23.7 NetworkManagerとセキュリティ

NetworkManagerは、ワイヤレス接続を「信頼された」と「信頼なし」という2種類で区別します。「信頼された」接続とは、過去に明示的に選択したネットワークです。その他は「信頼なし」です。信頼された接続は、アクセスポイントのMACアドレスと名前で識別されます。MACアドレスを使用して、信頼された接続が同じ名前でも、異なるアクセスポイントを使用できないようにすることができます。

NetworkManagerにより、定期的に、使用可能なネットワークがスキャンされます。信頼されたネットワークが複数検出された場合、最近使用されたものが自動的に選択されます。すべてのネットワークが信頼されないネットワークの場合は、 NetworkManagerはユーザ選択を待機します。

暗号化設定が変更されても、名前とMACアドレスが同じままの場合は、NetworkManagerは接続を試みますが、まず、新しい暗号化設定の確認とアップデート(新しいキーなど)の提供を求めるプロンプトが表示されます。

NetworkManagerは、userおよびsystemという2種類の接続を認識します。ユーザ接続は、最初のユーザがログインしたとき、NetworkManagerで利用可能になる接続です。ユーザは、必要な資格情報を要求されます。ユーザがログアウトすると、接続は切断され、NetworkManagerから削除されます。システム接続として定義された接続は、すべてのユーザが共有でき、NetworkManagerの起動直後で、どのユーザもまだログインしていないとき、利用可能になります。システム接続の場合、すべての資格情報を接続作成時に提供する必要があります。そのようなシステム接続は、認証を要求するネットワークへの自動接続に使用することができます。ユーザ接続またはシステム接続を設定する方法については、セクション 23.3, ネットワーク接続の設定を参照してください。

ワイヤレス接続の使用からオフラインモードへ切り替える場合は、NetworkManagerでESSIDが空白になります。これにより、カードの接続解除が確保されます。

23.7.1 パスワードと資格情報の保存

暗号化されたネットワークに接続するたびに資格情報を入力したくない場合は、デスクトップ固有ツールのGNOMEキーリングマネージャまたはKWalletManagerを使用して、資格情報を暗号化してディスク上に保存し、マスタパスワードで安全を確保できます。

NetworkManagerは、安全な接続(暗号化された有線、無線、またはVPNの接続など)のための証明書を証明書ストアから取得することもできます。詳細については、第13章 Certificate Storeを参照してください。