インストールプロセスをリモートにモニタするには、いくつかの方法があります。インストールのためのブートで、適切なブートオプションを選択すれば、VNCまたはSSHを使って、リモートのワークスレーションからインストールとシステム設定を制御することができます。
VNCビューアソフトウェアを使えば、ほとんどのオペレーティングシステムから、SUSE Linux Enterprise Serverのインストールをリモート制御できます。このセクションでは、VNCビューアアプリケーションまたはWebブラウザを使うセットアップについて説明します。
VNCによるインストールを準備するために、インストールターゲット上で行う必要のあることは、インストールのための初期ブートで適切なブートオプションを選択することだけです(セクション 14.4.2, カスタムのブートオプションを使用するを参照)。ターゲットシステムはテキストベースの環境にブートして、VNCクライアントがインストールプログラムに接続するのを待ちます。
インストールプログラムは、インストーラに接続するために必要なIPアドレスとディスプレイ番号をアナウンスします。ターゲットシステムに物理的にアクセスしている場合には、この情報はシステムがインストールのためにブートした直後に表示されます。VNCソフトウェアが要求してきたときにこのデータを入力し、VNCパスワードを入力してください。
インストールターゲットはOpenSLPによってアナウンスを行うので、ネットワークセットアップ、およびすべてのマシンがOpenSLPをサポートしていれば、物理的にアクセスしなくても、SLPブラウザによってインストールターゲットのアドレス情報を取得できます。
KDEのファイルおよびWebブラウザであるKonquerorを起動します。
場所バーにservice://yast.installation.suseと入力します。ターゲットシステムは、Konquerorの画面にアイコンとして表示されます。このアイコンをクリックすると、KDEのVNCビューアが起動するので、その中でインストールを実行できますまたは、使用しているVNCビューアソフトウェアを、インストールの開始時に表示されたIPアドレスの後に:1を付けて実行することもできます。
基本的には、VNCサーバ(この場合はインストールターゲット)に接続するには2通りの方法があります。任意のオペレーティングシステムで独立したVNCビューアアプリケーションを起動することもできますし、Java対応のWebブラウザを使って接続することもできます。
VNCを使えば、Linuxシステムのインストールを、他のLinux、Windows、Mac OSなど、他の任意のオペレーティングシステムから制御できます。
Linuxマシンでは、tightvncパッケージがインストールされていることを確認してください。Windowsマシンでは、このソフトウェアのWindows移植版をインストールしてください。これは、TightVNCのホームページから入手できます(http://www.tightvnc.com/download.html)。
ターゲットマシンで動作しているインストールプログラムに接続するには、以下の手順に従います。
VNCビューアを起動します。
SLPブラウザ、またはインストールプログラム自体から提供された、インストールターゲットのIPアドレスとディスプレイ番号を入力します。
ip_address:display_number
デスクトップにウインドウが開き、その中に、通常のローカルインストールの場合と同様に、YaSTの画面が表示されます。
インストールプログラムに接続するためにWebブラウザを使えば、VNCソフトウェアや、基になるオペレーティングシステムに依存しなくてすみます。ブラウザアプリケーションでJavaのサポートが有効になっているものであれば、Linuxシステムのインストールのために、どのブラウザでも使用できます(Firefox、Internet Explorer、Konqueror、 Operaなど)。
VNCによるインストールを実行する場合、以下の手順に従います。
使用しているWebブラウザを起動します。
アドレスに以下のように入力します。
http://ip_address_of_target:5801
要求されたときにはVNCパスワードを入力します。ブラウザウィンドウに、通常のローカルインストールの場合のように、YaSTの画面が表示されます。
SSHを使えば、任意のSSHクライアントソフトウェアによって、Linuxマシンのインストールを制御することができます。
ソフトウェアパッケージ(LinuxではOpenSSH、WindowsではPuTTY)のインストールの他に、SSHによるインストールのために適切なブートオプションを渡す必要があります。詳細については、セクション 14.4.2, カスタムのブートオプションを使用するを参照してください。SUSE Linuxベースのオペレーティングシステムであれば、デフォルトでOpenSSHがインストールされています。
インストールターゲットのIPアドレスを取得します。ターゲットマシンに物理的にアクセスできる場合には、初期ブート後のコンソールにインストールプログラムが表示するIPアドレスを記録してください。または、DHCPサーバ設定によって特定のホストに割り当てられたIPアドレスを調べてください。
コマンドラインで次のコマンドを入力します。
ssh -X root@ip_address_of_target
ip_address_of_targetは、ターゲットの実際のIPアドレスで置き換えてください。
ユーザ名を要求されたら、rootと入力します。
パスワードを求められたら、SSHのブートオプションで設定したパスワードを入力します。正しく認証されると、インストールターゲットのコマンドプロンプトが表示されます。
yastと入力して、インストールプログラムを起動します。セクション 6.0, YaSTによるインストール;で説明されているように、ウィンドウが開いて、通常のYaSTの画面が表示されます。