮想マシン上で実行できます。OES 2 Linuxは、擬似仮想マシンまたは完全な仮想マシン上で実行できます。

Xen仮想マシンホストサーバ

該当なし

対応