SquidはSUSE® Linux Enterprise Serverで事前に設定されているため、インストール直後に起動できます。スムーズに起動するように、インターネットおよび少なくとも1つのネームサーバにアクセスできるようにネットワークを設定してください。ダイナミックDNS設定でダイヤルアップ接続を使用すると、問題が発生する可能性があります。このような場合は、少なくともネームサーバを明確に入力してください。というのは、/etc/resolv.conf内でDNSサーバが検出されないとSquidが起動しないためです。
Squidを起動するには、root権限でコマンドラインに「rcsquid start」と入力します。初期起動時には、最初に /var/cache/squid内でキャッシュのディレクトリ構造を定義する必要があります。この操作は、/etc/init.d/squid起動スクリプトにより自動的に実行され、完了までに数秒ないし数分かかります。右側に緑で完了と表示されたら、Squidは正常にロードされています。ローカルシステム上でSquidの機能をテストするには、ブラウザでプロキシとして「localhost」、ポートとして「3128」を入力します。
ユーザ全員にSquidおよびインターネットへのアクセスを許可するには、設定ファイル/etc/squid/squid.conf内のエントリをhttp_access deny allからhttp_access allow allに変更します。ただし、その場合は、この操作によりSquidが完全に誰でもアクセス可能になることに注意してください。したがって、プロキシへのアクセスを制御するACLを定義します。この詳細については、セクション 29.4.2, アクセス制御オプションファイルを参照してください。
設定ファイル/etc/squid/squid.confを変更した後、Squidで変更後の設定ファイルを再ロードする必要があります。それには、rcsquidreloadコマンドを使用します。または、「rcsquid restart」と入力してSquidを完全に再起動します。
プロキシが稼動しているかどうかを確認するには、rcsquidstatusコマンドを使用します。Squidをシャットダウンするには、rcsquidstopコマンドを使用します。Squidは、クライアントへの接続が切断されてデータがディスクに書き込まれるまで最大30秒(/etc/squid/squid.confのshutdown_lifetimeオプション)待機するため、終了までに少し時間がかかることがあります。
警告: Squidの終了
killまたはkillallを使ってSquidを終了すると、キャッシュが破損してしまう可能性があります。Squidを再起動できるようにするには、破損したキャッシュを完全に削除する必要があります。
Squidが正常に起動しても短時間で停止する場合は、ネームサーバエントリに誤りがないかどうかと、/etc/resolv.confファイルが欠落していないかどうかを確認してください。起動エラーの原因は、Squidにより/var/log/squid/cache.logファイルに記録されます。システムのブート時にSquidを自動的にロードする必要がある場合は、YaSTランレベルエディタを使用してSquidを必要なランレベルで有効にしてください。詳細については、セクション 7.2.3, YaSTでのシステムサービス(ランレベル)の設定;を参照してください。
Squidをアンインストールしても、キャッシュ階層やログファイルは削除されません。これらを削除するには、/var/cache/squidディレクトリを手動で削除します。
サーバで独自ドメインを管理しない場合も、ローカルDNSサーバをセットアップすると有効です。ローカルDNSサーバは単にキャッシュ専用ネームサーバとして機能し、特に設定しなくてもルートネームサーバを介してDNSリクエストを解決できます(セクション 21.4, ネームサーバBINDの起動を参照)。ローカルDNSサーバを有効にする方法は、インターネット接続の設定時にダイナミックDNSを選択したかどうかによって異なります。
通常、ダイナミックDNSを使用すると、インターネット接続が確立されるときプロバイダによってDNSサーバが設定され、ローカルの/etc/resolv.confファイルが自動的に変更されます。この動作は、/etc/sysconfig/network/configファイル内でsysconfig変数のMODIFY_RESOLV_CONF_DYNAMICALLYを「yes」に設定することで制御されます。この変数をYaST sysconfigエディタを使用して「no」に設定します(「セクション 7.3.1, YaSTのsysconfigエディターを使ってシステム設定を変更する」を参照してください)。そして、/etc/resolv.confファイルに、ローカルのDNSサーバとして「localhost」、そのIPアドレスとして「127.0.0.1」を入力します。このようにすれば、Squidは常に、起動時にローカルのネームサーバを検出できます。
プロバイダのネームサーバにアクセスするには、/etc/named.conf設定ファイル内のforwardersにサーバ名とそのIPアドレスを入力します。ダイナミックDNSを使用すると、この動作を接続の確立時に自動的に実行できます。それには、sysconfig変数のMODIFY_NAMED_CONF_DYNAMICALLYを「YES」に設定します。
スタティックDNSを使用する場合は、接続の確立時にいずれの自動DNS調整も行われないため、sysconfig変数を変更する必要はありません。ただし、/etc/resolv.confファイルにローカルのDNSサーバを入力する必要があります。また、プロバイダのスタティックなネームサーバにアクセスするには、/etc/named.conf設定ファイルに、サーバ名forwardersとそのIPアドレスを手動で入力する必要があります。
ヒント: DNSとファイアウォール
ただし、ファイアウォールを実行している場合は、DNSリクエストがファイアウォールを通過できることを確認してください。