PPD (PostScript printer description、PostScriptプリンタ記述)は、PostScriptプリンタの特性(解像度など)やオプション(両面印刷ユニットなど)を記述するコンピュータ言語です。これらの記述は、CUPS側でさまざまなプリンタオプションを使用するために必須です。PPDファイルがない場合、印刷データはraw
(ロー、未加工)状態でプリンタへ送信されますが、そのことは通常は望ましくありません。SUSE Linux Enterprise Serverのインストール時に、多数のPPDファイルがプレインストールされます。
PostScriptプリンタを設定する場合、最善のアプローチは、適切なPPDファイルを入手することです。この種の多数のPPDファイルは、標準インストールの範囲内で自動的にインストールされるパッケージmanufacturer-PPDsに用意されています。およびセクション 10.8.2, 特定のPostScriptプリンタに適したPPDファイルが入手できないを参照してください。セクション 10.7.2, 各種パッケージ内のPPDファイル
新しいPPDファイルは、/usr/share/cups/model/ディレクトリ内に保存するか、YaSTで印刷システムに追加できます(8.5.1.2項 「YaSTによるドライバの追加」を参照)。その結果、インストールの際にPPDファイルを選択できるようになります。
ユーザが設定ファイルを変更するのみでなくソフトウェアパッケージ全体をインストールすることを、プリンタメーカが望んでいるかどうかに注意してください。第一に、このようなタイプのインストールを行うと、SUSE Linux Enterprise Serverによって提供されているサポートが失われる結果になります。第二に、印刷コマンドが異なる方法で機能する可能性があり、システムは他のメーカーのデバイスに対応できなくなる可能性もあります。この理由で、メーカのソフトウェアをインストールすることをお勧めしません。