YaSTを使って、コンピュータに直接接続されている(通常はUSBまたはパラレルポート使用)ローカルプリンタを設定したり、ネットワークプリンタによる印刷を設定することができます。ネットワークを介してプリンタを共有したり、サードパーティーのドライバ
(PPD(PostScript Printer Description)ファイル)を追加することもできます。印刷に関する詳細(コンセプト、技術詳細、トラブルシュート)は、第10章 プリンタの運用に記載されています。
YaST内で、
の順に選択して、プリンタモジュールを起動します。デフォルトでは、モジュールが 画面で開き、使用可能な設定済みのプリンタがすべてリストされます。これは、ネットワークを介して多数のプリンタにアクセスできる環境で、特に役に立ちます。ここから、選択したプリンタで を実行し、ローカルプリンタを設定できます。未設定のローカルプリンタが検出された場合、それを設定するためにYaSTが自動的に開始されます。パラレルまたはUSBポートを自動的に設定し、接続されたプリンタを検出できる場合、YaSTはプリンタを自動的に設定できます。このプリンタモデルは、ハードウェアの自動検出時に使用されるデータベースにも登録する必要があります。
プリンタモデルがわからない場合、または自動検出できない場合は、手動設定を行ってください。プリンタが自動検出されない原因としては、次の2種類の理由が考えられます。
プリンタが自己を正しく識別していない。これは、非常に古いデバイスなどにみられます。手動による設定の説明に従って、プリンタを設定してください。
手動設定でも正常に動作しない場合は、プリンタとコンピュータ間の通信ができない可能性があります。ケーブルやプラグをチェックして、プリンタが正しく接続されていることを確認してください。この場合は、問題はプリンタ関連ではなく、USBポートやパラレルポート関連の問題である可能性が高いです。
プリンタを手動で設定するには、
画面で を選択します。YaSTがプリンタドライバのリストをロードします。これには少し時間がかかる場合があります。 を使用して、プリンタとコンピュータの接続方法を指定します。次に、適切なドライバを選択し、 フィールドでプリンタキューに固有の名前を設定します。プリンタは、直接には使用されず、必ず、プリンタキューを介して使用されます。これにより、同時実行ジョブをキューに入れ、次々に処理することができます。各プリンタキューは、特定のドライバに割り当てられ、プリンタは、複数のキューを持つことができます。これにより、たとえば、カラープリンタ上に、黒だけを印刷する2つ目のキューを設定することができます。印刷キューの詳細については、10.1項 「印刷システムのワークフロー」を参照してください。
多くのプリンタモデルでは、さまざまなドライバを使用できます。プリンタを設定する場合、YaSTでは一般的な規則としてrecommendedのマークが付いたプリンタがデフォルトになります。通常は、ドライバを変更する必要はありません。recommendedとマークされたドライバが最良の結果を出すはずだからです。ただし、たとえば、カラープリンタでモノクロ印刷だけをしたい場合は、カラー印刷をサポートしないドライバの使用が最も便利です。画像印刷時にPostScriptプリンタでパフォーマンス上の問題が発生する場合は、PostScriptドライバからPCLドライバに変更すると問題が改善されることがあります(ただし、使用するプリンタがPCLを理解できる場合)。
プリンタ用ドライバがリストされていない場合は、該当する標準言語を使用する汎用ドライバをリストから選択することもできます。プリンタのマニュアルを参照して、プリンタが理解する言語(プリンタを制御するコマンドのセット)を見つけてください。これでうまくいかない場合は、YaSTによるドライバの追加を参照して他の解決方法を試してください。
これで、プリンタはデフォルト値で設定され、使用可能な状態になりました。
をクリックして、 画面に戻ります。新たに設定したプリンタがプリンタリストに表示されています。新しいプリンタを追加しても、10.3項 「ソフトウェアのインストール」を参照してください。ローカルファイルシステムか、FTPまたはHTTPサーバから、PPDファイルを手動で追加するには、 を選択します。
ダイアログに表示されない場合は、そのモデルのPPD(PostScript Printer Description)ファイルがありません。PPDファイルの詳細については、
PPDファイルは、プリンタメーカーから直接か、またはプリンタのドライバCDから入手します。詳細については、10.8.2項 「特定のPostScriptプリンタに適したPPDファイルが入手できない」を参照してください。PPDファイルは、http://www.linuxfoundation.org/en/OpenPrinting/のOpenPrinting.org printer database
でも見つけることができます。OpenPrinting.orgからPPDファイルをダウンロードする場合、このサイトには最新のLinuxサポートステータスが記載されていることに注意してください。このステータスは、必ずしも、SUSE Linux Enterprise Serverと一致するとは限りません。
用紙サイズ、解像度、メディアソースなどのデフォルト設定を調整するには、
のリストからプリンタを選択し、 をクリックします。プリンタキューに変更を加えるウィンドウで、 を開いて、詳細な調整を行うことができます。複数のプリンタキューにアクセスできる場合は、これを にするかどうか指定できます。ここでは、汎用プリンタの と の説明も変更できます。多くのプリンタモデルでは、さまざまなドライバを使用できます。プリンタを設定する場合、YaSTでは通常はデフォルトで1つのプリンタにrecommendedのマークが付きます。すべての利用可能なドライバについては、ダイアログの セクションを参照してください。現在選択されているドライバは、 としてマークされます。
通常は、ドライバを変更する必要はありません。YaSTが選択したドライバが最良の結果を生むはずだからです。ただし、たとえば、カラープリンタでモノクロ印刷だけをしたい場合は、カラー印刷をサポートしないドライバの使用が最も便利です。画像印刷時にPostScriptプリンタでパフォーマンス上の問題が発生する場合は、PostScriptドライバからPCLドライバに変更すると問題が改善されることがあります(ただし、使用するプリンタがPCLを理解できる場合)。
ネットワークプリンタは、自動的には検出されません。ネットワークプリンタは、YaSTプリンタモジュールを使って手動設定する必要があります。ネットワークの設定内容に応じて、プリントサーバ(CUPS、LPD、SMB、またはIPX)に印刷したり、ネットワークプリンタに直接印刷(TCP経由を推奨)することができます。ネットワーク印刷の設定画面にアクセスするには、YaSTプリンタモジュールの左ペインから
を選択します。Linus環境では、ネットワークを介した印刷に、通常CUPSが使用されます。最も簡単なセットアップは、すべてのクライアントが直接アクセスできる1つのCUPSサーバだけを使用する印刷です。
をオンにして、サーバの名前またはIPアドレスを指定します。 をクリックして、正しい名前/IPアドレスを選択したことを確認します。 をクリックして、終了します。.2つ以上のCUPSサーバを介して印刷する場合は、
をオンにします。情報源とするサーバとして、すべての利用可能なネットワーク内のサーバ、ローカルネットワーク内のサーバ、または特定のIPアドレスのサーバを指定します。この設定では、リモートCUPSデーモンと通信する実行中のローカルCUPSデーモンが必要です。したがって、ローカルCUPSデーモンの起動を勧告されたら、 をクリックしてください。ネットワークがCUPS以外の印刷サーバによる印刷サービスを提供する場合は、
を起動して、該当する タイプを選択します。ご利用の環境でのネットワークプリンタの設定については、ネットワーク管理者にお問い合わせください。