10.1 RAID 6の作成

10.1.1 RAID 6の理解

RAID 6は、本来、RAID 5の拡張であり、2つ目の独立した分散パリティスキーム(デュアルパリティ)の使用により、耐障害性をさらに追加します。データ回復プロセスで、2つのハードディスクドライブに障害が発生しても、システムは稼動し続け、データが失われることはありません。

RAID 6は、複数の同時ドライブエラーに耐えることで、非常に高いデータ 耐障害性を提供します。RAID 6は、データを失うことなく、2つのデバイスの喪失を処理します。したがって、N個のドライブのデータを保存するには、N+2個のドライブが必要です。その結果、最低限4個のデバイスが必要となります。

通常モードおよび単一ディスク障害モードでは、RAID 5と比べ、RAID 6のパフォーマンスは若干低いですが、同程度です。デュアルディスク障害モードでは、RAID 6は非常に低速です。

表 10-1 RAID 5とRAID 6の比較

機能

RAID 5

RAID 6

デバイスの数

N+1(最小限3個)

N+2(最小限4個)

パリティ

分散型、シングル

分散型、デュアル

パフォーマンス

書き込みおよび再構築に中程度の影響

シーケンシャルな書き込みでは、RAID 5より影響大

耐障害性

1つのコンポーネントデバイスの障害

2つのコンポーネントデバイスの障害

10.1.2 RAID 6の作成

このセクションのプロシージャでは、RAID 6デバイス/dev/md0を4つのデバイスで作成します(/dev/sda1/dev/sdb1/dev/sdc1/dev/sdd1)。必ず、プロシージャを変更して、実際のデバイスノードを使用するようにしてください。

  1. 端末コンソールを開いて、rootユーザまたは同等の権限でログインします。

  2. RAID 6デバイスを作成します。コマンドプロンプトで、次のように入力します

    mdadm --create /dev/md0 --run --level=raid6 --chunk=128 --raid-devices=4 /dev/sdb1 /dev/sdc1 /dev/sdc1 /dev/sdd1
    

    デフォルトのチャンクサイズは 64KBです。

  3. このセクションのプロシージャでは RAID 6デバイス/dev/md0上でファイルシステム(Reiserファイルシステムなど)を作成します。たとえば、コマンドプロンプトで、次のように入力します。

    mkfs.reiserfs /dev/md0
    

    これとは別のファイルシステムを使用したい場合は、コマンドを変更します。

  4. /etc/mdadm.confファイルを編集して、コンポーネントデバイスとRAIDデバイス /dev/md0のエントリを追加します。

  5. /etc/fstabファイルを編集して、RAID 6デバイス /dev/md0のエントリを追加します。

  6. サーバを再起動します。

    RAID 6デバイスが/localにマウントされます。

  7. RAIDアレイにホットスペアを追加します(オプション)。たとえば、コマンドプロンプトで、次のように入力します。

    mdadm /dev/md0 -a /dev/sde1