SUSE® Linux Enterprise ServerのSambaサーバは、YaSTを使って、または手動で設定することができます。手動で設定を行えば細かい点まで調整できますが、YaSTのGUIほど便利ではありません。
Sambaサーバを設定するには、YaSTを起動して、の順に選択します。
モジュールを初めて起動すると、[]ダイアログが表示され、サーバの管理に関するいくつかの基本設定を行うように指示された後、最後にSambaのrootのパスワードを入力するように指示されます。次回起動時には、[]ダイアログが表示されます。
ダイアログは、次の2つのステップとオプションの詳細設定で構成されています。
[]から既存の名前を選択するか、新しい名前を入力し、[]を入力します。
次のステップでCD(PDC)として機能するサーバを指定し、をクリックします。
Sambaの起動方法をまたはから選択し、をクリックします。最後のポップアップボックスでを設定します。
この設定はすべて、後でダイアログで、、の各タブを使用して変更することができます。
Sambaサーバモジュールの初回起動中、2つの初期化ステップ(初期Samba設定参照)の直後にダイアログが表示されます。ここでは、Sambaサーバの設定を編集することができます。
設定を編集し終わったら、をクリックして設定を保存します。
[Start Up]システムのブート時に毎回サービスが起動されるようにするには、[]を選択します。手動起動を有効化するには、[]を選択します。Sambaサーバの起動の詳細については、「セクション 24.2, Sambaの起動および停止」を参照してください。
このタブで、ファイアウォールのポートを開くこともできます。そのためには、[]を選択します。複数のネットワークインタフェースがある場合は、[]をクリックし、インタフェースを選択した後、[]をクリックして、Sambaサービス用のネットワークインタフェースを選択します。
[共有]homesおよびプリンタなど、事前定義済みの共有がいくつかあります。[]を使用して、[]と[]の間で切り替えます。新規の共有を追加するには[]、共有を削除するには[]をクリックします。
を選択すると、中のグループメンバーに、各自のディレクトリを他のユーザと共有させることができます。たとえば、ローカルの範囲のusers、あるいはドメインの範囲ではDOMAIN\Usersを設定します。また、ユーザにはファイルシステムへのアクセスを許可するパーミッションがあることを確認してください。で、共有の最大数を制限することができます。認証なしでユーザ共用へのアクセスを許可するには、を有効にします。
タブで、ホストが関連付けられているドメイン()と、ネットワークで代替ホスト名を使用するかどうか()を指定します。名前解決にMicrosoft Windows Internet Name Service(WINS)を使用することもできます。この場合、を有効にし、DHCP経由でWINSサーバを取得(を使用)するかどうか決定します。エキスパートグローバル設定、またはLDAPなどのユーザ認証を設定するには、をクリックします。
他のドメインのユーザを、自分のドメインにアクセスさせるには、タブで適切な設定を行います。新しいドメインを追加するには、をクリックします。選択したドメインを削除するには、をクリックします。
[LDAP Settings]LDAPサーバへの接続をテストするには、をクリックします。エキスパートLDAP設定を設定するか、デフォルト値を使用する場合、をクリックします。
LDAP設定に関する詳細については、第5章 LDAP—A Directory Serviceを参照してください。
Sambaサーバ管理の代替ツールは、SWAT(Samba Web管理ツール)です。このプログラムには、Sambaサーバを設定するための簡単なWebインタフェースがあります。SWATを使用するには、Webブラウザで、http://localhost:901を開き、rootユーザでログインします。特別なSamba rootアカウントがない場合、システムのrootアカウントを使用します。
メモ: SWATの有効化
Sambaサーバのインストール後、SWATは有効化されていません。SWATを有効化するには、YaSTでの順に開き、ネットワークサービス設定を有効にし、テーブルからを選択し、をクリックします。
Sambaをサーバとして使用する場合は、sambaをインストールします。Sambaの主となる設定ファイルは、/etc/samba/smb.confです。このファイルは2つの論理部分に分けられます。[global]セクションには、中心的なグローバル設定が含まれます。[share]セクションには、個別のファイルとプリンタ共有が入っています。このアプローチにより、共有に関する詳細は[global]セクションで個別に、またはグローバルに設定することができ、設定ファイルの構造的透過性が高まっています。
[global]の次のパラメータは、ネットワークの設定に応じた必要条件を満たし、Windows環境で他のマシンがSMBを経由してこのSambaサーバにアクセスできるようにするために多少の調整が必要です。
この行は、Sambaサーバをワークグループに割り当てます。TUX-NETを実際のネットワーク環境にある適切なワークグループに置き換えてください。DNS名がネットワーク内の他のマシンに割り当てられていなければ、SambaサーバがDNS名の下に表示されます。DNS名が使用できない場合は、netbiosname=MYNAMEを使用してサーバ名を設定します。このパラメータに関する詳細については、smb.confのマニュアルページを参照してください。
このパラメータは、SambaサーバがワークグループのLMB(ローカルマスタブラウザ)になるかどうかのきっかけとなります。Sambaサーバの設定が誤っていた場合に、既存のWindowsネットワークに支障が出ないよう、小さな値を選択します。この重要なトピックについての詳細は、パッケージマニュアルのtextdocsサブディレクトリにあるBROWSING.txtとBROWSING-Config.txtを参照してください。
ネットワーク内に他のSMBサーバ(たとえば、Windows 2000サーバ)が存在せず、ローカル環境に存在するすべてのシステムのリストをSambaサーバに保存する場合は、os levelの値を大きくします(たとえば、65)。これでSambaサーバが、ローカルネットワークのLMBとして選択されました。
この設定を変更するときは、それが既存のWindowsネットワーク環境にどう影響するかを慎重に検討する必要があります。はじめに、隔離されたネットワークで、または影響の少ない時間帯に、変更をテストしてください。
アクティブなWINSサーバをもつ既存のWindowsネットワークにSambaサーバを参加させる場合は、wins serverオプションを有効にし、その値をWINSサーバのIPアドレスに設定します。
各Windowsマシンの接続先サブネットが異なり、互いを認識させなければならない場合は、WINSサーバをセットアップする必要があります。SambaサーバをWINSサーバなどにするには、wins support = Yesオプションを設定します。ネットワーク内でこの設定が有効なSambaサーバは1台だけであることを確認します。smb.confファイル内で、オプションwins serverとwins supportは同時に有効にしないでください。
セキュリティを向上させるため、各共有へのアクセスは、パスワードによって保護されています。SMBには、パーミッションを確認する方法が4つあります。
パスワードが共有に対し確実に割り当てられています。このパスワードを持っているユーザ全員が、その共有にアクセスできます。
このセキュリティレベルは、ユーザという概念をSMBに取り入れています。各ユーザは、サーバにパスワードを登録する必要があります。登録後、エクスポートされた個々の共有へのアクセスは、ユーザ名に応じてサーバが許可します。
クライアントに対しては、Sambaがユーザレベルモードで動作しているように見えます。しかし、Sambaはすべてのパスワードクエリを別のユーザレベルモードサーバに渡し、ユーザレベルモードサーバが認証されます。設定には追加のパラメータが必要です(password server)。
このモードでは、Sambaはアクティブディレクトリ環境のドメインメンバーとして動作します。このモードで操作するには、Sambaを実行しているコンピュータにKerberosがインストールされ設定済みであることが必要です。Sambaを使用してコンピュータをADSレルムに結合させる必要があります。これは、YaSTのを使用して行います。
このモードは、コンピュータがWindows NTドメインに結合している場合に正しく動作します。Sambaはユーザ名とパスワードをWindows NT PrimaryまたはBackup Domain Controllerに渡すことによって、これらを検証しようとします。Windows NT Serverが行うのと同じ方法です。暗号化されたパスワードパラメータがyesに設定されている必要があります。
共有、ユーザ、サーバ、またはドメインレベルのセキュリティの設定は、サーバ全体に適用されます。個別の共有ごとに、ある共有には共有レベルのセキュリティ、別の共有にはユーザレベルセキュリティを設定するといったことはできません。しかし、システム上に設定したIPアドレスごとに、別のSambaサーバを実行することは可能です。
この詳細については、『Samba HOWTO Collection』を参照してください。つのシステムに複数のサーバをセットアップする場合は、オプションinterfacesおよびbind interfaces onlyに注意してください。