用語集

アクティブ/アクティブ、アクティブ/パッシブ

サービスがノード上で実行される方法についてのコンセプト。アクティブ/パッシブシナリオは、1つ以上のサービスがアクティブノード上で実行され、パッシブノードはアクティブノードの失敗を待機します。これに対して、アクティブ/アクティブは、各ノードが同時ににアクティブ、またはパッシブであることを意味します。

クラスタ

ハイパフォーマンスクラスタは、アプリケーションロードを共有し、処理を迅速に実行する、コンピュータのグループ(現実または仮想)です。高可用性クラスタは、サービスの最大可用性を確保することを第一に設計されています。

クラスタパーティション

1つ以上のノードとその他のクラスタ間で通信が失敗した場合は、常にクラスタパーティションが発生します。クラスタパーティションのノードはまだアクティブで、相互に通信できますが、どのノードと通信できないかを認識していません。その他のパーティションの損失を確認できないため、スプリットブレインシナリオが作成されました(スプリットブレインも参照)。

コンセンサスクラスタメンバーシップ(CCM)

CCMは、どのノードがクラスタを構成するか決定し、この情報をクラスタで共有します。ノードまたはクォーラムの新規追加および損失は、CCMによって通知されます。CCMモジュールはクラスタの各ノード上で実行されます。

クラスタ情報ベース(CIB)

クラスタ構成全体と状態の表現(ノードメンバーシップ、リソース、制約など)。XMLで書かれ、メモリに常駐しています。マスタCIBはDCで保持され、その他のノードに複製されます。

クラスタリソースマネージャ(CRM)

すべての非ローカルインタラクションを調整する、主要な管理エンティティ。クラスタの各ノードには固有のCRMがありますが、DC上で実行されるノードには決定をその他の非ローカルCRMに中継し、入力を処理するために選択されたCRMがあります。CRMは、いくつかのコンポーネントと通信します。固有のノードとその他のノードのローカルリソースマネージャ、非ローカルCRM、管理コマンド、フェンシング機能、メンバシップ層です。

指定コーディネータ(DC)

マスタノード。このノードには、CIBのマスタコピーが保持されます。その他すべてのノードは、現在のDCから構成とリソース割り当て情報を取得します。DCは、メンバーシップの変更後、クラスタ内のすべてのノードから選抜されます。

Distributed Replicated Block Device (DRBD)

DRBDは、高可用性クラスタを構築するためのブロックデバイスです。ブロックデバイス全体が専用ネットワーク経由でミラーリングされ、ネットワークRAID-1として認識されます。

フェールオーバー

リソースまたはノードが1台のマシンで失敗し、影響を受けるリソースが別のノードで起動されたときに発生します。

フェンシング

非クラスタメンバーによる共有リソースへのアクセスを防止するコンセプトを示します。誤動作しているノードを終了(シャットダウン)して問題の発生を防止する、状態が不明なノードからリソースをロックする、またはその他の方法で実現されます。さらに、フェンシングはノードとリソースフェンシングに分類されます。

Heartbeatリソースエージェント

HeartbeatリソースエージェントはHeartbeatバージョン1で広く使用されていました。あまり使用されなくなりましたが、バージョン2でサポートされています。Heartbeatリソースエージェントはstartstopstatus操作を実行でき、/etc/ha.d/resource.dまたは/etc/init.dの下にあります。Heartbeatリソースエージェントの詳細は、http://www.linux-ha.org/HeartbeatResourceAgentを参照してください。

ローカルリソースマネージャ(LRM)

ローカルリソースマネージャ(LRM)は、リソース上の操作の実行を担当します。リソースエージェントスクリプトを使用して処理を実行します。LRMはそれ自身ではポリシーを認識していないという点で、ダムです。何をすべきか認識させるにはDCが必要です。

LSBリソースエージェント

LSBリソースエージェントは標準LSB初期化スクリプトです。LSB初期化スクリプトは高可用性コンテキストでの使用に限定されません。あらゆるLSB準拠LinuxシステムはLSB初期化スクリプトを使用して、サービスを制御します。あらゆるLSBリソースエージェントはstartstoprestartstatusforce-reloadオプションをサポートし、オプションでtry-restartおよびreloadも使用できます。LSBリソースエージェントは/etc/init.dにあります。LSBリソースエージェントの詳細と実際の仕様は、http://www.linux-ha.org/LSBResourceAgentおよびhttp://www.linux-foundation.org/spec/refspecs/LSB_3.0.0/LSB-Core-generic/LSB-Core-generic/iniscrptact.htmlを参照してください。

node (ノード)

クラスタのメンバーでユーザからは参照できないコンピュータ(現実または仮想)。

pingd

pingデーモン。ICMP pingを使用して、クラスタ外部の1台以上のサーバに常に接続します。

ポリシーエンジン(PE)

ポリシーエンジンはCIBでのポリシー変更を実装するために必要な処理を計算します。この情報はトランザクションエンジンに渡され、次にポリシー変更がクラスタセットアップで実装されます。PEは常にDC上で実行されます。

OCFリソースエージェント

OCFリソースエージェントはLSBリソースエージェント(初期化スクリプト)と同様です。任意のOCFリソースエージェントはstartstopstatus (場合によってはmonitorと呼ばれる)オプションをサポートする必要があります。また、metadataオプションをサポートし、リソースエージェントタイプの説明をXMLで返します。追加オプションをサポートできますが、必須ではありません。OCFリソースエージェントは/usr/lib/ocf/resource.d/providerにあります。OCFリソースエージェントの詳細と仕様のドラフトは、http://www.linux-ha.org/OCFResourceAgentおよびhttp://www.opencf.org/cgi-bin/viewcvs.cgi/specs/ra/resource-agent-api.txt?rev=HEADを参照してください。

クォーラム

クラスタでは、クラスタパーティションは、ノード(投票)の大多数を保有する場合、クォーラムを持つ(定数に達している)と定義されます。クォーラムはただ1つのパーティションで識別されます。複数の切断されたパーティションまたはノードが処理を続行してデータおよびサービスが破損されないようにする、アルゴリズムの一部です(スプリットブレイン)。クォーラムはフェンシングの前提条件で、このためクォーラムは一意になります。

resource

Heartbeatに認識されている、任意のタイプのサービスまたはアプリケーション。IPアドレス、ファイルシステム、データベースなどです。

リソースエージェント(RA)

リソースエージェント(RA)は、プロキシとして動作してリソースを管理するスクリプトです。リソースエージェントには、OCF(Open Cluster Framework)リソースエージェント、LSBリソースエージェント(標準LSB初期化スクリプト)、Heartbeatリソースエージェント(Heartbeat v1リソース)の3種類があります。

シングルポイント障害(SPOF)

シングルポイント障害(SPOF)は、失敗した場合、クラスタ全体の失敗につながるクラスタのコンポーネントです。

スプリットブレイン

クラスタノードが(ソフトウェアまたはハードウェア障害によって)互いに認識しない2つ以上のグループに分割される場合のシナリオです。スプリットブレイン状態によってクラスタ全体に悪影響が及ばないようにするため、STONITHが救済する必要があります。パーティションされたクラスタシナリオとも呼ばれます。

STONITH

Shoot the other node in the headの略で、基本的に誤動作しているノードを停止させ、クラスタでの問題発生を防止するものです。

遷移エンジン(TE)

遷移エンジン(TE)はPEからポリシーでぃれくてぃぶを取得し、これを実行します。TEは常にDC上で実行されます。ここから、その他のノードのローカルリソースマネージャにどのようなアクションを実行するか指示します。