4.10 クラスタリソースグループの設定

クラスタリソースの中には、他のコンポーネントやリソースに依存しているものがあり、各コンポーネントやリソースを特定の順番で開始したり、同じサーバ上で一緒に実行しなければならないものもあります。この構成を簡単にするため、グループのコンセプトをサポートしています。

グループには次のプロパティがあります。

リソースの開始と停止

リソースは表示された順番で開始し、逆の順番で停止します。

依存関係

グループ内のリソースがどこかで開始できない場合は、グループ内のその後の全リソースは実行することができません。

グループの内容

グループにはプリミティブクラスタリソースしか含むことができません。グループリソースの子を参照するには、グループではなく子のIDを使用します。

制約

制約でグループの子を参照することはできますが、通常はグループ名を使用することをお勧めします。

固着性

固着性はグループ内で統合可能なプロパティです。グループ内のアクティブな各メンバーは、グループの合計値に対して固着性を追加します。したがってresource-stickiness100で、グループに7つのメンバーがあり、そのうち5つがアクティブな場合、グループ全体として現在の場所への固着性が500になります。

リソース監視

グループのリソース監視を有効にするには、グループ内で監視の必要な各リソースに対して監視を設定する必要があります。

NOTE: 空のグループ

グループには1つ以上のリソースを含む必要があります。空の場合は設定は無効になります。

リソースグループの追加

  1. Section 4.1, Linux HA Management Clientで説明したように、Linux HA Management Clientを起動してクラスタにログインします。

  2. 左側のペインでリソースを選択し、追加 > グループの順にクリックします。

  3. グループに固有のIDを入力します。

  4. オプションの下で、Initial state of resource (リソースの当初の状態)を設定し、転送をクリックします。

  5. 次のステップでは、グループのサブリソースとしてプリミティブを追加できます。プリミティブはプリミティブリソースの追加と類似の方法で作成します。

  6. すべてのパラメータが希望どおりに設定されたら、適用をクリックして、プリミティブの設定を完了します。

  7. 次のウィンドウでは、再度プリミティブを選択し、OKをクリックすることで、グループのサブリソースの追加を継続できます。

    グループに追加するプリミティブがなくなったら、代わりにキャンセルをクリックします。次のウィンドウには、そのグループに定義したパラメータの概要が表示されます。グループのMeta Attributes(メタ属性)およびプリミティブの一覧が表示されます。プリミティブタブのリソースの場所は、クラスタ内でのリソース開始順序を示します。

  8. グループ内のリソース順序は重要なので、Up(上に移動)およびDown(下に移動)ボタンを使用して、グループ内でプリミティブのソートまたはソート変更を行います。

  9. すべてのパラメータが希望どおりに設定されたら、OKをクリックして、そのグループの設定を完了します。環境設定ダイアログが閉じ、メインウィンドウに新しく作成された、または変更されたグループが表示されます。

Figure 4-4 Linux HA Management Client - グループ

Example 4-1 Webサーバのリソースグループ

リソースグループの1例として、IPアドレスとファイルシステムが必要なWebサーバが挙げられます。この場合、各コンポーネントはクラスタリソースグループに結合された個別のクラスタリソースです。リソースグループは1つ以上のサーバで実行し、ソフトウェアやハードウェアの障害発生時には、個々のクラスタリソースと同様に、クラスタ内の別なサーバにフェールオーバーします。

Figure 4-5 グループリソース

リソースグループの追加では、リソースグループの作成方法を説明しました。上記で説明したようなリソースグループを作成済みであると仮定します。既存のグループへのリソースの追加Example 4-1と一致するグループの変更方法を示したものです。

既存のグループへのリソースの追加

  1. Section 4.1, Linux HA Management Clientで説明したように、Linux HA Management Clientを起動してクラスタにログインします。

  2. 左側のペインでリソースビューに切り替え、右側のペインで、変更するグループを選択して編集をクリックします。次のウィンドウには、そのリソースに定義された基本的なグループパラメータとメタ属性とプリミティブが表示されます。

  3. プリミティブタブをクリックして、追加をクリックします。

  4. 次のダイアログで、次のパラメータを設定してIPアドレスをグループのサブリソースとして追加します。

    1. 固有なIDとして、my_ipaddressなどを入力します。

    2. クラスリストで、リソースエージェントクラスとしてocfを選択します。

    3. OCFリソースエージェントのプロバイダとして、heartbeatを選択します。

    4. タイプリストで、リソースエージェントとしてIPaddrを選択します。

    5. 進むをクリックします。

    6. Instance Attribute(インスタンス属性)タブで、IPエントリを選択して編集をクリックします(またはIPエントリをダブルクリックします)。

    7. として、目的のIPアドレスを入力します。たとえば192.168.1.1と入力します。

    8. OK適用の順にクリックします。グループ設定ダイアログには、新しく追加去れたプリミティブが表示されます。

  5. 再度追加をクリックして、次のサブリソース(ファイルシステムとWebサーバ)を追加します。

  6. Step 4.a」から「Step 4.h」のような手順に従って、グループの全サブリソースの設定を終了するまで、各サブリソースの該当するパラメータを設定します。

    クラスタ内で開始する順序でサブリソースを設定したので、プリミティブタブ内の順序はすでに正しいものになっています。

  7. グループのリソースグループの順序を変更する必要がある場合は、Up (上に移動)およびDown (下に移動)ボタンを使用してプリミティブタブ内のリソースをソートしなおします。

  8. グループからリソースを削除するには、プリミティブタブのリソースを選択し、削除をクリックします。

  9. OKをクリックしてそのグループの設定を完了します。環境設定ダイアログが閉じて、メインウィンドウに変更されたグループが表示されます。