14.4 ターゲットシステムをインストールのためにブートする

基本的に、セクション 14.3.7, Wake on LANセクション 14.3.3, PXEブートの使用で説明されているものを別にして、インストール用のブートプロセスをカスタマイズする方法は2とおりあります。デフォルトのブートオプションとファンクションキーを使用したり、インストールブート画面のブートオプションプロンプトを使って、特定のハードウェアでインストールカーネルが必要とするブートオプションを渡したりできます。

14.4.1 デフォルトのブートオプションを使う

ブートオプションの詳細については、セクション 6.0, YaSTによるインストール;を参照してください。一般に、[インストール]を選択すれば、インストールブートプロセスが開始します。

問題が発生した場合は、[インストール--ACPI無効]または[インストール--セーフ設定]を使用します。インストールプロセスでのトラブルシューティングについての詳細は、6.2項 「Installation Problems」を参照してください。

画面の下部にあるメニューバーには、セットアップで必要になる、いくつかの高度な機能が用意されています。Fキーを使えば、これらのパラメータの構文の詳細を知らなくても、インストールルーチンに渡す付加オプションを指定できます(セクション 14.4.2, カスタムのブートオプションを使用するを参照)。使用可能な機能キーの詳細については、セクション 6.6, ブート画面を参照してください。

14.4.2 カスタムのブートオプションを使用する

適切なブートオプションのセットを使えば、インストールの手順を容易にすることができます。多くのパラメータは、後ほどlinuxrcルーチンを使って設定することもできますが、ブートオプションを使用するほうが簡単です。いくつかのの自動セットアップでは、ブートオプションをinitrdまたはinfoファイルで設定することもできます。

次のテーブルでは、この章で説明したすべてのインストールシナリオと、ブートに必要なパラメータ、および対応するブートオプションを示します。インストールルーチンに渡すブートオプション文字列を決めるには、このテーブルに表示されている順序で、それらをすべてつなげてください。たとえば次のようになります(すべてを1行で記述します)

install=... netdevice=... hostip=...netmask=... vnc=... vncpassword=...
   

この文字列の中のすべての値(...)を、セットアップに適した値で置き換えます。

表 14-1 この章で用いられているインストール(ブート)シナリオ

インストールシナリオ

ブートに必要なパラメータ

ブートオプション

セクション 6.0, YaSTによるインストール;

なし:システムは自動的にブートします

必要なし

セクション 14.1.1, VNC経由のシンプルリモートインストール—静的なネットワーク設定

  • インストールサーバの場所

  • ネットワークデバイス

  • IPアドレス

  • ネットマスク

  • ゲートウェイ

  • VNCの有効化

  • VNCのパスワード

  • install=(nfs,http, ftp,smb)://path_to_instmedia

  • netdevice=some_netdevice (複数のネットワークデバイスが利用可能な場合にのみ必要)

  • hostip=some_ip

  • netmask=some_netmask

  • gateway=ip_gateway

  • vnc=1

  • vncpassword=some_password

セクション 14.1.2, VNC経由のシンプルリモートインストール—動的なネットワーク設定

  • インストールサーバの場所

  • VNCの有効化

  • VNCのパスワード

  • install=(nfs,http, ftp,smb)://path_to_instmedia

  • vnc=1

  • vncpassword=some_password

セクション 14.1.3, VNC経由のリモートインストール—PXEブートとWake on LAN

  • インストールサーバの場所

  • TFTPサーバの場所

  • VNCの有効化

  • VNCのパスワード

適用されない。プロセスはPXEとDHCPによって管理される

セクション 14.1.4, SSH経由のシンプルリモートインストール—静的なネットワーク設定

  • インストールサーバの場所

  • ネットワークデバイス

  • IPアドレス

  • ネットマスク

  • ゲートウェイ

  • SSHの有効化

  • SSHのパスワード

  • install=(nfs,http, ftp,smb)://path_to_instmedia

  • netdevice=some_netdevice (複数のネットワークデバイスが利用可能な場合にのみ必要)

  • hostip=some_ip

  • netmask=some_netmask

  • gateway=ip_gateway

  • usessh=1

  • sshpassword=some_password

セクション 14.1.5, SSH経由のシンプルリモートインストール—動的なネットワーク設定

  • インストールサーバの場所

  • SSHの有効化

  • SSHのパスワード

  • install=(nfs,http, ftp,smb)://path_to_instmedia

  • usessh=1

  • sshpassword=some_password

セクション 14.1.6, SSH経由のリモートインストール—PXEブートとWake on LAN

  • インストールサーバの場所

  • TFTPサーバの場所

  • SSHの有効化

  • SSHのパスワード

適用されない。プロセスはPXEとDHCPによって管理される

ヒント: linuxrcブートオプションの詳細情報

Linuxシステムをブートする際に用いられるlinuxrcのブートオプションについての詳細は、/usr/share/doc/packages/linuxrc/linuxrc.htmlを参照してください。